FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

2019年の太陽光発電投資について各社に聞いてみた

現在、東京ビッグサイトで「資産運用EXPO」が開催されています。太陽光発電EPC業者も多数出展していたので、各社のブースで2019年の太陽光発電事業について、見通しを聞いてみました。

 

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FIT14円にどう対応する?

いま新規の太陽光発電案件を探している人が一番気にするのは、2019年のFIT14円にどう対応するか? でしょう。

 

ほとんどの事業者では、「利回り10%を確保するよう努力する」という方針でした。FITの低下で売上が22%下落することが確定するわけですから、利回りを維持するということは、コストを削減したり利益を削ったりするということです。

 

「利回りが10%を下回ると、最初の10年利益がでなくなったりして投資案件としての価値がなくなる」

「利回り10%以下だとそもそも融資がおりない」

「太陽光パネル自体の価格も下がってきている。パネルメーカーも、これを機にさらに価格を下げてくる(これまでは高くても売れていた)」 

過積載に関する考え方は?

最近の低圧発電所では、49.5kWの低圧ギリギリのパワーコンディショナーに、1.5倍から2倍程度、80Kwから100Kwの出力を持つパネルを組み合わせる、いわゆる過積載が普通です。過積載はピーク時の発電出力を捨てることになりますが、逆に朝晩など発電量が少ないときでもパワーコンディショナーの上限に近い電力を売電できるところにメリットがあります。

 

「日陰ができるなど、環境によっては過積載のメリットは大きい」

「パネル自体の出力も上がってきているので、土地が狭い(通常100kWクラスだと300坪くらい必要)物件でも過積載できる可能性がある」

「当社では、80kWを標準的な過積載にしている。多く積みすぎてもピークカット(捨てる部分)が多すぎて損」

「1台のパワーコンディショナーにつなげるパネル枚数に制限がある。多くのパネルをつなげるパワコンもあるが、2倍程度が安全域」

低圧発電所での蓄電池の可能性は?

10年のFITが切れ始めた家庭用太陽光発電では、蓄電池の販売競争が加速しています。売電するのではなく、一部を自家用として使うことで、災害時にも電気が使えたり、買うよりも安く電気が使えるからです。

 

では低圧など産業用ではどうなのでしょうか?

「まだ全然価格に合わない(電池が高すぎる)」

「産業用の自家利用分に使うという小容量の蓄電池もあるが、契約が異なるので(全量売電契約ではなく余剰売電契約にする必要あり)」

電力抑制はさらに広がるか?

この夏、九州電力が初の電力抑制を実施したことが話題になりました。電気が余っているので、太陽光発電所からの電気を買い取らないという措置のことです。これは今後どうなるのでしょうか。

 

「九州でも低圧は対象外だった。これだけの数のある発電所をどうやって抑制するのかを考えると、考えにくい」

「電力抑制を気にされるお客様が多いので、免責1時間の抑制保険を用意した」

「(九州などの)発電所が多いところはともかく、関東圏ではそもそも必要な分しか認可がおりていない。20年間は大丈夫だと思う」 

土地は賃貸か売買がいいのか?

太陽光発電投資では、土地を購入するパターンと土地を借りるパターンの2つがあります。借りるパターンは毎月のコストが上がりますが、初期費用が減少します。

 

「そもそも太陽光発電に向いた土地がなくなってきている。残った土地はへんぴなところで、そもそも地主さんが手放したがっているところが多い。賃貸の物件自体が減っている」

「20年のFIT期間を超えたあとも、5円程度では電力を買い取ってもらえることが見えてきた。ローン完了後、賃貸だとパネルを撤去しなくてはならないので、少しでも売電できるのなら持っておきたいというお客さんが増えている」

入札になった高圧は今後どうなるのか?

FITの価格下落とともに、高圧発電所も従来の一律FIT価格から、入札によってFIT価格を決定するよう制度が変わろうとしています。そうなると、高圧発電所のニーズはどうなっていくのでしょうか?

 

「リスクがたいへん大きくなったので、タダみたいな土地でないと採算が合わない」

セカンダリーマーケットは出てきているのか?

現在の太陽光発電所は、新規に設置するものがほぼすべてです。ただし今後FIT価格が低くなるにつれて、新規の発電所設置は減少し、太陽光発電所がほしい人は既に運営中の発電所を買い取るというパターンが考えられます。この発電所を売買する場をセカンダリーマーケットといったりします。

 

「現在は、高圧で事業者さん同士で譲渡ということはあるが、多対多で取引する場はないと思う」

「現在はないが、今後ニーズが出てくるのは間違いない」

 

会場では、18円案件の提示がたくさんあり、さらに一部21円、24円の案件も紹介されていました。いずれも利回りが10%を超えるように調整されています。今後はますます新規発電所は厳しくなってくると思うので、欲しい人は駆け込みということで、見てみるのもよさそうです。

 

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