年金のもらえる額が、支給開始時期によって変わるようになるそうです。年金は、基本的に65歳から受給だけど、60歳からもらったり70歳まで遅らせることもできるようになります。受給開始を1年遅らせると年間受給額が8.4%増えて、逆に早めた場合には8.4%減る仕組みです。
じゃあいつ貰うのが得なのか、計算してみたいところですね。試算のポイントは、単に総受給額を足し上げるのではなく、もらった年金を運用する前提で計算してみることにあります。早く貰えばその分運用して増やすことができますし、遅く貰えば運用できません。
この運用を加味した試算が、まさに下記の記事にありました。そこから1枚抜粋です。
ただし、この表は「何歳で死ぬなら、何歳から貰うのが一番得か」を表したものになっています。そういわれても、何歳で死ぬかは誰にもわかりません。そこで、厚生労働省の平成27年簡易生命表の年齢別死亡率をパラメータとして加えることで、再計算してみます。85歳時点での総受給額が100万円あっても、60歳から85歳までに半分の人は死んでしまうので価値50万とみなす、というロジックです。
なかなかおもしろい表になりました。
死亡率を計算に入れているので、年齢が上がるほど死亡率が上がり、その補正によって期待される金額が変わってきます。死亡率を加味すると、どんな選択肢をとって何歳で死んだとしても、期待年金額は790万円程度となりました。
この額に到達するのは、受給開始年齢が66歳から69歳までの群。このあたりを取り出してグラフにしてみました。
死亡率を計算に入れた試算では、67歳受給と68歳受給が有効フロンティアにいるようです。今後20年、30年で死亡率が変わらなければ、受給開始年齢は67歳か68歳にしておくのが統計的には美味しそうだということがわかりました。
もっとも、この計算だと死んだときに受給額が最大になる期待値の計算でしかありません。本来は、そのお金は使ってナンボですので、健康寿命ベースで考えるほうがリアルでしょう。またそんな計算もしてみます。