CICが信用スコア「クレジットガイダンス」の提供を始めました。自分の信用力が数字で分かるということで、さっそく開示してみました。
CICのクレジット・ガイダンス
CICというのは、クレジットカード会社が共同で出資した信用情報機関で、現在は内閣府および経済産業省から、指定信用情報機関として利用が義務付けられています。
いったい何をしているところかというと、消費者のクレジットおよび消費者ローンに関する信用情報を一括して保管している機関です。個人の属性・契約内容・支払状況・残債額などを加盟するクレジットカード会社などから収集し、他のクレジットカード会社からの照会に対して情報を提供しています。
要するに、業界全体で共有されているブラックリスト的なものです。クレジットカード会社は、カードの新規発行などの際にCICの情報を参照して判断しています。
これまでは、具体的な契約内容や支払い状況、残債額が開示されるだけで、その情報をどう使って判断するかは各社それぞれで考えられていました。また開示された情報を見ても、いったい自分の信用情報が高いのか低いのか、分からないという問題もありました。
これらを解決すべく、作成されたのがクレジット・ガイダンスです。これは信用情報を200〜800の3桁の数字で表し、自分の信用状態が高いのか低いのかが簡単に分かるとともに、なぜそのスコアになったのかという算出理由も表示されます。
先行して2024年11月28日に消費者に提供され、2025年4月1日にはクレジットカード会社などへの提供も始まります。
クレジットガイダンスの取得方法
まずナビダイヤルに電話して、自分の電話番号を入力すると、閲覧用の受付番号が音声で入手できます。CICでは、ユーザーを特定するキーとして電話番号を使っていて、これに紐づいていることが分かります。ちなみに、ナビダイヤルなので20秒ごとに10円の通話料がかかり、定額通話の対象外なのですが、自分の受付番号を入手するのに最短で2分14秒かかりました。
この方法だと、誰の情報でも開示できてしまうように感じますが、手数料の支払いがクレジットカードまたはキャリア決済に限られていて、この決済方法によって本人であることを認証しているようです。本人のクレカでしか払えないからです。なお利用できるクレカは意外と少ないのでそこは注意かも。
なおクレジットガイダンスだけを開示できるわけではなく、従来の信用情報に加えてクレジットガイダンスも追加された形です。そのため、カード会社ごとの契約状況や支払い状況も表示されます。
なお、手数料は500円。郵送での開示も可能で、その場合は1500円になります。
ぼくのスコアは569!
そのようにして開示してみたものがこちら。クレジットガイダンスの数字は569でした。
ちなみにCICが公開しているクレジットガイダンスの分布は次のようになっています。最頻値は620〜709点で全体の50%超を占めます。ぼくは500番台なので下位30%の入ってしまいました。
内容をもう少し見ると、下記の要素がスコアに影響を与えているとされています。
「請求回数に対する未入金回数がないため、指数にプラスの影響を与えています」:これは要するに支払いがちゃんとされているということです。当然これはプラスの影響になりますね。
「極度額に対する残債額の割合が、指数にプラスの影響を与えています」:極度額とは、いわゆるカードの限度額です。残債額というのは実際にショッピングなどで使った額ですね。要するに限度額300万に対して、今月は30万円しか使っていないからプラスだといっています。限度額が全体で高いほどプラス、利用額が少ないほどプラスという感じでしょうか。
「新規契約の申込件数が、指数にマイナスの影響を与えています」:これは新規でカードを作りすぎだということですね。まぁそれは分かります。2024年の新規申し込み扱いをCICの情報からピックアップすると、これだけのものが出てきました。
- 9/12 JCBカード(ソラチカゴールドですね)
- 8/8 Viewカード
- 9/26 メルペイスマートマネー
- 8/17 PayPayカード(2枚目JCB)
- 6/14 三菱UFJカード
- 6/6 dカード(新番号発行)
- 6/9 メルペイ定額払い
「クレジット契約数の増加傾向が、指数にマイナスの影響を与えています」:これは保有クレカが多すぎるって意味です。実はCICは50件までしか開示されません。ぼくの場合、余裕でこのマックスを超えているので、そりゃマイナスになるよねって話です。
この数字をどうするか
さて、思った以上にぼくのクレジットガイダンスが低いことが分かりました。このスコアを受けて、どうしたらいいでしょうか。
一応、このクレジットガイダンスを第三者に提供しないように設定することもできます。ただし、クレジットガイダンスを算出するのに使われている支払い状況などの元データは、クレジットカード会社に提供されるので、果たしてクレジットガイダンスだけ非開示にしてなにかいいことがあるのかは不明です。
そして実のところ、このクレジットガイダンスを審査に利用するカード会社が出てくるのかも不明です。カード会社は、同様のスコアを内部的には出しているはずで、あえてCICが用意したスコアを使う理由もないからです。敢えて言えば、新規参入の会社が、自社でスコアを算出せずにクレジットガイダンスを使うという可能性もあるのかもしれません。ただ、クレジットガイダンスには勤務先や年収といった属性情報は計算に使われないので、カード会社は別途属性情報を使って審査する必要があります。
そう考えると、このクレジットガイダンスは消費者自身が自分の信用力をチェックし、それを上げるような道筋を示してあげるのが目的なんじゃないかとも思えるのです。