FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

トランプ砲 米国の戦略備蓄構想で仮想通貨が爆上げ

Bitcoinが乱高下を見せています。2月28日には8万ドルを割り、1月に付けた最高値10万8000ドルから25%も下落しました。ところが3月に入り、トランプ大統領が国家備蓄構想を掲げると急騰。9万ドルを回復しています。

トランプ関税、BybitのETH流出

12月、1月と最高値を付けてきたBitcoinですが、2月に入ってからは低調。トランプ大統領が公約の関税を進めるという見方が広がり、日米の株価とともに大きく下落しました。仮想通貨については、2月22日におきた史上最大のハッキングも影響しています。

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結果高値から25%程度下がって2月を終え、仮想通貨全体に悲観ムードが漂う状況でした。

仮想通貨の戦略備蓄

ところが2月2日にトランプ大統領が、仮想通貨の米国戦略備蓄構想を発表すると、各仮想通貨は急上昇をみせます。

米国の仮想通貨準備制度は、バイデン政権による長年の腐敗した攻撃を受けてきたこの重要産業を発展させるだろう。そのため私のデジタル資産に関する大統領令では、大統領作業グループに対し、XRP、SOL、ADAを含む仮想通貨戦略準備制度の整備を進めるよう指示した。私は米国が世界の仮想通貨の中心地となるよう確実にする。我々は再びアメリカを偉大にする!

この発表が市場に与えた影響は劇的でした。ビットコインは10%以上上昇して約9万4千ドルに達し、イーサリアムも13%上昇しました。特筆すべきはXRPの30%以上、SOLの25%超、そしてADAの驚異的な60%以上の高騰です。数時間で仮想通貨市場全体の時価総額が約40兆円も増加したとされます。

 

ただし、この政策の実現には課題が山積みです。まず、大規模な仮想通貨購入のための財源確保には議会の承認が必要です。1970年代の戦略石油備蓄(SPR)創設時と同様に、法改正や予算措置が求められるでしょう。

 

実のところ、トランプ大統領はどうやって戦略備蓄を行うのかについては話していません。現在、司法省には市場価格で210億ドルの約20万トークンが保管されているといいますが、市場の期待は政府が市場から仮想通貨を購入することでしょう。

 

ワシントンで出回っている最も具体的なビットコイン準備金の提案は、個人的に5枚のビットコインを保有する親クリプト派の共和党上院議員シンシア・ルミス氏によるものだそうです。ルミス議員の法案では、財務省が年20万BTCを5年間購入し、連邦準備銀行の預金・金保有益を資金源とする計画ですが、この法案はまだ議会で審議が進んでいません。

 

特に気になるのは、政策の持続可能性です。エンクレイブ・グループの共同設立者でアドバイザリー・サービス担当副社長のアダム・ブルンバーグ氏が指摘するように「次の選挙で別の政権が誕生し、債務や社会保障費の支払い財源が必要になれば、蓄えたコインを売却してしまうだろう」という懸念もあります。4年ごとに激しく揺れ動く米国政治において、一貫した長期的仮想通貨戦略を維持できるのか疑問です。

おもちゃになるクリプト

そして最も懸念するのは、今回のトランプ氏の投稿に前後して、インサイダーと見られるアカウントが大量の仮想通貨を購入し売り抜けたらしいことです。

株式のように規制されていない仮想通貨では、いわゆる風説の流布とか株価操縦に当たるような罪はありません。しかし、世界最大の国家、米国の大統領が仮想通貨の政治的な方針を打ち出して、そのタイミングで売買を行って利益を得るというのは、まったくもって褒められたことではないでしょう。

 

まさに仮想通貨は今、米国政権のおもちゃにされているように感じています。仮想通貨の本当の価値に関係なく、トランプが煽れば価格が上がるというような状況は、将来において仮想通貨の価値に禍根を残すんじゃないかとさえ思うのです。

 

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