FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

自民大敗、年を重ねて高まる関心

2024年の衆院選は久しぶりの自民党大敗という結果になりました。自公合わせて過半数割れ。つまり単独では政権を握ることができない状況です。伸ばしたのは立憲民主党ですが、こちらも政権を取るには数が足りません。

 

そんな中、躍進したのが国民民主党。7議席から28議席へと躍進しました。自民、立民の2大政党と、公明・維新・国民が20〜40議席。公明は自民とセットですから、今後の政治運営のキャスティングボードを握ったのは、維新と国民民主という構造になりました。

 

さてこれによって政策にどう影響があるのか、経済にはプラスなのかマイナスなのか、株価、為替にはどう影響するのか。これらはおいおい考えるとともに、いろいろな人が解説してくれるでしょう。

 

一方で、今回の選挙はこれまでで最も関心を寄せた選挙でした。それはなぜか? ということを考えてみたいと思います。

年を重ねて高まる関心

自民が負けるかもしれないとか、維新や国民民主といった現役世代の代弁者的な政党が伸ばしてきたとか、そういう要因はもちろんあります。ただ、そういうことよりも感じたのは、年を取るとともに選挙に関心が行くということでした。

 

厳密ではないけど、ぼくはおそらく選挙は皆勤です。どれだけ岩盤状況であっても、少しでも影響を与えたいと思って何かしらに投票してきました。自民党があまりに強いときには野党の中でも最も先鋭的に戦うところに入れてきましたし、最高裁の国民審査は全部✗を付けます。少しでも意味がある、緊張感が持たれる選挙にしたいからです。

 

ところが今回は、かなり真剣に政策を見て党や候補者を決めました。結果的には推した人は当選には至りませんでしたが、比例では多少の意味はあったのではないかと思っています。Xでの人格は一応投資系なんですが、さすがにこの期間はかなり選挙関係の投稿が増えました。

 

これはなぜか。なぜ年を取ると選挙に関心が行くのか。

 

一つは端的にヒマだということです。正直、時間がなければ政策を調べたりどの政党が自分の考えに合っているかなんて分かりません。

 

例えば、国民民主は玉木さんと榛葉さんの真摯な人柄には引かれましたし、政策の方向性は一致するのですが、具体的な政策がどうにも取って付けた感があります。暗号資産の分離課税化を掲げる一方で株式収益については総合課税化を挙げる。そして金融資産課税も打ち出す。輸入に頼らない安価なエネルギーとして原発を肯定するも、太陽光発電の再エネ賦課金については廃止だという。いろいろチグハグなんですね。まぁこんなこともいろいろ調べたからわかったわけです。

 

仕事で手一杯な人はどの政党や候補を応援したらいいか分かりません。さらに、せっかくの時間を使って投票に行っても、その一票でなにかが変わることはないとわかっています。これでは政治に無関心になるのも当たり前です。自分の一票で本当に「手取りが増える」のならいいんですが、実際は考えたり投票に行く時間で働いたほうが「手取りが増える」のですから。

 

2つ目は社会の仕組みに詳しくなるからです。国民民主は基礎控除を103万→178万に引き上げることを主張していてたいへん合理的だし正しい内容だと思いますが、これがなんのことか分かるには、基礎控除というのが何で、税金がどうやって決まるかのがわかっていないと理解できません。

 

正直、ぼくはサラリーマン時代はしっかり分かっていませんでした。そういう難しいことは全部会社がやってくれたからです。自分が考えても工夫の余地がないからです。そういう人には、基礎控除を引き上げるといっても、どこか別世界のことだと感じるわけです。

 

3つ目は国に頼ることが増えてくるからです。若いうちは国の存在を感じることはあまりありません。税金は取られますが源泉徴収なんで勝手になくなるものだし、もらえるものはほぼありません。医者にも滅多にかかりません。

 

ところがシニアが近づくと、これまで支払い続けてきた状況から貰う状況に変わっていきます。その最大のものは年金でしょう。そして医者にかかることも増え、診療費負担は実感できるものになってきます。政治の結果が及ぼす影響が相対的に大きくなるので、気にせざるを得なくなります*1

 

そういうわけで、一番政治に関心を寄せるのが、ある程度時間ができて、知識もあって、今後の政府の方向性に関心を持つのが、ぼくのような氷河期世代なんじゃないかと思っています。

れいわと参政党に不安と危機感

逆に、れいわや参政党の拡大には不安と危機感を持っています。れいわの政策は一見耳障りはいいものの実現不能なのが素人でも分かるようなものばかりで、変な踊りで賛同者を集めるあたり、まるでカルト宗教のようです。参政党はオーガニック信仰/反ワクチン/レイシズムという陰謀論の塊のような政党です。

 

今回れいわは3→9、参政党は1→3へと議席を増やしたわけですが、これらに投票している人たちは社会的弱者なのではないかと仮説を持っています。現状に絶望し漸進的に良くしていけるイメージがわかない。であればいっそ破滅的に革命的に社会をひっくり返したい。そんな願望の受け手になっているのが、これらの政党なのではないか。そんなふうに感じるのです。れいわのキャッチコピーは、「世界に絶望してる?だったら変えよう。れいわと一緒に。」ですから。

 

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*1:もっとも、この問題については高齢者優遇には反対で、働く世代の負担を減らすべきだと思っています。自分自身はもう稼ぎ終わった状態で、社会保険も税金も大して払っていないし、逆に今後は受け取る側になる世代です。だから自分にとって得か損かで考えたら、高齢者優遇策を推すべきです。でも、望ましい国のあり方として、重税福祉国家よりも小さな政府で自助努力するべきだと思っているので、そういうスタンスをとっているわけです。