FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

特定口座(源泉徴収なし)の場合の確定申告は奥が深かった

特定口座なら確定申告は不要、一般口座なら確定申告が必要。ここまでは投資家ならよく知っていることかと思います。でも、もう一つ「特定口座(源泉徴収なし)」という選択肢があることはご存知でしょうか。

「特定口座(源泉徴収なし)」を選ぶメリット

特定口座というのは、株式の売買益を証券会社が計算してくれる口座です。そして、それに沿って納税=源泉徴収をしてくれるパターンのほか、納税はしない=源泉徴収なしという選択肢も選ぶことができます。

 

「源泉徴収ありにすれば、確定申告も不要だし、なぜわざわざ源泉徴収なしを選ぶの?」と思うかもしれません。

 

源泉徴収なしを選ぶ最大のメリットは、納税を繰り延べられることです。特定口座(源泉徴収あり)の場合、株式を売却して利益が出たらまず20.315%が源泉徴収されてしまいます。そのあと損失が出ても、すぐに損益通算されて支払った税金が戻って来るわけではありません。その1年が終わり、年間の収支を全部通算した結果、1月に取りすぎた税金が戻って来る流れです。だから、例えば1月に利益を出して取られた税金は、翌年1月になるまでは戻ってこないわけです。

※譲渡益と譲渡損失の損益通算は即座に行われ、翌日には取りすぎた税金が還付されます。説明が誤っていました。例えば、取引で100万円の利益が出たら即座に税金が源泉徴収されますが、その後100万円の損失が出たら、翌朝には損益が通算され税金が還付されます。ただし、譲渡損と配当益の損益通算は1年が終わったあとの翌年1月になります。

 

ところが(源泉徴収なし)にすれば、証券会社は計算だけして、源泉徴収はしません。だから1月に売買で利益が出ても、その税金の支払いを翌年の確定申告まで繰り延べられます。年間の売買損益がマイナスならば、まったく税金を取られることがないのです。

ややこしいのは配当だ

ぼくのように、どうせ確定申告をする人間には、そんなわけで(源泉徴収なし)のほうが資金効率上メリットがあります。損失があれば確定申告するのは当然ですし、利益があれば税払いを翌年まで先送りできるからです。

 

ところが(源泉徴収なし)にしても問題なのは、配当や分配金については源泉徴収されてしまうということです。

 

まぁこの源泉徴収された額は、確定申告すれば売買損益と通算できるので、そこまでは問題ではないと思うかもしれません。ところがですよ、(源泉徴収なし)にすると、確定申告に使う「特定口座年間取引報告書」に、配当の記載が一切なくなってしまうのです。当然XMLにもデータがありません。

つまり、一般口座での取引同様、自分で配当額を計算して確定申告しなくてはいけないということになる? わけです。え、それって無理ゲーじゃない? だって、外国株式からの配当とその税金は日本円で確定申告する必要があります。受け取った時点でそのときの為替レートに基づいて日本円に換算され、それに対して税金が日本円で支払われるわけです。

 

ちなみに取引損益については、(源泉徴収なし)でも下記のように集計した結果が提供されます。源泉徴収は一切されておらず、でも差引金額は計算されているので、これに基づいて確定申告すればOK。なんで配当については、記載がなくなってしまうのでしょうか。

結局サポートに電話した

楽天証券には配当に関するデータを見るところがけっこうあります。ただ、どれだけ源泉徴収されたかは意外と書いてないんですね。

 

まず、「配当・分配金」から外国株式を選択すれば、データが出そうです。

ところが、その一覧から明細を見ると、どうにもおかしいのです。例えば下記はTMFの配当ですが、税引前で28.79ドルとなっていて、受取金額が20.66ドル。うーん。まず配当金額から10%が米国現地課税で引かれて、残りに20.315%の税金がかかると20.65ドル(20.647ドル)になるはずなのですが、微妙に違います。なんだろこれ。そしてそもそもこれはドル建てなので、どの為替レートが摘要になって円で税金が払われたのか分からないと確定申告のしようがありません。

 

では……ということで「年間損益計算(一般口座・その他)」を見てみましょう。ここには「配当・分配金等の受取」という欄があって、ここに「配当・分配金等の額(税引前)」とか「源泉徴収額(国税)」「源泉徴収額(地方税)」とか載っています。で、これを見ればOKなのかと思いきや、その明細を見ると、外国株式については載っているものの、なんとドルMMFが載っていません。

 

ドルMMFもいまは株式と損益通算できる対象で、譲渡損失がある以上、ドルMMFの利息についた税金も還付の対象になります。でもこれ、どこに記載があるんだ??

 

お手上げになってサポートに電話し、36人待ちの列に並ぶこと2時間、担当が出てから「部署が違います」と言われさらに電話を待つこと30分。やっと教えてもらったのは、「年間支払い通知書」にドルMMFの源泉徴収額も含めた全部が載っている、ということでした。

いやぁ長い道のりでした。一点後学のために注意点です。この支払通知書、最終ページに「摘要」という欄があって、そこに「上場株式配当等の合計金額」が載っています。これを使えばOKじゃん!と思いがちですが、なんと各配当金額の合計と、この摘要欄の数字は一致しません。

 

どういうこと? と思ったら「外国株式については、外国所得税控除後の金額を合計したもの」なんだそうです。ややこしいな、これと思ったのですが、外国所得を手計算で引いても、この摘要欄の数字に一致しません。あーもういやだ。どうでもいいやwwww

外国所得税は債券の利息にはかからない!

ちなみに、この「年間支払い通知書」を眺めて、米国ETFからの配当金で外国所得税がある場合とない場合があることに気づきました。例えばハイイールド債ETFのHYGでは、外国所得税10%が引かれる場合と引かれない場合があります。

 

これは何かというと、「米国以外の居住者(日本の投資家など)が受け取るETFの分配金のうち、債券の利息(Interest)を原資とする部分については、米国内での源泉徴収(10%)が免除される」のだそうです。これは知りませんでした。

 

だからTLT*1からの分配金には一切米国所得税10%がかかっていないんですね。HYGの場合、債券部分には米国所得税がかからず、たまにある債券の売買益が分配金に含まれるとそこだけ10%の米国所得税がかかっているようです。

 

特定口座だと、こういうのも自動で処理されるので意識することがなかったのですが、改めて配当一覧から確定申告をするとよく分かるものです。ちなみに、ARCCのようなBDCは全部配当扱いで10%米国課税が全部にかかっています。またTLTの3倍レバであるTMFは、分配金と売買益が分かれておらず全部売買益扱いで10%課税されています。また、ドルMMFも米国所得税は一切かかっていませんでした。

 

そんなわけでいろいろな気づきのあった(源泉徴収なし)でしたが、あまりの面倒さに2026年は(源泉徴収あり)に切り替えました。2025年はちょっと勉強したと思っています。なお、源泉徴収ありとなしは証券会社ごとに選べます。ただし年度の途中での変更はできません。

 

www.kuzyofire.com

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*1:超長期米国債ETF