投資でセミリタイアする九条日記

セミリタイアを実現したサラリーマン。ETF投資を中心に、太陽光投資や不動産投資、オプション、VIX、FX、CFDまで使って資産運用をしています。

書評『会社をつくれば自由になれる 中年起業という提案』

『会社をつくれば自由になれる 中年起業という提案』を読みました。もともと、「起業したくない人の起業術 42/54」というサイトで連載していた内容を書籍にまとめたものですが、加筆とともに整合性をとっており、一本筋のとおった起業提案本になっています。

 

会社をつくれば自由になれる 中年起業という提案 (しごとのわ)

会社をつくれば自由になれる 中年起業という提案 (しごとのわ)

 

 

趣旨は、

  • 雇用とは制度的に低賃金である
  • 最低でも、定年後の20年以上を我々は生きることになる
  • 定年してからも働くことを考えると、起業するほうがいい
  • 定年後に起業するなら、能力がピークを迎える40代で起業するべき
  • 中年起業に必要なのは安全で、持続可能性が高く、死ぬまで楽しく働けること
  • 中年起業のゴールはカネではなく、裁量100%で長く続けること

 

というものです。ベンチャー資金を入れて上場を目指す、とか世の中にまだない製品やサービスを作って世界を変える、でもありません。逆に、売上を増やしすぎるな、と書いています。

売上高が大きくなるほど、資本と経営はその分離の勢いを増し、利害関係者がどんどん増えてくる。上場することになると、不特定多数の株主(=情報が少ないため経営には直接関与できない資本家)が誕生し、もはや社長個人の裁量権はほぼゼロになり、むしろ外部取締役を含む取締役会が経営の主導権を握ることになる。

だから、管理系のスタッフが必要になり始める売上2億円はやり過ぎで、それよりも1億円前後の売上をウロウロするのが最もよい、と説いています。

 

これは企業である程度出世した人なら分かる感覚じゃないでしょうか。自分自身も、もっと裁量権があり楽しかったのは売上1億円前後のユニットを動かしていたときで、担当する売上高が増えていくとともに中間管理職的な調整業務が中心となっていきました。現在は売上30億円弱の責任をもっていますが、裁量は逆に小さくなった気がしています。

 中年起業はカネをゴールにしてはいけない。そもそも、さほど儲かるものではない。むしろ重要なのは、長く続けることである。そして、裁量権が100%自分自身にある自由を楽しめるかどうかに尽きる。

本書でも、このように起業の向き不向きを裁量のあるなしにおいています。その点でいうと、僕の性格はあっているのかもしれません。指示されるの大嫌い、自分の判断の結果であれば最悪の結果でも受け止められるので。これは単純に性格の問題だと思っています。この性格で良かったこともあれば、対人関係に悪影響を及ぼしたことも多々あります。

サラリーマン時代のストレスの大半は「自分の意思ではどうにもならないことに対するストレス」だが、起業するとこれが「全部自分の責任になるストレス」に変化する。

 世の中には、何か問題が起きたときに「他人や世の中のせいにする」ことでストレスを軽減する人もいるようですが、そういう人には起業は向かないということですね。

  

仕事は、やるべきこと、できること、やりたいこと、で構成される」をそれぞれ3つの円で表し、それらが重なった状態のベン図を想定した時に、「やりたいこと」が他の2つの円をどんどん侵食し、最後に3つの円が完全一致してしまうと「遊びと仕事の区別がつかない状態の完成」

 これまで仕事をしてきた中で、やっぱり一番楽しかったのは、「遊びと仕事の区別がつかない状態」です。多分給料をもらえなくても同じことをやってるよな、と思える日が続いていたときもありました。再びここを目指すのが、理想でしょう。

 

つまりサラリーマン時代は助走・教育期間に過ぎず、これからがいよいよ本格的に離陸を迎える時期、すなわち本番だと考えるほうが素直だろう。会社はカタパルト(catapult)を用意してくれている空母のようなもの、と認識しておくのが正しい。

 

僕は、現場10年、管理職10年と過ごしてきて、いわゆる定年までは約15年、平均寿命まではあと40年、100年人生と考えるとあと55年も過ごさなければなりません。この背景を踏まえると、この20年が実務込み給与付きの教育期間だと考えるのも自然です。

 

唯一不安を覚えるとしたら、現場時代の人脈からかなり離れた中、ビジネスがうまくできるか? という点です。管理職としての自信はあっても、それはサラリーマンだから報酬をもらえる能力なので。一方で、管理職経験から得られた知見やスキルも数多く、それを使ったビジネスはできないものかとも思います。

 

現在サラリーマンで、定年後も含めた働き方に不安を抱いている人は、一読する価値があると思います。