FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

住信SBIネット銀行、預金1000万円で還元率2.5%のデビットカード


クレカの還元率競争は一段落して、加盟店別上乗せ競争に移行していますが、最近ちょっと面白いのがデビットカードです。V NEOBANKでは常時1.5%還元のサービスを提供して話題になりましたが、今回は本体のフルーツ支店で2.0%/2.5%還元となります。還元率は預金残高に応じて変わり、1000万円で最大還元率になります。

残高に応じて還元率アップ

仕組みはシンプルで、月末時点の預金残高に応じて翌月のデビットカード利用率がアップするというもの。3月末から6月末まで近しいキャンペーンを行っていましたが、それが好評だったため、還元率を上げて常設化したのだといいます。

気になる預金残高と還元率の関係は次の通り。手数料無料の新カード「デビットカード Point+」のほうは1000万以上の預金残高で還元率2.0%に。年会費1万1000円の「プラチナデビット」ならさらに0.5%上乗せされて2.5%です。

注意点としては下記があります。

  • NEOBANK系は対象外。フルーツ支店のみ対象
  • 月末円普通預金残高は、月末23時59分59秒時点での円普通預金およびSBIハイブリッド預金の合計預金残高で判定
  • 貯まるポイントは住信SBIネット銀行独自のスマプロポイント
  • 上乗せポイントは月間1万ptが上限
  • 付与は対象月の翌日中頃
  • 基本還元率が0.3%にダウン、かつ上乗せポイント対象外の取引
    • 鉄道
    • 公共料金
    • NTT東日本・西日本料金
    • 税金、年金、健康保険料、政府への支払い
    • 病院
    • NPOへの会費、寄付

フルーツ支店のみのサービスなのには注意が必要です。普通預金金利が高いのはMATSUI Bankですが、フルーツ支店は0.2%しか付きません。判定が月末なので、月末最終日だけ、MATSUI Bankからフルーツ支店口座へ1000万円だけ資金を移動するというひと手間は発生するでしょう *1

 

また一応ですが、上乗せポイントは月間1万ptが上限なので、預金残高1000万円の場合で、Point+はカンストするのが月間133万3334円、プラチナデビットは月間80万円です。大きな買い物をするときにはこの点は注意が必要です。

 

また還元率が高くても利用先限定だと嬉しさ半減です。SNSをみると、ApplePay登録でANA Payにはチャージできるが、JAL Payへのチャージはできなかったようです。「V NEOBANK」は1.5%還元ですが、ANA Payにチャージ可能で0.5%上乗せできました。それでもプラチナデビットのほうが還元率が高いのですが、このあたり今後が気になるところです。

プラチナデビットの年会費をカバーできる金額

さて、なかなか魅力的な還元率ですが、気になるのはプラチナデビットの年会費1万1000円の価値があるかどうか。そこで年間利用額ごとに、デビットPoint+と年会費分を控除したプラチナデビットの実質還元率を比較してみました。

 

プラチナデビットはたくさん使うほど還元ポイントが増えますが、年会費は固定です。つまり利用額が少なくて還元ポイントが1万1000以下だと赤字です。利用額が多いほど実質還元率も上がるのですが、それが年会費無料のデビットPoint+を超える利用額を計算しました。

まず月末残高200万以上の場合、Point+は1.5%還元、プラチナデビットは1.75%還元です。この場合、プラチナデビットのほうが実質還元率が高くなるのは、年間440万円以上の利用からでした。

 

続いて月末残高500万円以上の場合、Point+は1.75%還元、プラチナデビットは2.0%還元です。この場合、プラチナデビットのほうが実質還元率が高くなるのは、同じく年間440万円以上です。

 

最後に月末残高1000万円以上の場合、Point+は2.0%還元、プラチナデビットは2.5%還元です。この場合、プラチナデビットのほうが実質還元率が高くなるのは、年間220万円以上の利用から。

 

中途半端な預金残高だと分岐点がけっこう上がってしまいますが、月末残高1000万円超を維持すれば、年間220万円(月間18.33万円)の利用でプラチナデビットのほうが有利になります。ANA Payへのルートが塞がれなければ、このくらいの利用はすぐですので、魅力的ですね。

メインカードにできるか?

さてこれまで下記のラインが高還元ルートの筆頭でした。ここにプラチナデビットが加わることになります。

  1. 三井住友ゴールドMastercard→JAL Pay→ANA Pay 3.0%

  2. V NEOBANK→JAL Pay→ANA Pay 2.5%

  3. プラチナプリファード(リボ併用) 2.5%

  4. メルカードゴールド(メルカリ利用) 2.0%〜20%超

そしてANA Payルートを使うと、

  • プラチナデビット→ANA Pay 3.0%

となり、三井住友ゴールドMastercardにあった年間100万円の上限を超えてANA Payルートを活用できることになります。これを考えると、プラチナデビットは次代のメインカードと位置づけてもいいかもしれません。タッチ決済やECではANA Payを使い、プラスチックカードが必要なときはプラチナデビットを使うイメージです。

 

ただ、デビットカードは一部加盟店で使えないことには注意が必要です。ガソリンスタンド、ホテルが代表例です。また予約販売などオーソリが事前に飛ぶ決済では、デビットは二重決済されてあとで返金があるという流れになる場合もあります。そのため、別途クレジットカードは必須です。その候補は現時点ではメルカードゴールドかもしれません。

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なおプラチナデビットはモバイル保険(最大10万円)が自動付帯、プライオリティパス(年3回)も付いてきます。また海外旅行保険は自動付帯で、障害治療が1000万、疾病治療が700万、さらに家族も500万/300万の補償額があり、これはゴールドクラスではなくまさにプラチナクラスの補償額です。そのあたりに価値を感じるなら、より魅力的なサービスとなりそうです。

 

唯一の難点は預金残高判定が月末だということ。優待クロスをやっていると月末だけ資金が枯渇します。プラチナデビットの還元率アップのために借金するのでは本末転倒なので、この運用が最も難しいところですね。

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*1:判定は23時59分59秒で、預金金利は日付をまたいだタイミングで計算のはず。つまり23時59分59秒から24時までの間にMATSUI Bankに資金移動すれば、両方解決な気もしますが、おそらくシステム的にも無理でしょう。