FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

投信よりETFのほうが優れているところ

東証主催の「第2回 東証ETFインフルエンサー・ミーティング」に参加してきました。一応ぼくはブロガー枠(?)なのかな。最近、こうした集まりに行くとYouTuberの方がたくさんいて、世界の広さを感じます。

 

さて、オフラインでの会場はもちろん東京証券取引所。テレビで見たことのあるグルグル回る掲示板にミーティングのタイトルが流れています。ミーハーに記念撮影もしました。まぁ東証のこの場所が意外としょっちゅう来ているのですが、歴史を感じる会場です。

投信とETFの違い

今回の集まりは東証が昨今推し進めるETFを知ってもらうためのもの、という建付けです。仮想的は、当然投資信託ですね。ETFは「上場投資信託」といわれるように、投資信託を上場させたものですが、実はそれだけなく、いろんな違いがあるのです。

 

ではなぜ東証がETFをこんなに推しているか。それはちょっと考えると分かるのですが、投信は東証が関わらないところで進んでいるからですね。ユーザーから見ると、投信もそれを上場させたETFも似たようなものですが、この「上場しているかどうか」は東証が関わっているかを指します。東証としては、自分たちに関係ない投信より、自分たちの本丸であるETFを普及させたいわけです。

コストの違い

では説明資料から、投信とETFのコスト構造を見てみましょう。投信はノーロードがほとんどになり信託財産留保額もなくなってきたので、ほぼ信託報酬だけがコストになってきました。対してETFにはいろんなコストがかかっていたのですが、売買手数料の無料化が進んだことで、残る違いは売買スプレッドくらいです。

毎日基準価格が算出され、その価格で売買できる投信と違い、ETFは板取引です。そのためリアルタイムに売買価格は変動するし、買値と売値の間には差があって、これを売買スプレッドといいます。ここが実質的なコストだともいえます。

 

一方で、ETFには貸株収益というのがあります。これは証券会社に保有するETFを貸し付けることで、だいたい0.1%くらいのリターンを上げられるというもの。ただし貸株に出すと分別管理からはずれ証券会社の倒産リスクを負うので、投信に対してのメリットかというとちょっと微妙かも。また、投信はSBIや松井では保有に対してポイントが付くので、そういう意味ではやっぱり互角です。

信託報酬の中身が違う

では本丸のコストである信託報酬の中身を見てみましょう。実はこれ、説明されるまですっぽり頭から抜けていたのですが、ETFは販社コストがない分、低コストなんですね。

どういうことかというと、通常投信は、信託報酬を運用会社と信託銀行と販売した証券会社(銀行の場合もある)で分け合います。ところが、ETFは東証で直接買えるので販売会社への報酬が発生しないのです。

 

これにはメリットとデメリットがあって、販売会社の手数料分だけ信託報酬を下げることができます。または運用会社の取り分を増やすこともできます。いずれにせよ、誰かがコストで得をします。

 

デメリットは証券会社の収益にはならないので、証券会社はETFを推す理由があまりありません。インデックスETFを売るならインデックス投信を売ったほうが儲かるのです。

 

それでも運用会社がETFより投信に力を入れてきた背景には、金融商品は証券会社の営業担当に「売ってもらうもの」という時代が長く続いたということがあるようです。投信をオススメして売る証券会社の人はいますが、ETFをオススメして売る人はいません。そりゃそうです。証券会社としては儲かりませんから。

 

そのためETFを組成する運用会社が自分でマーケティングしてプロモーションしてETFをアピールしなくてはならないのですが、運用会社は運用のプロであって顧客に商品を販売するプロではありません。その状況を背景に、東証がインフルエンサーを呼んでETFをアピールしてもらおうと行っているのが、このミーティングだというわけです。

ETFの課題

証券会社が売っていた時代ならともかく、ネットで情報を集めて自分で金融商品を選ぶ昨今、東証の説明を聞いていると、なるほど、投信よりもETFのほうがメリットが多いような気分になってきますが、もちろん課題もあります。

 

いくつか挙げてみましょう。

  • 分配金の自動再投資ができない
  • カバードコールの分配ができない
  • NISAつみたて投資枠の対応商品が少ない

ETFには組み入れた銘柄からの配当金や利息を、投資家に分配金として出さなければいけないというルールがあります。投信は分配金として出さなくてもOKで、だから無分配投信では自動再投資ができ、これがメリットとして受け止められ始めてきました。

 

ただ東証もここは課題と受け止めていて、解消に向けて動いているそうです。ちなみに、これができない理由には法律と業界・東証の規約の2つがあって、一部のETFは投信に比べて税制で優遇を受けていてその条件が分配金を出すことなんだそうです。まぁ例えばJ−REITとかはそうですね。こうしたものは税法が絡むので自動再分配は難しいでしょう。ただ全部が全部そうではなくて、投信協会や東証内部の規則の修正で解消できるものもあります。これに取り組むそうです。

 

もう一つ、これは知らなかったのですが、国内銘柄のカバードコールのプレミアム収入については逆に分配することができず、自動再投資しかできなくなっているそうです。これまた不思議な話です。

板取引は人類にはまだ早かった

実はETFの課題としてぼくが主張したいのは、これ以外にもあって、それは板取引の難しさです。価格が1つに定まり誰もが同じ値段で買える投信とは違い、板取引となるETFでは、価格がリアルタイムに変動し、かつ売買価格が異なります。さらに板取引なので、いったいいくらで買えるのか、いくらで売れるのかは、やってみるまで分かりません。

 

上場企業の株を取引している人にとってはこれは当たり前ですが、投信と比較するとあまりに複雑怪奇な世界です。売買価格の開き(スプレッド)は、銘柄によってはものすごく開いていたりして、恐ろしいスプレッドコストになっているものもあります。東証はマーケットメーカーを入れてスプレッド縮小や板を厚くするよう頑張っていますが、やっぱり閑散としている銘柄はひどい有様なのです。

 

注文が少ない板を「薄い」なんて呼びますが、そういう板の銘柄では、まとまったボリュームを売買しようとすると自分の注文で値を動かしてしまうことも多々あります。本当に大した額でなくても、思った価格では売れないし買えないのが板なのです。

 

これは暗号通貨業界では顕著で、板取引と取引所が提示した価格で売買する販売所の2つがあるのですが、初心者に人気なのはやはり販売所です。販売所は数%〜十数%といった驚くほどの手数料が乗っていますが、それでも販売所のほうが人気なのです。

 

それだけ板取引は難しい。ぼくは常々思っているのです。板取引は人類にはまだ早かったと。

 

www.kuzyofire.com

www.kuzyofire.com