ジャネーの法則というものを聞いたことはあるでしょうか? 19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが提唱したもので「主観的な時間の流れは若いときのほうがゆっくりで、年をとるにつれて早くなる」というものです。
子供のころの1年は濃密で人生の多くを占めている感じがします。大学生の4年間や、社会人になってすぐの数年は、人生の記憶の中でもたいへん重要な時間だったでしょう。ところが、年をとるにつれて年月の過ぎ去るのは早く、40歳あたりになれば「あれ、もう1年経った」と感じるものです。
これに名前をつけたのがジャネーの法則です。これをジャネーは「時間の心理的な長さは年齢の逆数に比例する」という数式まで出しています。5歳の1年間は1/5なのに対して、50歳の1年は1/50となり、10倍で過ぎ去るということを意味しています。この数式自体には科学的な根拠はなく、便利な数式くらいのものですが、シンプルなので何かを考えるには便利ですね。
今回はジャネーの法則をもとに、人は人生の節目をいつだと考えるべきかを見てみます。
これは人生全体を100%としたときに、主観的時間において、何歳のときにどのくらいの時が過ぎていくのかをグラフにしたものです。
青い部分は就学前の5歳まで、赤い部分は学生時代の22歳まで、黄色いところは45歳です。99歳まで生きるという前提で作っています。
驚くべきことに、ジャネーの法則をそのまま当てはめると、小学校に上る前に主観的時間では人生の44%が過ぎているということになります。この頃の記憶は曖昧なものでしょうが、自分の考え方や人格を形作るという意味でもこのくらいの重要度があるのは納得です。
そして、小学校から大学卒業までの16年間は人生の27%にあたります。この時代の記憶の濃密さを表しています。残った人生の主観的時間はわずか29%です。大学卒業のタイミングで、人生の3分の2は終わっていると考えることもできるわけです。
そして大学を卒業したあとの人生の、主観時間における折り返し地点がだいたい45歳になります。45歳の人は自立して生きている時間の残り半分をどう生きるかという選択に立たされているともいえます。
ベストセラーの『ライフ・シフト』では、学生/就労/老後の3つに人生を分けるのではなく、就労のステージを複数に分けることを提唱しています。この人生をリスタートするタイミングの1つが45歳だと考えます。
完全なリタイアならば、一気に仕事をしない人生に入るのですが、「セミ」リタイアというだけあって、ぼくはセミリタイア後、新しい人生のステージに入りたいと思っています。それは投資収益とマイビジネスの組み合わせにする予定です。