昔からよくある議論ですが、自家用車を持つなら全部タクシーで済ませたほうがお得? という話があります。昨日も、「実は"どこへもタクシー"が節約になる理由」という記事が話題になっていました。
しかしこの記事の筆者、本当にタクシーで生活していないだろう? と感じる点が満載です。
タクシーは捕まらない
雨が降っているのでタクシーでいきたい。そんなときに限って、というかそんな時は間違いなくタクシーは捕まりません。配車アプリでは確実にNG、配車センターに電話してもダメです。流しのタクシーを見つけようとしても、まず捕まりません。これが実際にタクシーを活用しようとしているぼくの場合の現実です。
自家用車を持つことの最大のメリットは、自分が必要なときに確実に使えることにあります。ほぼ確実にタクシーが使える環境が整わない限り、結局は「歩いていくか」ということになるのです。
地方にいった場合も、タクシーを1日貸しきらない限り、移動の自由は大きく制限されます。そうそう捕まらないからです。
正直、日本の交通行政の問題だとも思っています。UberなどのC2Cサービスが認可されれば、雨などでニーズが高いときは(料金が上がるとはいえ)運転手も増えるのではないでしょうか。
長距離はタクシーは不便
家族で100km先へ旅行にいこうとした場合はどうでしょう? ざっと計算すると3万3700円ほどになります。遠距離割引というのがあって、9000円を超える場合に1割引になるようですが、それでも約3万3000円です。なお、深夜は通常2割の割増料金もあります。
自家用車の場合、別途ガソリン代がかかりますが、リッター10Km走るとしても1500円程度。
記事では車両本体価格も入れた年間維持費を80万円と試算していますが、その場合、距離にすると年間2600kmを走るかどうかが損益分岐点になります。自家用車を持っている人はわかると思いますが、長距離の旅行をする人なら2600kmは普通に走る距離です。
レンタカーを借りると1泊2日でやはり3万円前後かかりますが、タクシーで移動したほうが得になるのは、50km程度の場所への往復あたり。東京都心からだと、神奈川の藤沢、埼玉の桶川、千葉の千葉市、市部の入間といったあたりが50km圏です。長距離移動を考えるとタクシーは現実的ではありません。
代わりに運転してくれるメリット
ただし、自分の代わりに運転してくれるというのは場合によっては大きなメリットです。お酒も飲めますし、眠くてもOK。そして記事でもあるように、事故のリスクを回避できます。
ただし、自分が運転するよりもタクシーのほうが事故のリスクが低いわけではないので、あくまで事故が起きた際の運転手の責任というリスクを回避できるということになります。
経済合理性は人生の目的ではない
ぼくの場合、自家用車は経済合理性的に微妙だと思い、ミニバンを処分して趣味のクルマを買いました。実用度でクルマを判断した場合は特に持つ必要がない。だとすれば、クルマがない前提で暮らせるわけで、趣味のクルマを持っても問題ないという理屈です。多少強引ですが。