FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

「組織(家)の継続」を最優先する国、日本


日本の天皇家は、一つの血統だけをひたすら守り続けてきたという点で非常にユニークです。天皇という家系は(神話を含めれば)2000年以上、記録に残るだけでも1500年以上続いていて、これは現存する王室・皇室として世界最古だということは有名です。

 

では、日本が血縁を非常に重視する国かといえば、そうでもありません。どういうことか。ちょっと調べてみました。

血より「家」が大事

天皇家が血統を大事にしてきた一方で、そのほかのレベルでは、実は日本は「血がつながっているか」よりも「家(組織)が続くか」を重視する傾向にあるようです。

 

例えば、日本は世界的に見ても「大人の養子縁組」が非常に多い国だそうです。どういうことか。商家や武家では、実の息子が無能だったり息子がいなかったりすると、優秀な他人を連れてきて娘と結婚させて跡継ぎ(婿養子)にします。これ、よく時代小説などでは見る話でしたが、実は海外ではとてもレアなようなのです。中国や韓国では、父と子の血の繋がりが絶対なので、養子はあまり好まれないそうです。

 

つまり血よりも家の存続を重視する。その結果、創業100年とか200年とかいった長寿企業の数は、日本が世界の過半数を占めていると言われます。金剛組に至っては飛鳥時代から1400年以上続くというのも有名ですね。

 

こうした中には、事業内容が全く変わってしまう場合もしばしばあります。社長の血統や事業内容が変わっても、社名や組織といった看板だけは絶対に守る。「カイシャのために」というのは戦後成長期によく言われた言葉ですが、おそらく武家社会の頃の「お家のために」というに近い概念なんでしょう。

石とブランド

日本に育つと、これが当たり前とまでは言わなくても心情的に理解できるものですが、世界はけっこう違います。例えば欧州も歴史を大切にしますが、重視するのはどちらかというと「ブランド」だったりします。エルメスやヴィトンのように、「昔から王室に愛されてきた=品質が良い」という「ステータス」として歴史を利用することがあるようです。

 

一方で、組織自体の存続にはけっこうドライで、経営が悪化すれば買収されることも多々ありますし、LVMHのようにブランド複合体の中に入ることもしばしば。家を守るというよりもブランドを守ることを優先するのだとか。

革新と破壊

古いものを大切にする日本や欧州とは真逆なのがアメリカです。基本的に「新しいものが正義」というのがアメリカ人の考え方のようです。古いやり方をぶっ壊して、新しく効率的なものを作ることが称賛されます。

 

そのため100年続く企業よりも、10年で世界を変えたGAFAMのような企業がリスペクトされるという感じです。いろんな意味で、変わり続けることが価値と考えられています。

血縁と一族

中国も歴史を大事にしまうが、彼らが守りたいのは組織ではなく「自分の一族(血)」なんだそうです。家系図を非常に大切にします。

 

大陸にある国である中国は、王朝交代や革命が激しい国です。そのため、一つの店や企業を何百年も続けるということがまずありませんでした。稼げるときに稼ぎ、一族に富を分配する。これが中国の「継続」に関する考え方です。

「血の純潔」主義

これをもっと極端にしたのが韓国です。韓国の儒教観では、父系の血統がすべて。血のつながらない他人を跡継ぎにする文化は伝統的にありません。「家名を守るため」という嘘(フィクション)が通じない社会です。

 

サムスン、現代、LGなどの巨大財閥を見ても、彼らは徹底的な「同族経営」企業です。サラリーマン社長を専門経営者と呼び権限を移譲することはあっても、オーナー権は絶対に一族から手放しません。韓国マンガには財閥ジャンルがあって、こうしたオーナーたちの骨肉の争いが描かれます。かなり面白いものです。

「平等」と「相続ルール」

逆に、全く継続が続かないのがイスラム圏です。宗教が社会システムそのものである彼の国では、コーランに「遺産は親族全員に細かく分配しなさい」と神の命令が書かれています。そのため、大商人が死ぬと、その巨万の富や事業は、妻、子供たち、親戚へ細かく分割されます。世代交代のたびに資本がバラバラになるのでえ、巨大企業の継続が難しくなっているのだそうです。

 

唯一、「これは公共のため(モスクや学校、病院)に使います」と神に誓って寄付した財産は、分割されずに管理者が運用し続けることができます。これはワクフと呼ばれ、イスラム圏で数百年続いている組織があれば、それは営利企業ではなくワクフに基づく財団法人のようなものなんだそうです。

組織の形態はさまざま

日本のカルチャー、根本概念はイエ=現代ではカイシャですが、バブル崩壊以降あたりでしょうか、ずっと入ってきているのはアメリカ流の資本主義です。それは要するに、古いやり方をぶっ壊して、新しく効率的なものを作れという考え方だともいえます。

 

ただ、これが世界の潮流というわけではないというのは、改めて世界各国の組織に関するカルチャーを調べて実感したことです。現在は、アメリカのシリコンバレー企業が世界を席巻していますが、バブル期には日本企業が世界一だと言われましたし、いまシリコンバレー以上にハングリーでアグレッシブなのは中国企業だともよく聞きます。

 

こうしたカルチャーの違いは、一つの国の中だけで過ごしていると、なかなか実感しにくいものでもありますね。