投資でセミリタイアする九条日記

セミリタイアを実現したサラリーマン。ETF投資を中心に、太陽光投資や不動産投資、オプション、VIX、FX、CFDまで使って資産運用をしています。

資産管理法人 2社目を作ることにしました

太陽光発電や不動産投資の箱として、資産管理法人の設立を進め、先日無事に会社を用意することができました。法人銀行口座やクレジットカードもでき、一息ついたところですが……。

 

太陽光発電所を7基超所有するにあたり、2社目の資産管理法人を作ることにしました。理由はいくつかあります。

kuzyo.hatenablog.com

 

 

消費税の免税業者で居続ける

まず太陽光発電の場合、最初は消費税を収める課税事業者で、消費税還付を受けたのち3年後には免税事業者に戻るという形を取ります。課税事業者だと、売電に伴う消費税分を納税しなくてはなりませんが、設備投資分の消費税をほぼ還付されるというメリットがあるからです。

 

商品を仕入れたり、サービスの提供を受けたりして支払った対価には、消費税と地方消費税が含まれています。

この仕入代金の額に含まれている消費税と地方消費税の額は、売上げに対する消費税と地方消費税の額から控除することができます。
この場合、控除しきれない部分があるときは、確定申告により還付されます。

国税庁

 太陽光発電の場合、消費税がかからない土地を除くと、パネルなどのシステムに消費税がかかります。例えば1500万円のパネルなら120万円です。この額は、売上に対する消費税額から控除できるとあります。しかし、太陽光発電の売電収入は年間200万円程度なので受け取る消費税は16万円程度です。120万円 − 16万円 ということで、「控除しきれない」ために、差額の104万円が還付されるというわけです。

 

もちろん、翌年は収入から経費を引いた分の消費税を納税しなくてはいけません。太陽光発電ではほとんど経費がかからないので、ほぼ毎年16万円の納税が必要ですね。そこで、還付を受けたあと、3年後には免税事業者に戻ることでこの16万円の納税義務をなくすというスキームを取ります。

 

免税事業者に戻ると、売電部分には消費税を加えて支払ってもらえますが、それを納税する必要がありません。2019年10月以降は消費税が10%に上がりますので、そのまま収入が増える形ですね。

 

ところが、免税事業者の条件は年間収入が1000万円以下という条件があります。低圧太陽光の場合、1基あたりだいたい年間200万円弱の収入がありますので、4基で800万円、5基となると1000万円を超える可能性があります。シミュレーションでは、1基あたり180万〜190万円の売上ですが、5%上振れすると189万〜199万円、10%上振れすると198万〜209万円です。上振れするのはありがたいことですが、1000万円を超えると課税事業者になってしまいます。これは避けたい。

 

つまり、安全にいくなら4基、妥当な範囲で5基、6基目以降を持つなら1社ではダメだということです。

簡易課税制度を利用する

課税事業者になってしまっても、太陽光発電の場合、簡易課税制度の適用を受けることでみなし仕入率を70%とすることができます*1。実際にはほぼ経費がかからないのに、70%を経費とみなせるというなかなか美味しい制度です。

 

こうすると、実際に支払う必要のある消費税は売上の30%だけで、8% ✕ 30% →2.7%の消費税納税で済むことになります。7基の発電所を持っていて、売上1400万円だとすると、37.8万円です。10基持っていて売上2000万円としても、54万円です。消費税を払わなければいけないといっても、このくらいの税額で収まるわけです。

 

ところが、いまは法人設立費用が非常に安くなっています。合同会社なら6万円程度で設立でき、税理士への報酬も決算含めて30万円かかりません。資本金1000万円以下なら住民税の均等割も7万円以下です。追加の法人運営費用のほうが、簡易課税制度で消費税を払うよりも安くつくというわけです。

 

しかも、2019年10月からは消費税が10%に上がります。するとさらに差は開くことになります。

所得を800万円以下に抑える

法人の税率は一般に40%などと言われていました。ところが昨今は減税が進み、中小企業では非常に税率が低くなっています。800万円までは実効税率で23.2%ですが、800万円超だと33.6%に上がります。 

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※JETRO 法人所得税概要より

 

これだけ見ると、800万円を超えると急に税負担が増えるように感じますが、実際は違います。所得税の累進課税と同じく、800万円超の部分だけ33.59%が適用になります。

 

では実効税率をグラフで表すとどんな感じになるでしょうか。所得金額が大きくなるにしたがって税率もアップしていきますが、忘れてはいけないのは住民税の均等割です。事業が赤字でも黒字でも一定金額を支払わなければいけません。こちらは、東京都で従業員数が50人の場合、資本金が1000万円以下なら7万円になります。これを入れ込むと、低所得時の税率が一気に跳ね上がります。

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800万円を超えるとじわじわと実効税率が上がりますが、均等割を加味すると、所得が少なくても実効税率が上がります。クロスするのは340万円の所得です。

 

では、法人をもう1つ作って2社にしたらどうなるでしょうか? ちょっとわかりにくいグラフですみません。青線が1社の場合の税額(左軸)、赤線が2社の場合の税額(左軸)です。黄色線は2社の場合の実効税率(右軸)になります。

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所得1600万円までは実効税率が25%以下で推移することが分かります。均等割が2社分かかるので所得が小さいと不利ですが、所得700万円でクロスすることが分かります。800万円を超えると、明らかに2社のほうがお得です。所得1000万円の場合で税額差は27万円となります。

 

実際には、さらに税理士顧問料や決算費用も必要なので、所得が1000万円前後までは差が出ないでしょう。しかし、所得が上がっていくとそこそこ差が出ることが分かります。

法人設立は思ったより簡単だったので

実際、ひとつめの法人を作ってみて、こんな簡単に法人ができてしまうんだと思いました。

 

太陽光発電は、20年のPLがほぼ事前に把握できてしまうというなかなか特殊な事業です。つまり、10年後のことも考えて手を打っておくということが大切だと思っています。

 

そんなわけもあって、1社めの設立から3ヶ月しか経っていませんが、2社目を用意することにしました。途中で分社化するという選択肢もないわけではありませんが、課税逃れのための分社と判断される可能性も高いらしく、また分社のコストもかかるため、ここは新規法人とした形です。

 

ちなみに、自宅の法人業務用スペース部分を家事按分として法人経費にしていますが、2社あると、両方に家事按分できるのでしょうか? 1社で家事按分できるなら、2社になったら倍の比率になってもおかしくないように思うのですが。。あとで税理士に聞いてみたいと思います。

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*1:簡易課税制度適用を受けると、今度は消費税還付を受けられないのには注意が必要です。