SBI新生銀行が本気です。金利のある世界では、いかに預金を集められるかが競争力に直結します。そのためには預金金利を上げればいい――ということで、なんと半年定期で1.0%を出してきました。
円定期預金、半年金利を1.0%に
6月13日の金曜日、SBI新生銀行は円定期預金の金利を改定し、半年もので1.0%という高金利を付けてきました。ただしインターネット限定、1口あたり30万円以上という制約付きです。
関連する金利がどうなっているか、参考までにチェックしておきましょう。まずは普通預金金利です。
- SBI新生銀行 普通預金金利 0.4%(要SBI証券連携)
- 松井バンク 普通預金金利 0.41%
- あおぞら銀行BANK支店 普通預金金利 0.5%(100万円まで)
- 楽天銀行 普通預金金利 0.28%(要楽天証券連携、300万円まで)
続けて定期預金です。定期はだいたいが新規口座開設時のみ上乗せや、キャンペーン金利で、定常的に高金利を出している中で目立つのはUI銀行くらいでしょうか。
- UI銀行 6ヶ月定期 0.7%
- UI銀行 1年定期 1.05% (1000万円以上)
- UI銀行 1年定期 1.0% (1000万円未満)
さらに国債についても見ておきましょう。6月の個人向け国債は変動10年で1.00%と大台に乗ってきました。
6ヶ月というのがちょうどいい
さて、本家本丸なら個人向け国債が1%となり、定期預金金利も1%が最高金利水準として各行しのぎを削るらいになりそうです。そんな中、SBI新生の「6ヶ月もの」というのはとてもいい長さだと思っています。なぜか。
下記は植田総裁が利上げを決めたタイミングです。
- マイナス金利解除 2024年3月
- 0.25%への追加利上げ 2024年7月 +4ヶ月
- 0.5%への追加利上げ 2025年1月 +6ヶ月
これまで半年前後開けて利上げを行っており、次回の利上げは7〜10月あたりが濃厚だというのがエコノミストの見立て。ペースを早めたり遅らせたりというのがあるにしても、だいたい半年くらいで金利が変わっていくと現状は考えておくのがよさそうです。
日銀が利上げを決めたら、その分だけ金融機関も金利を見直してアップするわけですが、となると「1年定期」では日銀が利上げしているのに以前の金利のまま保有しておかなくてはならないというロスが発生します。日銀の利上げペースを見ながらそれを享受していくには、個人向け国債のような変動金利か、または6ヶ月程度の定期がちょうどいい感じです。
当座貸越でいざというときにも
さて定期預金というのは資金が固定されてしまうのがデメリットですが、ごく短期の資金需要に対しては、当座貸越という手段もあります。普通預金口座を空にした状態でATMから出金したり他行に振込したりすると、定期預金を担保に自動的に貸し付けてくれるサービスです。
貸越限度額は担保預金の90%か500万円の少ない方。金利は1.88%です。日割りで計算され、普通預金口座に入金するだけで返済になるので意外とわかりやすく使い勝手もいいかも。
500万円という金額がちょっと小さいのですが、556万円の定期を組んでおけば、ちょっとした資金需要に500万は簡単に引き出せることになります。
個人向け国債でも証券担保ローンを使って掛け目9割で借りることができるのですが、当座貸越のほうがシンプルで使いやすいですね。