FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

書評

投資関係の本の書評

ベイジアン的発想で投資するヘッジファンド 書評『わが投資術』

勉強になる……というよりも、読んでいて楽しく、自分の行動を変えるきっかけとなる本にたまにめぐり逢います。和製ヘッジファンドを運用し、個人資産800億円超、長者番付1位となって話題となった清原達郎氏の著書、『わが投資術』がまさにそんな本でした。 わ…

水瀬さんの改訂版『お金は寝かせて増やしなさい』拝読

インデックス投資における日本の元祖ブロガーである水瀬ケンイチさんから、改訂版の著書『お金は寝かせて増やしなさい』をいただきました。インデックス投資のキモがググッと詰まった一冊でした。 『お金は寝かせて増やしなさい』 2021年に億り人に インデッ…

グレーな節税をエビデンスを整えてシロにする 『社長の賢い節税』

個人には大して節税の技はありませんが、法人を作るとさまざまな手法が利用可能になります。それを知ろうと「社長 節税」みたいなワードで引っかかった書籍をけっこう読んできたつもりだったのですが、このたび最強の一冊に出会いました。『社長の賢い節税』…

ビットコインの予言の書 書評『ビットコインスタンダード』

『ビットコイン・スタンダード』という本があります。仮想通貨の人というより、古典派経済学(いわゆるオーストリア学派)の経済学者、サイファディーン・アモウズ氏が執筆した本です。 ビットコイン・スタンダード 作者:S・アモウズ ミネルヴァ書房 Amazon …

2023年の読書分析 46冊 テロが普通になる世界

年末恒例の読書報告です。2022年は40冊とけっこう読んだ本が少ない年でしたが、23年も46冊と、かなり読書数が減りました。年内最後のブログ投稿は、旅行中ということもあって予約投稿にて♪ たぶんゲームとマンガ 読んだ本のざっとした紹介 「日本一わかりや…

貯金と投資のどちらに力を注ぐべきか?『JUST KEEP BUYING』

資産を築いている最中の人にとって、貯金と投資のどちらに力を注ぐべきかは意外と難しい問題です。 投資のことなんか考える時間があったら、本業がんばって給料増やすとか節約して貯金を増やすのに専念すべきだ 貯金じゃ資産は大きくならない。少しでも早く…

資産106億円、年間利益3億円の不動産投資家 『Excelでできる不動産投資「資産管理」のすべて』

『Excelでできる不動産投資「資産管理」のすべて』を読み終わりました。こちら、ぼくが尊敬する不動産投資のマスターである玉川陽介氏の著作。前作『Excelでできる不動産投資「収益計算」のすべて』と併せて「著者の10年間を超える運用成果の集大成といえる…

死ぬまで資産が増え続けるのは日本だけ ライフサイクル仮説とは?

株クラで話題の一冊『DIE WITH ZERO』では、死ぬまでに資産を使い切ろう!と主張するわけですが、実際には多くの日本人が死ぬときまで多額の資産を抱えたままです。じゃあ、海外の各国はどうなの? というと、実は違いました。そんなデータから、今回は「ラ…

Amazonで70%オフをやっている お勧め投資本はこれ

Amazonで趣味・実用書Kindleの最大70%オフキャンペーンをやっています。明日6月15日まで。この中から、ぼくが読んで良かったと思った投資本をいくつかピックアップしました。 相場サイクルの見分け方 定年後のお金 マネーの公理 ハーバードビジネススクール…

50周年『ウォール街のランダム・ウォーカー』第13版 インデックス投資はマルクス主義より悪い?

『ウォール街のランダム・ウォーカー<第13版>』が登場しました。12版との差異はいくつかありますが、「50周年記念版(第13版)まえがき」はその一つ。50年経って、インデックス投資が世に受けいられたこと、そしてその正しさは実際のリターンとして現れた…

「お金持ちになる」のが幸福になる一番簡単な戦略 ではその方法は?

「お金持ちになる」のが幸福になる一番簡単な戦略だと説く本があります。橘玲著『シンプルで合理的な人生設計』です。そんなの当たり前だろ!と思うかもしれませんが、もちろん、お金持ちになる方法も解説しています。 この本は、僕が読む限りは当たり前のこ…

書評『シンプルで合理的な人生設計』 金融資本、人的資本、社会資本の最適化

橘玲氏の新著『シンプルで合理的な人生設計』を読みました。こちら、著者の集大成とでもいうべき内容で、橘玲らしさにあふれるとともに、新たに人生の構造を見つめ直しました。 シンプルで合理的な人生設計 作者:橘 玲 ダイヤモンド社 Amazon 合理的であると…

おすすめ本を紹介しまくる 【ビジネス書編】

おすすめ本を紹介しまくるシリーズ、「投資本編」「小説編」「科学読物編」「社会科学編」と来て、今回はビジネス書編です。ビジネス書は、成功した人が特にロジックもエビデンスもないものの、自分の考えを「ビジネス哲学」という呼び方で語るというものが…

おすすめ本を紹介しまくる 【社会経済編】

おすすめ本を紹介しまくるシリーズ、「投資本編」「小説編」「科学読物編」と続き、今回は社会科学編です。このブログは投資ブログなので、比較的社会の動向に関心の高い読者の方が多いですね。 というわけでその中から10冊ピックアップしてみました。しかし…

おすすめ本を紹介しまくる 【科学読物編】

おすすめ本を紹介しまくる、「投資本編」と「小説編」に続き、今回は「科学読物編」です。このあたりから、けっこうマニアックな内容に入ってきます。というのも、この手の本は数百部スタートだったりして、1万部も売れるなんてほとんどないからです。 ほん…

おすすめ本を紹介しまくる 【小説編】

おすすめ本を紹介しまくる 【投資本編】に続いては、【小説編】です。無ジャンルで本を読むほうですが、小説に限ってはかなりSFに偏っています。いや歴史小説とかも好きだし、ベストセラー系も読みますよ。でも昔からSFが好きなのです。 SFというと、『夏へ…

おすすめ本を紹介しまくる 【投資本編】

先日、「どんなブログネタが読みたいですか?」とTwitterで聞いたところ、意外に「本の紹介」という声が多かったので、まとめてみました。といっても、実は以前Twitterで試験的に連投したものをブログ用に再構成したものです。 Kindleでも読めるものばかりな…

日本の「シン富裕層」 5つのタイプとその特徴

なるほど!と膝を打つ本を読みました。従来とは違う、「シン富裕層」が2017年頃から増加しているとし、彼らがどのようにして資産を築き、どんな行動をしているのかを紹介した本です。 日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか (朝日新書) 作…

2022年の読書分析 40冊 ピッコマからビッグデータ解析まで

年末恒例の読書報告です。2021年は95冊でしたが、22年は数えてみると40冊。あれ? なんか半減ですね。 マンガとかピッコマとか 40冊の内訳は? ビッグデータ エネルギーを考えなおす 物理学のミステリー さらっと紹介 Voicyにハマった マンガとかピッコマと…

なぜリピーターより新規顧客を優遇するのか?

飲食店でも物販でもネットのサービスでも携帯でも、新規加入に対しては無料キャンペーンとか行うのに、長く使っているロイヤリティユーザーとか頻繁に利用するリピーターについては、一切値下げとかしないという話があります。これはなぜでしょうか。 新規顧…

ビジネスマンであるより職業人でありたい 書評『波瀾の時代の幸福論』

もともとはビジネスバリバリの現場でしのぎを削っていた身ではありますが、FIREして少し身を引いてから、企業とかビジネスの在り方について、多少考えるようになりました。そこで感じたのは、世の中「儲かるかどうか」だけで動く人が増えたよね、ということ…

紹介した投資が失敗したら責任を感じるのか?

ビジネスとしてではなく、友人にお勧めの投資法をレクチャーした場合、もしそれが失敗したら責任を感じますか? さらには責任を取りますか? 最近、こんなことを考えさせる出来事がありました。 株式は絶賛下落中 責任を感じるべきところかどうか 『虚像の巨…

書評『つみたて投資の終わり方』取り崩し方考察

良い本が出ました。著名FPカン・チュンド氏の『つみたて投資の終わり方』です。Kindle自費出版本ですが、内容はしっかりしていて、Unlimitedでも読めるので、一読の価値ありでした。 つみたて投資の終わり方 100年生きても大丈夫!: 人生後半に向けた投資信…

年利100%以上で貸していたサラ金とは何だったのか

昨日、『サラ金の歴史』という新書を読みました。いまでは銀行傘下に入ってすっかり存在感をなくしたサラ金ですが、20世紀にはCMの花形であり、社会問題にもなった一大産業だったのです。本書は、否定的立場でも肯定的立場でもなく、成り立ちからファクトを…

デフレの何が問題なのか『物価とは何か』

前回、書籍『物価とは何か』を読み解きながら、「インフレの何が問題なのか」について考察してみました。今回はその続き、「デフレの何が問題なのか」です。インフレは、ハイパーインフレのもろもろが喧伝されるように、その問題はわかりやすいですね。とこ…

インフレの何が問題なのか『物価とは何か』

前回、「物価」というわかりやすそうでわかりにくいものについて、素朴な勘違いを『物価とは何か』から抜き出して説明してみました。「携帯電話料金値下げは本当に物価を押し下げたのか?」「インフレとは現金の魅力低減だが、そもそも現金の魅力はどこから…

え?物価ってそういうことだったの『物価とは何か』

昨今の経済に関する話題といえば、やっぱり物価です。米国の株式不調は、物価高=インフレに対抗するためにFRBが利上げを始めたからですし、そのせいで利上げできない日本では円安が加速してしまいました。 でも、この「物価」という代物はたいへん難しい。…

FIREではなくFIerである 『お金か人生か』

1992年刊行の「FIREのバイブル」とも呼ばれるのが、この『お金か人生か』です。FIREムーブメントを引き起こした本ともいわれます。日本での発売は2021年5月。おくればせながら、読んでみました。 お金か人生か――給料がなくても豊かになれる9ステップ 作者:…

ウォール街に勝つ3つのアプローチ 『ウォール街のランダムウォーカー』12版再読 第15章

『ウォール街のランダムウォーカー』12版再読も、ついに最終章です。この15章では、具体的に投資で勝つための3つの手法について、結構具体的に記されています。 第1章 株式と価値 第2章、第3章 バブル 第4章 仮想通貨バブルは史上最大のバブル 第5章 テクニ…

「足るを知る」なぜ投資家はリスクを取り続けるのか 『サイコロジー・オブ・マネー』

『サイコロジー・オブ・マネー』を読んでいます。こちら、投資に関する本でありながら、投資理論や投資手法の本ではなく、お金に関する向き合い方と、人間心理の話。かといって、昨今流行の行動経済学でもありません。 サイコロジー・オブ・マネー――一生お金…