FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

もはや1億では「富裕層」とは呼ばれない?

コロナ禍前後の2020年あたりは「億り人」がバズワードの一つになっていました。人生の上がり、FIREもできる資産、誰もが認めるお金持ちの基準が、資産が1億を超えた「億り人」。しかし2025年の現在、1億ではなかなかお金持ちと見られないようになってきています。

1億はもう珍しくない?

今日、下記のようなポストをしたらけっこう共感されました。

コロナの頃までは「億り人」って希少性があったんだけど、
最近は1億くらいは溢れてて珍しくなくなってる感じ……

当時の1億は今なら「3億」かな?
3億いくとレア感ある。肌感的には。

当時は、1億持っていたら「億り人」と呼ばれ、誰がどう見ても「お金持ち」「富裕層」の仲間入りをしていた感触がありました。ところが、最近は次々と「億超えました!」という人が周囲にも誕生。億超えがお金持ちではない……というつもりはありませんが、希少価値という意味では珍しくなくなってきた感じがあります

実際に富裕層の数は増えていた

これは本当か? 数字も見てみましょう。下記はおなじみ野村総研の富裕層調査です。2019年のものとその4年後の2023年のものを並べました。

ここで富裕層以上の世帯数を数えると、2019年の約132.7万世帯から、2023年の164.3万世帯へと、33万世帯増加したことが分かります。実に25%アップです。そして、資産3000万円以下のマス層も4215万→4424万と209万世帯アップしています。富裕層が33万世帯増えたのも大きいですが、マス層も209万世帯アップ。要するに2極化が進み貧富の差が開いたわけです。

 

もう一つ面白いのは、その富裕層の年齢層が低くなってきていること。野村総研の調査では年代別の数字はありませんが、過去のさまざまな調査を見ると、富裕層の多くが60代以上のいわゆるシニア世帯となっています。

 

ところが2023年の富裕層増加は、もっと若い40〜50代の世代だと推定されています。株価上昇で「いつの間にか富裕層」となったミドル層。その数、実に「富裕層以上の世帯のうち1~2割程度を占めている」ということです。

近年の株式相場の上昇を受け、運用資産が急増したために富裕層となった層で、NRIではこれを「いつの間にか富裕層」と定義しました。年齢は40代後半から50代、職業としては主に一般の会社員で、従業員持株会や確定拠出年金、NISA枠の活用を通じて、運用資産が1億円を超えたケースが多く見られます。

このように実際に富裕層は増えていて、かつSNSなどを積極的に使う40〜50代で富裕層が急増したわけです。その理由は、ひとえに株価の上昇です。

2020年から株価は2〜3倍に

2020年は春にコロナショックがあり、株価は40%くらい急落しましたが秋には下落前の水準に戻りました。そこから5年。日米の代表的な株価指数であるS&P500と日経平均が円建てでどうなったかを見てみましょう。

S&P500で+166%、日経平均で+86%。それぞれ2.6倍、1.8倍に成長しました。すごいですね。ただこれはあくまで指数であって、そこに投資していたらさらに配当金ももらえます。配当再投資した場合のトータルリターンもチェックしておきましょう。

 

S&P500のETFであるIVVと日経平均ETFである1321について、配当再投資後のリターンをプロットしたのが下記のチャートです。

S&P500ETFだと+187%=2.8倍、日経平均ETFだと+102%=2倍になっています。これはつまり、2020年に1億持っていたら、2025年現在、2億〜2.8億円になっているということ。一般的な株式の年間リターン6%だと、5年で1.33倍にしかなりませんから、この5年間がいかに高パフォーマンスな期間だったのかが分かります。

 

そして、株価がこれだけ上昇すれば、1億で「億り人」だったのが、3億近くないと同じくらいのレアリティにならないのも分かるというものです。

生活費も上がっている

株価上昇で資産が2〜2.8倍に増加し、1億超えの人も急増しました。しかし、合わせて生活費のほうも上昇しています。

 

2025年7月の全国CPI「総合」指数は111.9、これは2020年比で+11.9%ということです。主要費目を2020年100として、2025年の値を見るとこんな感じ。

  • 食料 120.3 (生鮮除く食料126.0)
  • 住居 104.1 ※家賃・帰属家賃含む
  • 光熱・水道 119.1
  • 交通・通信 100.2
  • 教養娯楽 115.9
  • 教育 95.6

総務省2020年基準 消費者物価指数

 

なるほど、教育こそ価格が下がっていますが食料を筆頭に20%くらい、この5年で価格が上昇したことが分かります。これは裏を返すと、1億円の購買力は20%くらい低下したということです。2020年の1億円は2025年だと8000万円のパワーしかありません。

 

このように、株価が2〜2.8倍に上昇したことで資産を持っている人の資産額が増加し、かつインフレで生活費が上昇した結果、1億円では富裕層というには物足りなくなりました。当時と同じ購買力を持つには1.3億円が必要だし、フルインベストメントで投資していた人からすると、当時の1億円は現在の2〜2.8億円と等価なわけです*1

 

このようにいくつか調べてみると、「当時の1億円は、いまの3億円」というのもなるほど感があり、肌感はおおよそ間違ってなかったかな、と思ったりしました。

www.kuzyofire.com

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*1:正確には33%程度のリターンを想定していたと思うので、その分を割り引かなくてはいけませんけど。