ぼくが株クラでお会いする方の中には、すでに資産形成を終えていて取り崩しに入っている方がけっこういます。そうした方とお話するときに話題になるのは、どう資産を増やすかというよりも、どう資産を使うかという話。素晴らしい使い方をされている方を参考にさせていただきましょう。
資産運用でスーパーカーを手に入れる
年末に、投資家のWATANKOさんのフェラーリ328GTSに乗せていただきました。328GTは「歴代フェラーリの中で最もフェラーリらしく優雅で美しいとされるモデル」でです。3200ccV8エンジンをミッドシップに積み270馬力を生み出します。
低くそして優雅なピニンファリーナデザインは、今見てもまったく色褪せない造形ですね。下記はWATANKOさんのブログです。
WATANKOさんの真っ赤なフェラーリは1987年式。実に37年モノになるわけですが、すっごくきれいでネオクラシックの筆頭という感じがしました。タルガトップを空けて、高速から海沿いへと、フェラーリサウンドを後ろに聞きながら楽しみました。ぼくもスーパーカー世代の一人で、子どもの頃からの念願かなって空冷ポルシェを手に入れた一人なので、この時代のクルマの面白さ、カッコよさというのが分かるつもりです。
3億円の使い道
さてWATANKOさんは投資で3億円作るのが目標だったと話していました。その3億円の使い道は、1億円が老後資金として、1億円をスーパーカーの購入に、そして1億円を子どもたちに遺すと。いや、これ、ほんと素敵な考え方ですね。
WATANKOさんは328GTS以外にもポルシェ911(Type922)もお持ちで、さらに日常の脚としてBMW118d、さらにルノートゥインゴもお持ちです。そしてさらに3台目のスーパーカーも検討中とのこと。
1億円をスーパーカーに充てるとなると、正直だいたい何でも買えますね。乗り換えを想定するなら、ほんと、乗りたいクルマを次々と所有することも可能でしょう。20年を超えたネオクラシックカーは、買ってから値段が落ちるということがほとんどありません。それどころかタイミングによって高くなることもしばしばあって、実質投資しているのと同じようなもの。希少価値はどんどん高まっていくし、新しいクルマのほうが魅力的とは言い難いからです。
例えば2000万円でスーパーカーを買っても、数年後に別のスーパーカーが欲しくなって手放すとき、1700万円くらいでは売れたりするものです。下手な国産車を乗り潰すよりも全然値落ちがないですね。そして走行距離がそこまで伸びないこともあり、維持費もそれほどかかりません。
基本的に老後資金として自宅以外に1億円あれば、そうそう困ることはないでしょう。WATANKOさんの場合は、さらに親から引き継いだという不動産がけっこうあり、これだけでも食べていくには困らないとのこと。
なるほど自分の趣味に1億円充てようというのは、けっこう合理的です。ただ、このところの株高で、WATANKOさんの資産は5億円超まで増えてしまったようで、これだとスーパーカー予算が3億円まで増えちゃいますね。
自宅を買うという選択肢
FIRE後、積極的に支出して人生を謳歌している印象があるのが、投資家のエルさんです。米国株インデックス運用を中心としつつも、日本個別株で運用しているエルさんは、まったく働くことなく、年間1400万円くらいを支出しているそうです。賃貸ではなく自己所有の自宅とくことで、かなりいろいろなことにアクティブに使われていますね。
これだけの支出をしながらも、2024年は資産が17.5%増となったということで、さすがの投資家です。
さてエルさんは直近都内に新築マンションを購入したそうです。株式をそこそこ売却したということで、2024年の確定利益は3800万円超*1。これらの資金を使い、現金で購入したそうです。2021年に千葉に購入したマンションを手放しての買い替え、4度目の自宅購入だということですが、賃貸でなくてもライフスタイルに合わせてフットワーク軽く買い替えていることが印象的です。
別の方からも「自宅を買った。現金で」という話を聞き、なるほど、自宅を買うというのも一つの選択肢だなとけっこうマジメに思いました。
重めな支出
(しっかりとした)FIRE済みの人たちに共通するのは、自分のライフスタイルや生活費をちゃんと把握した上でFIREしているため、定期収入がなくなっても通常運転なら資産が減るどころか増えてしまうことです。
そうした中、WATANKOさんのように1億老後、1億遺産、1億スーパーカーみたいに考えないと、DIE WITH ZEROには至りそうもありません。では1億円単位で使える支出って何があるかな? と思うと、
- 子どもの教育
- 不動産
- クルマ
- 事業
くらいしかパッとは思いつかないんですね。あとは旅行くらい? 300万円くらいかけた旅行を年に6回行くと、年間1800万円。これを10年続ければ2億くらい使うことになるわけで、けっこう使い出がありそうです。
そうはいっても20年間身に染み付いた体質は変わらないようで、例えばランチでワンクラス上のメニューを選ぶかとか、食後のコーヒー300円を追加するかとか、最近は意識的にこういうことを解禁してきたものの、それでも抵抗感があるんです。
資産形成にはベストプラクティスも理論的な最適解も存在していてまさにサイエンスなのですが、支出のほうはアート。何に価値を見出すかは人それぞれで、正解がない世界だと思います。そして節約のほうはサイエンス的ですが、消費(浪費?)もアート。 何にお金を費やすかというセンスを磨いていくのが、2025年のぼくの目標の一つです。
*1:言わずもがなですがこれは利益で、別途元本部分もありますね