本日12月26日は、12月末銘柄の権利付き日でした。いやはや、今回は誤発注こそなかったものの、いろいろと構造的なミスを連発してしまいました。どんな失敗をしたのか、まとめておきます。
株の置き場はNISA・特定口座・一般口座だけではない
信用売りをする場合はその3割に相当する証拠金が必要ですが、代わりに株式や投信などを証拠金代わりに使うこともできます。これを代用有価証券というのですが、うまく設定できていないと失敗します。
ぼくがメイン口座として使っている楽天証券では、国内株式の置き場が複数あって、どこかにしか置けません。排他なのです。
- 保護預かり
- 信用代用
- 貸株
- 信用貸株
まず「保護預かり」というのは、株券を証券会社が自己資産とは分別して管理し、破綻しても顧客の資産を保全する仕組みのことです。とはいえこれは株券電子化前の話で、いまは証券はほふりが管理しています。つまり楽天証券は株式を保管していません。それでも慣例的に、信用代用や貸株にしていない状態を保護預かりと呼ぶようです。
2つ目の信用代用は、株式を信用取引の担保にするもの。こちらは分別管理されています。
3つ目の貸株は、株式を証券会社に貸し出して、所定の手数料を受け取れるもの。これは分別管理されておらず、証券会社が破綻すると返却されないリスクがあります。
4つ目の信用貸株は最近できた仕組みで、貸株状態でありながら信用の担保にもできるもの。ただし通常の貸株よりも手数料は少なくなります。
楽天証券では、株を購入したときに保護預かりに置くのか信用代用に置くのか事前に設定でき、さらに保護預かりにある場合に、貸株をするのかそれとも信用貸株をするのかなどを設定できます。ただ相当複雑で、正直なところぼくも完璧には理解できていません。
通常は(証券会社破綻リスクを考えなければ)貸株においておくのが最もリターンは大きくなります。ETFなどだと所詮年率0.1%程度ですが、小型株などでは1%とか2%という銘柄もあるからです。
代用有価証券がゼロ?
ただクロス繁忙期のタイミングでは信用代用に入れたいところ。さもないと、空売りのために現金を証拠金として差し入れなければいけないからです。購入した株を保護預かりにおくか、信用代用に置くかは事前設定で、かつ注文中の株や受け渡し前の株があると設定が変更できないからです。つまり、権利付き日当日になると、もう手遅れというわけです。
では既存の株を信用代用に移せないか。「代用振替」という形で手動で変更することもできるのですが、貸株に入っていると厄介です。まず貸株を解除する必要があり、これには2営業日が必要です。この時点でもう詰んでいますね。
また自動設定が保護預かりになっていたため、楽天証券で現物を買っても全く信用代用に使えないという問題が生じます。今回は、SBI証券で現物を買うやり方で難を逃れました。
自動振替と代用設定は難解過ぎる
楽天証券のUIは基本的に使いやすいのですが、この「自動振替設定」だけは複雑さの極み。まさに機能が継ぎ足された結果、温泉旅館のようになっている感じです。ちなみにSBI証券のほうも相当複雑で、正直なにがどうなっているのかまるで分かりません。日興証券だと、貸株という概念がないため、保有する株式は全部信用代用として利用でき、とてもシンプルです。
それほどクロスボリュームが大きくない月の場合、投資信託の額だけで信用代用としては十分で、困らないのですが、12月のようにそこそこ信用売りの額が大きくなる月は、普段貸株にしている株を戻して信用代用に設定しておくべきでした。