銀行システムを他社に提供するビジネスを進める住信SBIネット銀行が、そこそこ魅力的なキャペーン中です。提携先のNEOBANKに新規口座開設すると、円定期で10%金利のキャンペーンとなっています。
NEOBANKとは?
今回の対象となるのは、住信SBIネット銀行がシステムを提供する、いわゆるNEOBANKという銀行。JALとやっている「JAL NEOBANK」、TカードのCCCグループのTマネー社とやっている「T NEOBANK」、ヤマダ電機とやっている「ヤマダNEOBANK」、そしてオープンハウスとやっている「おうちバンク」の4行です。
欧米では、銀行業の免許を持たない事業者が、自社の顧客向けに銀行サービスを提供するにあたり、既存の銀行からライセンスとシステムを借りて事業を行う仕組みが増えており、これを一般にネオバンクと呼びます。住信SBIネット銀行は、自社を「NEOBANK」と呼称して、システムとライセンスの提供ビジネスを増やしているわけです。
いずれもシステムは住信SBIネット銀行で、その実態は住信SBIネット銀行の支店扱いです。例えば、「T NEOBANK」でいえば、住信SBIネット銀行の「Tポイント支店」という扱いになります。Tマネー社は銀行代理業という扱いになります。
そのため、預金保険制度の対象としては、全部合算で住信SBIネット銀行扱いになるのには注意が必要です。各NEOBANKごとに1000万円ではなく、住信SBIネット銀行+NEOBANK全体で1000万円が保護対象ということです。
キャンペーンの条件
では今回のキャンペーンの条件です。
- 一カ月もの円定期預金、金利10%
- 9月6日から10月3日の間での預け入れが対象
- 上限100万円
- 新規口座開設から60日以内の預け入れ
- 各NEOBANKが個別に対象
つまり、これから新規口座開設をする人は誰でも対象。すでに口座開設してしまっている人も、7月頭以降なら対象ということです。
各NEOBANK個別にキャンペーンが対象となるので、100万円ずつ4つに預ければ、合計400万円が運用できることになります。
どのNEOBANKで口座開設するか
キャンペーンの利用にはそれぞれのNEOBANKの口座申し込みが必要になります。それぞれ提携企業ごとに特典が用意されていますが、人によっては魅力的かな? という感じ。
- JAL NEOBANK プリペ利用でマイル獲得、住宅ローン利用でJALステータスアップ、3年もの円定期1%キャンペーン中
- T NEOBANK 利用でTポイントが貯まる
- ヤマダ NEOBANK 口座開設で1000ポイント、ヤマダ電機でデビット利用で最大5000ポイント付与
- おうちバンク おうちリンクポイント400ポイント付与
いずれも住信SBIネット銀行内の支店扱いなので、住信SBIネット銀行からの資金移動(振替)は手数料無料。さらに、ATM手数料も月5回まで無料、他行宛て振込手数料も月5回まで無料となっていて、もし住信SBIネット銀行のランクが低い場合、複数のNEOBANKを利用すれば、ATMも振り込みもほぼ無料で使い続けられます。
ちなみに、「おうちバンク」については、「※アプリからの「おうちリンク」「おうちバンク」へのお申込みいただけません。オープンハウスグループでの物件ご契約後のご説明会にてお申込みいただけます。」ということなので、実質的にキャンペーンのために口座を申し込むのは不可能です。
ちなみに、口座開設は個人のみで、いずれも満18歳以上。家族にも開いてもらうには、そこそこ制約があります。
1カ月もの10%は果たしてお得か?
今回のキャンペーンは一カ月もの円定期なので、100万円預けた場合の1カ月後の受取利息は税引き後で6640円。実質利用可能な3つのNEOBANKに預ければ、1万9920円の利益ということになります。単純利回りで、0.66%ということになりますね。
さて1カ月の資金ロックで0.66%の利益というのはどうでしょうか。年利換算では10%なので、確かに魅力的なのですが、利回りだけ考えると少し微妙かも。というのも、ちょうど9月の優待クロスの時期とかぶっていて、9月は1%近い利益が見込める銘柄がけっこうあるからです。
ただし、資金に余裕がある人にとっては優待クロスを行いつつ、元本保証がある条件で0.66%をゲットできるのは悪くありません。また、9月のクロスは、
- 9月28日 権利付き最終日
- 9月29日 権利落ち日
- 10月1日 受け渡し
というスケジュールなので、9月が完了してから優待クロスの資金をNEOBANK預け入れに利用する(10月3日預け入れまでが対象)というのもギリギリできそうです。9月に比べれば10月の優待は薄めなので、ここで0.66%を確保しちゃうのもありかも。