ヤマダデンキがヤバいキャンペーンをスタートさせました。銀行への積立を行うと、12ヶ月後に積立総額の10%をポイントで還元するというもの。100万円積み立てれば10万円分のポイントが得られるのに、リスクは定期預金並みということで、これは全力でやるしかないキャンペーンです。
ヤマダ積立預金の概要
ヤマダ積立預金とは、「家具家電の購入やリフォーム資金などに向けた自動積立預金サービス」です。毎月一定金額を積み立てるもので、満期まで積み立てるとヤマダデンキのポイントがもらえます。
高島屋などの百貨店でやっている友の会によく似たサービスですが、大きな違いは友の会が前払式支払手段、要するに毎月商品券を買っているのに対し、今回は銀行の目的別口座への積立だということ。つまり「家具家電の購入やリフォーム資金などに向けた」とは言っているものの、普通に現金として引き出したり振り込んだりもできるという点です。
つまり毎月積み立てると、1年後にご褒美のポイントがもらえるわけで、これはまさに現代の錬金術だという感じです。
キャンペーンの概要とベストプラクティス
こちらのヤマダ積立預金、満期のポイント還元は基本5%なのですが、サービス開始キャンペーンということで還元率アップがされています。キャンペーンの概要は次の通り。
- 2025年1月31日までヤマダ積立預金を申し込み
- 2025年2月までに初回の積立振替を実行
- 通常還元5%のところ、10%を還元
- 付与タイミングは最終振替月の翌月末
さて、ヤマダ積立預金の積立額は5000円〜5万円、期間は1年〜3年なので、ベストプラクティスは5万円/月=60万/年を期間1年で行うことですね。
ただ今回のキモは、こちら1口であって、何口でも申し込めること、複数口申し込んでもすべてキャンペーンの対象となることです。極端な話、1億円分申し込めば1年後に1000万円分のポイントがもらえる。これはかなりバグっているキャンペーンです。
うぉぉぉ🔥🔥
— たまる (@ta_ma_ruyo) 2024年11月28日
ヤマダ積立預金
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複数口で全口10%還元(実質年利18%超)との回答頂きました‼️ https://t.co/AZ33KuabYb pic.twitter.com/ROVmwwc1CN
実際の利回りは18.46%
5万円を毎月積み立てると1年後には60万円になります。その10%、6万円がポイント還元されるわけで、表面だけ見てシンプルにいえば10%還元なのですが、実際はもっと高い利回りになります。60万円を1年間預けるのではなく、積立だからです。
毎月の積立額は、積み立てたタイミングから1年後に利息が得られるため、積立額がどのくらいの期間運用されたかを考慮する必要があります。例えば、1月目に積み立てた金額は12ヶ月間運用され、12月目の金額は1ヶ月間だけ運用されます。
この加重平均をとって、最終積立額との比から平均運用期間(月数)を求めると6.5ヶ月になります。つまり0.54年なので、10%の還元が0.54年で得られたということになり、割り算すると、18.46%になるのです。実に大きなリターンだといえますね。
さらにヤマダポイントとは別に、預金なので利息もつきます。わずか0.1%(税前)ではありますが、確実なリターンですね。
なお百貨店の友の会は、12ヶ月積み立てると1ヶ月分付与というパターンが多いので、付与率は8.33%。今回はそこが10%なので、さらにお得なわけです。
どんなリスクがあるのか?
とはいえ、こういう美味い話にはリスクもつきものです。今回のリスクはどうみたらいいでしょうか?
まずヤマダネオバンクは、ヤマダデンキが提供しているサービスではなく、住信SBIネット銀行が行っています。ヤマダデンキはブランドを貸して銀行サービスに誘導を掛けているという建付けです(銀行代理業)。
そのため積み立てたお金は銀行である住信SBIネット銀行が保証しており、預金保険制度、いわゆるペイオフの対象になります。銀行が破綻しても1000万円までは保障されます。ただし、住信SBIネット銀行本体を含め、全ネオバンクの合計で1000万円までだということは注意が必要です。
もう一つは10%付与されるヤマダポイントです。こちらは住信SBIネット銀行は関係なく、ヤマダデンキが発行する企業ポイントになります。企業ポイントは法的には保護がされておらず、極端な話、ヤマダデンキの胸先三寸でどうすることもできます。
会員口座にお預かりしたポイントのご利用有効期間は最終ご利用日から1ヶ年間とします。最終利用日より1ヶ年ご利用のない場合、お預かりしたポイントはクリアされ失効します。
当社は、このカードプログラムおよび規約の内容を予告なしに変更・中止できる権利を有しております。カード保有者は、それを予め承諾したものとします。なお中止された場合には、それまで蓄積されたポイントを全て引き換えることができます。
ヤマダデンキが倒産したときはポイントは失効しますし、ヤマダデンキがあとからルールを変えることもあり、それを承諾しているという規約です。まぁ実際はポイントの財産的な価値は大きく、簡単に失効させられるものではありません。航空会社のマイルも企業発行ポイントですが、JALが倒産したときも株式価値はゼロになり、債権は放棄されましたが、マイルだけは新会社に引き継がれました。そういう意味ではヤマダポイントもある程度は安心できるとも思えます。
それよりもリスクだと思うのは、キャンペーンへのあまりの反響にヤマダ側が日和ってキャンペーンを改悪することです。まだ初回引き落としが始まっていないので、「やっぱやめた!」とか「一人1口まで」とか言い出す可能性はあります。何しろ「内容は予告なく変更する場合があります」なのですから。
現在、キャンペーン一覧からはこの10%ポイント還元のページはリンクされておらず、直リンでしか飛べません。あまり積極的にアピールしたくないという意図が透けて見えます。
※29日夕方追記。ついに直リンクで10%還元のページにアクセスするとキャンペーン一覧にリダイレクトされるようになりました。キャンペーン自体が亡くなったり、大きく修正される可能性もありますね。
税金について
もう一つ気をつけたいのが税金です。今回人によってはかなり多額のポイント付与となり、税金が気になるところです。「特典は課税の対象となる場合がございますので、所轄税務署にご確認ください。」という放り投げ的な注意事項もあります。
さて国税庁によると、商品購入時のポイント付与は値引きと同じという扱いで確定申告は不要=非課税ということになっています。
一般的に企業が発行するポイントのうち決済代金に応じて付与されるポイントについては、そのポイントを使用した消費者にとっては通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものと考えられますので、こうしたポイントの取得または使用については、課税対象となる経済的利益には該当しないものとして取り扱うこととしています。
ただしポイント付与キャンペーンは別で、一次所得になるとしています。
ポイント付与の抽選キャンペーンに当選するなどして臨時・偶発的に取得したポイントについては、通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものとは考えられませんので、そのポイントを使用した場合には、その使用したポイント相当額を使用した日の属する年分の一時所得の金額の計算上、総収入金額に算入します。
今回はポイント付与キャンペーンにあたり、一時所得にあたると考えるほうが妥当でしょう。
では一時所得の税率はというと、
総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円) = 一時所得の金額 を給与などと合算して総合課税
となっています。注目すべきは特別控除額が50万円あることです。ほかに一時所得にあたるものがない場合ですが、年間でポイントを50万円まではもらっても無税ということです。
今回だけの場合でいえば、1口=6万ポイント ですから、8口=48万円までは非課税ですね。ただほかのポイ活で決済付与ポイント以外をもらったらそれも計算に入れなくてはなりません。
ただ総合課税というのは住民税10%+所得税0〜45%なので、給与などがそれほど高くなければ大した税率にはなりません。100万ptもらっても、50万円控除して7万5000円くらい納税すればOKなくらいなので、税率は大したことありません。それよりもポイントを得ることにフォーカスしたほうが経済的利益は大きそうです。
実際に申し込んだ 月間50万円
というわけで、ノーリスクに近くて18.57%も得られる案件なので、申し込んでみました。あとはほんとに改悪発表がされないことを祈るのみです。
月間50万円、年間だと600万円になるので1年後には60万ポイントが得られるはず!という皮算用です。これで来年のMacとiPhoneはタダでゲットですね♪
注意点としては「1回のお買い物でポイントのご利用限度額は、上限を10万ポイント未満とさせて頂きます。」という点があります。つまり60万pt貯めても、10万ポイントずつしか使えないので、高額な家電には使いにくいですね。
ただ。ヤマダデンキは楽天POSAをポイントで買えるので、ほぼ現金のようなものです。店舗店頭にいかなくてはならず、POSAを買えるかは店舗によって異なるようですが、少なくとも都心のヤマダデンキでは購入できた実績があります。まぁこのキャンペーンでヤマダポイントが巷に溢れると、楽天POSAが購入できなくなる可能性もありますけど。