FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIer(FIRE)を実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

経済

投資に関係する経済状況の見方、考え方

シリコンバレー銀行破綻の原因とメカニズム USDCにも波及

3月10日、シリコンバレー銀行の破綻が衝撃を呼びました。何が起こって、どこに影響があるのでしょうか。 何が起こったのか 長短金利差で儲ける銀行のビジネスモデル これからどうなる? ステーブルコインに波及も 何が起こったのか シリコンバレー銀行の破綻…

債券のバーゲンセールはいつまで続く?

インフレはピークを打ち、FRBの利上げはもう最終段階。市場の注目点は、最終売上レート(ターミナルレート)がどこなのかと、いつ利下げに転じるか? でした。というか、だったはずです。それを織り込んで、株価は上昇したし、長期金利は下落を始めていまし…

株式パフォーマンスは低迷へ 「次の30年は、過去の30年と違う」

フィデリティの重見さんが、示唆的な記事を書いています。「次の30年」は「過去の30年」とは異なるというのです。これはどういうことかというと、過去30年は株価が上がり続けたある種異例な時期だった。それが終わった今、これからはそれ以前の平均的な株価…

規制のある業界とない業界

最近、金融関係の調べ物をしてつくづく思うことがあります。それはあまりに規制が多いこと。銀行にせよ証券にせよ、規制、規制、規制です。でも、ぼくが働いてきた業界は、実はほとんど規制のないところでした。それぞれで感じたことを書いてみます。 規制が…

緩和続けたい日銀、無理と考える市場 今回は日銀勝利で131円に

日銀が金融緩和の継続を決め、発表しました。1月18日の11時に伝えられると、円は2%ほど急下落し、131円まで円安に進みました。これをどう読み解いたらいいのでしょうか? 緩和したい日銀、無理と考える市場 もはや緩和を止められない日銀 緩和したい日銀、…

2023年の投資方針 経済から制度変更まで外部環境の見通し

今年は年末年始に旅行に出かけていて、落ち着いてブログが書けるのも今日が初めて。改めまして、あけましておめでとうございます。では2023年の投資方針について、考えてみます。 2023年の経済状況 2023年の日本の状況 2023年の制度・システム変更 SBI手数料…

日銀YCC緩和で、円高株安 さてどうする?

日銀が12月20日にYCCの緩和を決めました。これを「事実上の金融引締」にあたると受け止めて市場は大荒れ。なんというか、想定したシナリオどおりなのに、全く手が打てておらず、大損害進行中です。 YCC緩和、+0.5%まで許容 何が起きたのか 何もできなかった…

なぜリピーターより新規顧客を優遇するのか?

飲食店でも物販でもネットのサービスでも携帯でも、新規加入に対しては無料キャンペーンとか行うのに、長く使っているロイヤリティユーザーとか頻繁に利用するリピーターについては、一切値下げとかしないという話があります。これはなぜでしょうか。 新規顧…

逆CPIショックで株高&円高 資産は減った?増えた?

10日はCPIデイでした。しかし、ここまで影響が大きいとは。10月の消費者物価指数(CPI)は市場の予想を下回り、市場の各指標は大きく影響を受けました。 CPI予想を下回る 株価上昇、利回り低下、為替は円高に 株高&円高で資産は減った? 増えた? CPI予想を…

ドル円為替は150円に? 144超えてなお円安進む

これがトレンド形成ってものなんでしょうか。円安が止まりません。というか、ずっとメディアでもTwitterでも、「円安が止まらない」「どこまで行く?」という声が続いています。果たして本当に150円までいくのでしょうか? 年初来下落率、過去最大 念の為背…

デフレの何が問題なのか『物価とは何か』

前回、書籍『物価とは何か』を読み解きながら、「インフレの何が問題なのか」について考察してみました。今回はその続き、「デフレの何が問題なのか」です。インフレは、ハイパーインフレのもろもろが喧伝されるように、その問題はわかりやすいですね。とこ…

目的達成のために金融機関を動かすのは正義なのか

先日、ある大手金融機関の若手と話をしていて考えさせられることがありました。彼女は20代後半で、大学では環境保護を学び、地球環境をなんとかするために金融機関を志望したのだといいます。就職してからも、金融機関での仕事を通じていかに社会を良くする…

インフレの何が問題なのか『物価とは何か』

前回、「物価」というわかりやすそうでわかりにくいものについて、素朴な勘違いを『物価とは何か』から抜き出して説明してみました。「携帯電話料金値下げは本当に物価を押し下げたのか?」「インフレとは現金の魅力低減だが、そもそも現金の魅力はどこから…

え?物価ってそういうことだったの『物価とは何か』

昨今の経済に関する話題といえば、やっぱり物価です。米国の株式不調は、物価高=インフレに対抗するためにFRBが利上げを始めたからですし、そのせいで利上げできない日本では円安が加速してしまいました。 でも、この「物価」という代物はたいへん難しい。…

「安くて高品質の国」から安くて品質も悪い国へ

このところの円安と資源高のダブルパンチで、各所で話題なのが値上げです。ところが、値上げよりもひどいのが、「価格そのままお値打ちダウン♪」という取り組みではないでしょうか。 安くて高品質の国だった日本 安さ重視で品質が犠牲に ステルス値上げ、サ…

ドル円135円突破 ヘッジ大失敗の顛末

今日はドル円がついに135円を突破しました。13日夕方時点では少し落ち着いて134.5円といったところですが、実に20年4カ月ぶりの円安。すごいことになっています。 135円のチャート 為替ヘッジはどうなった? 円安がさらに続き140円突破など 円高に振れて120…

インフレになると税金も上がるって知ってました?

米国で高インフレが話題です。日本ではまだインフレと騒ぐほどは物価は上がっていませんが、このあと原油高やウクライナ侵攻の影響を価格が織り込んで、さらに物価が上がると思うと、本当にインフレがやってくるかもしれません。 ところで、インフレが起こる…

インフレ対応と金融引き締め対応の両方に対応するポートフォリオ

今振り返ると、コロナ後はシンプルで分かりやすい相場だったといえそうです。各国は大規模金融緩和を進め、上がるべくして株価は上昇。金余りの金融相場の中、債券を除けば何を買っても儲かったという相場でした。 ところが今起きているのは、想定以上のイン…

ドル円が122円に 初心者向け為替の考え方

円安が止まりません。この1カ月でドル円は115円から122円へと6.19%も上昇しました。これによる影響は大きく2つ。1つは輸入物価がダイレクトに6%上昇し、今後、さらに物価が上がるだろうということ。もう1つは、ドル建て資産を保有している人は、それだけで…

ウクライナ侵攻の株価影響を時系列で

今や世のニュースはウクライナ侵攻一色です。それにともない、株価も乱高下しているわけですが、さてここまでのところ、ウクライナ侵攻がどのように行われ、どう株価に影響しかのかを振り返っておきます。 1月FRBタカ派転換で不調だった ウクライナ侵攻を朝…

全世界株安 どのくらい下がったのか?

このところ、株価下落が続いています。まぁ要因としては、オミクロンに加えて、思ったよりもインフレが強そうだぞということで、FRBが金融引き締めを急ぎそうだという観測からでしょう。そのためグロース株への影響が大きいわけですが、さて、どのくらい下が…

2021年の投資を振り返る 株式編

米国市場は12月31日もやっているので、日本時間元旦の早朝まで相場は動いているわけですが、まぁだいたい1年が終わったという感じです。この1年の株式相場を振り返ってみたいと思います。 右肩上がりだった米国株価指数 ボックス相場になってしまった日本株 …

現金をなくすと何がいい? 書評『現金の呪い』

前から読みたかった本『現金の呪い』を読みました。こちら、ホラー小説ではなくて、現金が存在することでさまざまな不都合が起き始めている。これをなくすとどんな良いことがあるか? どうやったらなくせるのか? を書いた本です。 現金の呪い――紙幣をいつ廃…

今の株式相場の読み解き方 金融緩和の行く末から

オミクロン株の流行懸念で株式市場はそこそこ下落しました。これを「コロナが再び流行るから下落」と言ってしまうのは簡単ですが、その裏側ではもう少し込み入った理屈の連鎖があります。今回はそこを読み解いてみます。 金融緩和がもたらした株高 正常化を…

『ガイトナー回顧録』 金融と金融危機とは?

『ガイトナー回顧録』を読みました。Kidle版で読んだのですが、これがまた長い。書籍版だと678ページにもなります。それでも最後までドキドキしながら読めたのは、ガイトナーが体験した金融危機があまりにスリリングで、対処するために1日1日とギリギリの戦…

衆院選、各党の投資家関連の公約をまとめてみた

今度の日曜日は衆議院選挙です。どこがどうなるかという政局は全く分からないのですが、一投資家として、どの政党が投資家関係の事柄について、どんな公約を掲げているのかを、抜き出してみました。 自民党 立憲民主党 共産党 維新 国民民主党 全体として 自…

ドル円ついに114円 通貨安の国に住むことの幸せ

ドル円が急速に上がっています。今日、10月15日にはついに114円を突破。2018年11月以来、約3年ぶりの円安水準です。 通貨安の恩恵 米国株投資家はさらに有利 為替の動きのメカニズム 為替と利回りの両取り 通貨安の恩恵 投資家にとって、円安はどういう意味…

日本には“小さな政府”を目指す政党がない リバタリアンの奪い合い

岸田総裁が首相になりましたが、彼は「新資本主義」を掲げています。これは小泉内閣以来、(庶民の)痛みを伴う構造改革によって経済成長路線を目指してきた政策の転換だと考えられます。方向性としては、弱者の所得底上げと金融増税。要するに、再分配政策…

昨今の株価を動かす“金利” FOMCに振り回される

このところ、米国株式相場が荒れていますね。上がったり下がったりは相場の常ですが、短期の値動きには大体において材料があります。いまの材料は、まぁ“金利”です。 米国の動向に振り回される株式 米国のインフレ懸念 金利上昇はそもそも経済好調ではなかっ…

高まる脱炭素、SDGs——もはや無視できないESG投資

菅首相の「2050年カーボンニュートラル宣言」からこの方、急速にサステイナブルの動きが高まってきているように感じます。果たしてこの動きは投資家にとってどんな影響があるのか、考察してみました。 サステイナブル用語のまとめ 投資家とサステイナブル 投…