みなさんは法人の決算をどう処理しているでしょうか。法人の決算はかなり難易度が高いので、普通は税理士さんに依頼します。ただ、社長や経理担当が何もしなくても税理士さんが決算書を作ってくれるなんてことはありません。では、社長は何をしているのでしょうか?
- 9月末でB社が年度終わり
- 銀行口座の通帳のコピー ★
- 銀行口座の取引明細書のDL ★★
- 借入金返済予定表 ★
- 賃貸不動産の月次収支報告書 ★
- 証券会社の取引残高報告書DL ★★★
- クレジットカードの利用明細 ★★★
- 売電収入通知書 ★★★★
- 現金出納帳 ★★★★★
- 法人カードに集約してみようかな?
9月末でB社が年度終わり
ぼくは2社法人を持っていますが、A社が3月末決算、B社が9末決算と別れています。いまはB社のほうが利益が大きくて、繰越欠損金の食い潰しスピードが早いので、営業活動したり、モノを買うならできるだけB社のほうでやっている感じ。
さて、いまちょうどB社の決算に向けて資料を集めています。集めるものと難易度はだいたいこんな感じです。難易度は易→難の順に★→★★★★★を付けました。
- 銀行口座の通帳のコピー ★★
- 銀行口座の取引明細書のDL ★★
- 借入金返済予定表 ★
- 賃貸不動産の月次収支報告書 ★
- 証券会社の取引残高報告書DL ★★★
- クレジットカードの利用明細 ★★★
- 売電収入通知書 ★★★★
- 現金出納帳 ★★★★★
銀行口座の通帳のコピー ★
まずは銀行口座の通帳をコピーします。これは簡単……なのですが、実は前処理が必要です。そう、通帳記帳をしなくてはなりません。これが意外と面倒なのです。
昨今、銀行は窓口を減らしATMも減らしています。とはいえメガバンクとかならいろんなところに窓口もATMもあるのでいいのですが、ウチのような法人が取引する銀行は地銀とか信金、信組とかです。そして実は都心にはATMがあんまりありません!
例えば、取引させていただいている某地銀は他の地銀とATMを連携していて、例えば横浜銀行とか千葉銀行のATMが利用できます。ただ、いうほどこうした地銀のATMって都心にはないんですよね。
例えば横浜銀行だと、山手線沿線でJR品川駅改札内、ニュー新橋ビル、新宿小田急西口、渋谷ヒカリエ、小田急南新宿駅構内、池袋駅、といったところ。千葉銀行だと秋原支店内、日本橋COREDO室町支店内、新宿支店内、品川支店内、恵比寿支店内、池袋支店内、浜松町支店内、東京メトロ池袋駅。
信組とかはほぼ全部ネットワークでつながっていますが、とにかくATMが少ない。通帳記帳するだけでも一苦労なのです。
銀行口座の取引明細書のDL ★★
通帳のない銀行では、IBから取引明細書をダウンロードしなくてはいけません。まぁPDFでダウンロードするとともに、税理士さんの手間を考えてCSVでもダウンロードするのですが、なんとPDFでしかダウンロードできないIBがあったりするんですよね。あれ、ぼくが知らないだけでメニューのどこかに隠れているのかな?
借入金返済予定表 ★
金融機関でローンを組むと、いついつにいくら引き落としますよ、という返済予定表がもらえます。これをコピーして提出するだけなので、これは簡単。ただ、半年に一回とか年に1回とか、変動金利の場合はアップデートされるので、新しいものにキャッチアップしていかなくてはなりません。
賃貸不動産の月次収支報告書 ★
賃貸不動産の管理を管理会社に委託していれば、管理会社が毎月月次収支報告書を送ってきます。これをコピーして提出するだけなのでこれも簡単。ただ、管理会社がたまーーに数字を間違えてることもあるので、意外とチェックは大事です。
証券会社の取引残高報告書DL ★★★
法人の証券口座での取引をざっくりまとめた書類です。このあたりからちょっと面倒になってきます。というのも、これは楽天証券の例ですが、こんなふうに毎月発行されるPDFとCSVを全部ダウンロードしなくてはならないのです。しかもクリックでDLではなくPDF表示なんですね。はい。けっこう面倒です。

そして、証券会社ごとにUIが違うのも困りものです。こちらはSBI証券ですが、取引残高報告書はなぜか四半期(1月、4月、7月、10月)に1回。さらにPDFだけでCSVはありません。

クレジットカードの利用明細 ★★★
続いてはクレジットカードの利用明細です。これもまた面倒なんです。カード会社によって違いますが、大事な点はPDFやCSVが簡単にダウンロードできるかどうか。例えば下記は三井住友カードなのですが、まず「印刷用ページを表示」を押し、

すると別ウインドウが立ち上がるので、ここから「印刷する」ボタンを押し

プリンタダイアログからPDFへ出力を選んで、やっとPDFになります。そしてこれを12ヶ月分繰り返します。
銀行のように、開始日と終了日を選ぶと利用履歴が一覧表示され、それをPDFとCSVの両方でダウンロードできればそれがベストなのですが、これってそんなに難しいのかな? そういうカード会社、ぼくはまだ見たことがありません。
売電収入通知書 ★★★★
カード会社の難しさの完全上位互換なのが、この東京電力の売電収入通知書です。「購入実績お知らせサービス」を使うのですが、最悪なポイントが3つ(も!)あります。
まずカード同様に期間指定はできず1ヶ月分ごとにページを表示する必要があります。そしてその際ブラウザの「戻る」が使えず、毎回トップまで戻って階層を辿らなくていけません。都度、発電所を選んで月を選んでを繰り返します。前のページに戻れないことがこれほどイライラすると思ったことはありません。
そして月の請求・支払い実績ページには、CSVダウンロードはおろかPDFダウンロードボタンもありません。画面しかないので、自分で印刷しページに収まるように範囲を調整し、PDF化しなくてはいけません。
そして最後に、なんと直近1年分のデータしか保存されていません。いまだと2024年11月から2025年10月分の12ヶ月分しかないのです。ところが決算は10月〜9月末の数字ですよね。つまり忘れずに2024年10月分を保存しておかないと、決算のタイミングで集めようと思っても遅いのです。うん。これはひどい。

ちなみに、このサイト、よくサーバエラーを出して止まっています。ほんとひどいなと思います。
現金出納帳 ★★★★★
さて、そしてラスボスが現金出納帳です。「現金」と書いてありますが、ここには、法人口座以外でのやりとりを記載します。例えば、
- 社長が法人の代わりに決済したもの
- 社長の自宅をオフィスにしているときの社長への家賃支払や水道光熱費支払いの一部
- 社長への出張費の支払いなど
などです。要するに、社長への支払いを都度銀行振り込みなどで行うのではなく、書面上で行ったことにして、決算のタイミングで精算しましょうということになります。その結果、社長が立て替え払いした金のほうが、法人から社長に支払った金より多ければ、会社に貸し付けていることになります。費目は「役員借入」です。逆なら法人から金を借りていることになりますが、実際は役員借入が多額なのでそれが一部返済されるって計算になります。
ただ給与支払いについては、社会保険料の算定根拠にもなるので、実際の振込みが必要だということで、毎期25日に「給与」という形で法人から社長に振り込んでいます。
閑話休題。で、この現金出納帳の作り方ですが、ぼくはマネーフォワードMEを使っています。主にカード明細と自動連携したデータに対し、「これは法人の立て替え払い」というチェックを入れて分かるようにし、あとでマネフォMEのデータから抜き出す形です。
もう一つ、家賃や光熱費などは、マネフォMEから支払いデータを抜き出して、集計し、それに按分係数を付けてまとめます。また出張交通費については、出張旅費規程にもとづいて計算し、集計しています。
あともう一つ忘れてはいけないのが税金ですね。固定資産税は数百万円くらいの支払いになるので、いつも楽天ペイなど還元率の高い方法で払っています。要するに建て替えています。これもこの現金出納帳に入れて処理する形です。
法人カードに集約してみようかな?
さて、最近ちょっと思うのは、けっこうこの建て替え経費の手間がかかるので、世間でよくいわれるように、法人の経費支払は法人カードに集約してしまおうか? ということです。いや、実際はそこまで手間ってほどではないのですが、集計漏れなどがやっぱりちょっと怖い。それを考えるとやっぱり法人カードって便利だねとも思うのです。
ただ、法人の支払いって、例えばクレカの修行とかにも便利なんですよね。というわけで、もう少しやり方を考えようかなと思案中です。