当初から、Bitcoinに代表される仮想通貨のメリットの1つは銀行の海外送金などと比べても圧倒的に低コストなことでした。ところが、2017年末に向けた価格急騰で送金コストも増大。さらに、送金トランザクションの増大によって送金コストを積み増さないと送金がなかなか実行されないという状況になりました。
では価格急騰が一段落したいま、Bitcoinの送金手数料はどのくらいなのでしょうか?
Bitcoinの送金手数料は17円程度に
※https://bitcoinfees.info/ による
bitcoinfees.infoによると、年末には10ドル超えが常態化し最大で35ドルまで送金手数料は増大しました。ところが一転して手数料は下落し、
- Next Block 10分で送金完了 0.23ドル
- 3 Blocks 30分で送金完了 0.19ドル
- 6 Blocks 1時間で送金完了 0.19ドル
と大幅に安くなっています。6 Blocksならば約21円といったところです。
iPhoneのBitcoinウォレットの定番であるBRDで送金を試してみると、1万円の送金でネットワーク手数料は17円と出ます。だいたいbitcoinfees.infoの数値と同じです。
Bitcoinはブロックの生成が10分おきに行われるため、スピードを重視するなら送金手数料を奮発して、次のブロック生成で送金処理が行われるようにします。逆に、手数料を安くすると処理が後回しにされるため送金完了までの時間は遅れますが、それも一つの選択です。
さてではBitcoinの価格下落に伴ってトランザクション自体が減少したのかというとそうでもありません。下記は、blockchain.finoによる1日あたりのトランザクションの推移です。
送金手数料の下落ほどトランザクションが減っていない背景には、SegWitの普及もありそうです。海外取引所のCoinbaseやBitfinexがSegWitに対応したこともあり、順調に普及が進んでいるようです。SegWit.partyによると、Bitcoin全体のトランザクションに占めるSegWitの比率は25%程度まで進んでいるようです(現在サイトがダウン中)。
Ethereumも15円程度の送金手数料
なおEthereumの送金手数料もBitcoinに近い推移となっています。
※Ethescan.io Ethereum Transaction Fee
Etherscan.ioの表記はわかりにくいのですが、ETH Gas Stationを見ると、送金手数料(単位はGwei)は11、ドル建てにすると0.14ドル=15円程度と、Bitcoinよりも安く送金が可能です。また、平均送金時間は28秒となっています。
Ethereumの送金手数料の仕組み
Ethereumの送金は、ガス価格(単位はWei)✕ガスリミット(最大値)で手数料を計算します。MyEtherWalletのデフォルトガス価格は21Gweiですが、ETH Gas Stationを見ると11Gweiで送金可能なようです。ガスリミットはMyEtherWalletのデフォルトで21000です。ERC20トークンを送金する場合、ガスリミットを200,000にすることが推奨されていますが、これは上限で、実際にはもっと少ないガス利用で済むことが多いようです。
1Gweiは、ETH価格でいうと0.000000001ETHになります。つまり、10億Gwei=1ETHです。
11Gwei ✕ 21000 = 231,000 Gwei = 0.002310009ETH = (¥65,635として) 15.16円相当となります。