FIRE:投資でセミリタイアする九条日記

FIREを実現したサラリーマン。ETF投資を中心に、太陽光投資や不動産投資、オプション、VIX、FX、CFDまで使って資産運用をしています。

厚生年金は実質の税金。しかも累進課税

ぼくらは所得税(累進課税)や住民税(基本10%)を税金として認識して払っていますが、日本には隠れ税金と呼ぶべきものがあります。厚生年金や健康保険です。この厚生年金、労使折半な上に、一応あとから年金として受給できる構造なので、一見税金には見えませんが、ちょっと調べただけでも十分な税金でした。

 

www.yutorism.jp

 

きっかけとなったのは、上記の「ゆとりずむ」さんのブログ。社会保険料の労使折半をやめて、全額給与として支払い、労働者側が自ら社会保険料を収めたらどうかわるのか? を試算したものです。結果は衝撃の、「そうしたほうが手取りが増える」でした。まさに見えない税金と化していますね。

 

この厚生年金、実は収入に対する比率で額が決まっているもので、それは年々比率が増加していました。税率が上がっていったようなものです。

 

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http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/03/dl/tp0315-2b.pdf より

 

2005年度までは年収の13.58%でしたが、2017年度まで段階的に引き上げられ、現在は実に18.3%まで増加しています。年収の18%ですよ! 労使折半というからくりがあるので負担は9.15%と見えますが、企業側は実質このコストを負担しているわけで、折半ルールがなければ9.15%を給与に上乗せしてもいいわけです。恐ろしい税率です。

 

この税率だけを見ると、累進課税ではなく全員一律の課税率に見えますが、さらにからくりがあります。実は、年収額によってもらえる年金の額に違いがあるのです。普通に考えれば、多く支払えば多くもらえるように思いますが、実はそうなっていません。支払い額の伸びに対してもらえる額はそこまで伸びないのです。

 

下記の「年金情報部」にそれを詳しく解説したグラフがありました。

www.nenkinbox.com

 

給与が10万円だと1年間保険料を支払った場合、その保険料の約13%の年金が増える計算になります。一方、給与が60万円の人は支払った保険料の5%足らずしか年金額は増加しません。 

 

これは、実質的に年収が高い人のほうが負担に比べてリターンが少ないという構造です。累進課税といってもいいでしょう。

 

上記の記事では、「支払った年金を、受給で回収できるまでの年数」のグラフも載っています。こちらも見て驚くものでした。月額給与が10万円なら8年間年金を受給すれば払った額を取り戻せますが、給与60万円だと回収に20年以上かかるというものです。

 

しかもこれは運用益などを加味しないものです。給与60万円の人は年金など払わずに自分で運用したほうがはるかに豊かな老後を送れるに違いありません。

 

これはもちろん個人個人単体で考えた場合であり、富めるものは貧しいものの生活を負担するべきという福祉社会の考え方に基づけば、累進課税も妥当でしょうし回収年月に2倍以上の差があるのもわかります。また、日本の年金制度が世代間扶養を前提としており、自分で自分の老後を支えるのではなく、異なった世代の老後を支え続けるという構造になっているためだというのも分かります。

 

問題は、このように実質的な税金であり、さらに労使折半や受給額の変化などのからくりを入れ込むことで、実質的には累進課税になっていることがわかりにくくなっている点にあります。労使折半によってとりっぱぐれがない厚生年金はともかく、国民年金では納付率が60%台だそうですが、さもありなんという感じですね。

 

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平成26年の厚生年金保険・国民年金事業の概況より