FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

オプション

オプション取引の理論と実践記

話題のQYLDとは一体何か? カバードコールETFの勘所

Twitterの株クラでカバードコールETF「QYLD」が話題です。こちら、以前ちょっと調べて「うーん。ちょっと投資対象じゃないな」という結論になった記憶があるのですが、ブログを検索しても調べた結果がありませんでした。そこで、改めてまとめておきたいと思…

人は低頻度の重大リスクを正しく評価できない EB債とインデックス投資

金融庁が仕組債をバリバリにディスっていることが話題です。金融庁は販売手法は指導しても、商品自体に踏み込むのはまれ。しかし、EB債を見ると、なるほど人は頻度の低い重大リスクを正しく評価できないものだと、改めて思うのです。 社債なのに高利回り EB…

為替ヘッジをかけて200万円損失を出した話

長期的にリターンが見込める投資とは違い、為替は基本的にゼロサムゲームです。誰かが得をすれば、ほかの誰かが損をしています。そして今回、大きく損をしたのはぼくでした。 為替ヘッジをかけて円高リスクをなくそうという発想 ドル円は127円→137円に 資産…

ドル円135円突破 ヘッジ大失敗の顛末

今日はドル円がついに135円を突破しました。13日夕方時点では少し落ち着いて134.5円といったところですが、実に20年4カ月ぶりの円安。すごいことになっています。 135円のチャート 為替ヘッジはどうなった? 円安がさらに続き140円突破など 円高に振れて120…

円高リスクを為替ヘッジ ついでにオプションで利益も狙ってみる

一時131円台まで下落した円ですが、米長期金利の落ち着きを受けてか、このところ円安も一服気味。127円くらいまで円高に振れてきました。となると、気になるのがドル資産の為替差損です。 このところ米株は下落が続いていますが、日本人投資家にとっては同時…

為替ヘッジを、オプションで低コストに行う研究

円安がすごいことになっていますね。昨日は日銀の大規模緩和を継続する方針発表を受けて、円安が再加速。130円を超えて、20年ぶりとなっています。この円安の理由や見通しについては、以前も簡単にみましたが、今回はリスクをヘッジする方法です。 www.kuzyo…

ETH暴騰、ガンマ・スクイーズとは何か?

Bitcoinに次ぐ時価総額第2位の仮想通貨である、Ethereumの価格上昇が凄まじいことになっています。日本円で、ここ1年の上昇率は+1124%、1カ月間でも44%の上昇です。この上昇の背景の1つとして言われているのが「ガンマ・スクイーズ」。これはいったい何で…

ドル円カバードコールの顛末

ドル円が円高方向に振れるだろうという予想のもと、手持ちドル資産の為替損をカバーするために、ドル円のコールオプションを売って、カバードコールのポジションを建てました。それが20日に満期となったので、顛末をまとめておきます。 当初の目論見 ドル円…

オプションの本質的価値と時間的価値 セータ&ガンマ

オプションは本当に面白いものです。株式だけ見ていると、値段が上がった下がったばかりが気になりますが、こうした価格が変動する資産は、変動の大きさ(ボラティリティ)、時間的な価値(タイムディケイ)も含んでいます。これらをトレードできるようにし…

ソフトバンクGのコールオプション取引、ブル・コール・スプレッドとは?

ソフトバンクグループ(SBG)が米ハイテク企業に関してオプション取り引きを活用したことが、「市場を撹乱した」と批判の対象になっています。WSJによれば、オプションの購入額は40億ドル(約4200億円)と言われています。オプションはレバレッジを伴うので…

ドルのカバードコール(CCW)実践 ドル建て資産+コール売り

ここから更に円安はないだろう、と踏んで、ドルのカバードコールをやってみました。うまくいっても利益はわずかですが、久々にオプションを取引したくなったためです。 カバードコールとは ドルカバードコールのポジション サクソバンクの手数料を最適化する…

「損切り」の意味をオプションから考える

投資の必須スキルの1つとして言われるのが「損切り」「ロスカット」です。しかし、これは「心理的に難しい」ために「実行が重要」と言われることが多く、ロスカット自体が果たしてリターンを上げるのか? という点については、ちゃんとした研究がなかなか見…

グリークのイメージを掴むために 書評『実戦のためのオプション』

久々にオプションの本を読みました。 著者は、英国証券会社で長年デリバティブのトレーダーだった田中勝博氏。ブラック・ショールズ式の解説なども交えていますが、学者のオプション解説とは違い、実戦を想定した一冊です。 実戦のためのオプション (金融職…

プットコールパリティを図解化してみる

自分の中で久々にオプションが盛り上がってきました。そこで、いくつか調べた中から、「プットコールパリティ」についてまとめておきます。 パリティ=等価 プレミアムに関するプットコールパリティ どう覚えるか? プットコールパリティの使い方 パリティ=…

為替のカラー取引ポジションを考える

債券のイールドカーブが逆転するなどいくつかの指標がリセッションを示しつつあります。国内の投資家の我々にとって、もう一つ気になるのが為替ですね。リセッション入りすると、おそらくは更に円高が進みます。この為替変動をヘッジできないか、今回は為替…

銀オプションプット売り クローズ利益約3万円

先日、サクソバンクの取り引きアプリアップデート記念として、久しぶりに銀オプションのプット売りをしてみました。 7/4にポジションを建て、満期は12日後の7/16深夜0時でした。 www.kuzyofire.com 無事満期で330ドル獲得 結果からいうと、権利行使されるこ…

サクソバンクの取引ツールが大改善 Mac/iPhoneでオプション取引も

サクソバンク証券の取引ツールが大幅にアップデートしました。5月末に、これまでのSaxoTraderに代わり、SaxoTrader Proが登場。UIが今風になったほか、機能アップしています。 またこれまでWindows版しか提供されていなかったのが、Macユーザーには残念だっ…

金利ボラティリティをロングするとはどういうことか

トランプによる対中貿易戦争が経済と株価を揺さぶっていますが、もう少し大きな視点では、米国が金利をどうしていくかに注目です。景気拡大による株価上昇を背景に、FRBは継続的に利上げを行ってきました。 ところが年初の調整あたりから、利上げに慎重な姿…

書評『金融危機の本質は何か ファイナンス理論からのアプローチ』はオプション本だった

2009年に出版された『金融危機の本質は何か』は、タイトルだけ見るとリーマンショックが起きた理由を解説する本のように見えます。実際そうした内容も入っており、背骨の一つなのですが、実は野口悠紀雄流のファイナンス理論の入門書でした。 金融危機の本質…

投資とギリシャ文字 カッコつけた会話をしてみる

投資理論とか金融工学では、なぜかギリシャ文字がたくさん出てきます。そして、投資の話をするときには、ギリシャ文字を散りばめるとなんかカッコいいんですね。かなりの衒学趣味ですが*1。 アルファ(α) ベータ(β) ガンマ(Γ) デルタ(δ) イプシロン(…

ガンマとは何か?:オプション入門

オプションの価格(プレミアム)を見るためには、グリークと呼ばれるギリシャ文字の要素がいくつも出てきます。その中で「デルタ」に次いで出てくるのが「ガンマ」です。これについて調べたことをまとめておきます。 デルタの変化率がガンマ デルタのおさら…

オプションを使って指値売りや指値買いで、約定するまでの時間を利益に変える

「ここまで安くなったら買いたい」とか「ここまで高くなったら売りたい」といった、指値注文があります。当然、思ったように値段が動かなかった場合は買えない/売れないで終わるわけですが、実は買えなかったり売れなかったりした場合も、それを利益に変え…

銀オプションプット売り 実践編

オルタナティブセグメントの一環として、たまにオプションなどのデリバティブ取引もしています。資産を増やすのが目的というより、金融の仕組みの面白さを実感するためですね。ほぼゼロサムゲームだと認識しているので、無理に大きなポジションは取らず、最…

株を売らずに利益を確定させるカラー取引とは NVIDIAでソフトバンクが行ったこと

今日、ソフトバンクが投資しているNVIDIAの株を売却する方針だという記事が出ていました。NVIDIAは、ディープラーニングと仮想通貨マイニング需要に乗って急速に業績を伸ばし、一時は300ドル近くまで株価が上昇しましたが、今後の業績鈍化の見通しによって大…

デルタとは何か:オプション入門

オプションの価格(プレミアム)を見るためには、グリークと呼ばれるギリシャ文字の要素がいくつも出てきます。その中でも最も重要だと言われる「デルタ」について、調べたことをまとめておきます。 デルタとは現資産価格の変化がプレミアムに及ぼす影響 デ…

カバードコールのアルファ(α)はどこにある?

オプション取引の手法の中でも、安定感があってポピュラーなものの一つが「カバードコール」(Coverd Call Writing)です。これは、現物を保有し、かつその現物のコールを売るという組み合わせのポジションを取ることを指します。 コールの売りは、原資産が…

オプションを学ぶための入門書 5選

デリバティブの中でもオプションの面白さは別格です。利回りがどうとかリスクがどうとかよりも、数学的なエレガントさと抽象度の高さに惹かれます。一方で、学ぶのが難しいのもオプションです。意外と入門書がありません。 そんな中で、僕が読んでよかった!…

デリバティブの本質と魅力 株からVIXへ

ぼくは本質的にはETF投資を中心としたインデックス投資家で、ギャンブラーではないと思っています。ただ、このところ「銀オプション」のプット売りの記事を連続して書いているように、投機性の高い商品に手を出しているなぁと思う方もいるかと思います。 kuz…

銀プットオプション売り 満期で利益確定

約2週間に渡ってレポートしてきた銀のプットオプション売りが、無事に満期になりました。

銀プットオプション売り 満期まで1日

銀プットオプション売りも、満期まで残り1日となりました。