「投資情報はYouTubeから得る」。そんな調査結果が日経に掲載されていました。特に若年層にその傾向が強く、20代では49%がYouTubeです。変なYouTuberに惑わされるな! 新聞から情報を得よう! プロから学ぼう! という声もけっこうありますが、ぼくは逆じゃないかと思っています。
投資の情報源はYouTubeが最多
日経の記事はこちら。こんな象徴的なグラフが載っています。
でもこれを意外と思うなかれ。もう数年前から、投資情報は完全にネット、さらに言えばSNS、そしてYouTubeにシフトしてきていました。下記はフィデリティが毎年出している1万人アンケートの結果で、近年急速にWebからの情報収集が増加していることが分かります。
YouTubeで情報を得ているのは、実は高齢層
日経の記事では若年層ほどYouTubeから投資情報を得ているように見えますが、フィデリティの調査ではこれは実は逆転しています。若年層ほどXを使って情報収集する比率が増え、Z世代ではそれが57%に。逆に、年齢が上がるほどYouTubeを使って情報収集しており、高齢層ではその比率は66%にも達します。
ちなみに、男女でいうと男性はYouTube、女性はInstagramの比率が多いというのも面白いところ。また、SNSの強さでいうと、
- YouTube
- X
- LINE
- TikTok
となっていて、Z世代ではTikTokが上位に来ています。
YouTubeから学ぶか、プロから学ぶか
ではYouTubeから学ぶことは望ましくないことなのでしょうか? 実はこれは逆で、新聞はともかくプロから学ぶことは、逆に不利な商品や投資行動に誘導されてしまう危険性が高いと思っています。
昨今のYouTuberは、近代投資理論に基づいた発信をする人が増えてきていて、要するにギャンブル的な投資・投機ではなく、長期・分散・積立方式で、コストを気にしてインデックスファンドに投資し、NISAなど税金を意識するというものです。逆に、金融機関などのプロは、インデックス一辺倒はよくない、別の商品にも目を向けろ!とだいたい主張します。
どちらが正しいかはいろんな考え方がありますが、必ずしもYouTuberが発信している情報が、プロが発信している情報に劣っているかというと、そんなことはないと最近思っています。
例えば、パッシブ運用(≒インデックス)とアクティブ運用は、普段使っている情報ソースによって差が出るのでしょうか? 先のフィデリティの調査では、
パッシブ比率が高いのは、雑誌、新聞、SNS、ニュースWeb、
低いのはテレビ・ラジオ・金融機関・FP
だとしています。別にパッシブが正しくてアクティブがダメというわけじゃないですよ。でも、金融機関やFPから情報を得るとアクティブが増えがちで、SNSやWebから情報を得るとパッシブ≒インデックスが増えがちなのです。
さらにSNSを深堀りするともっと面白いことになります。なんと、YouTubeはパッシブ運用の比率が非常に高く55%に達しています。逆に、FacebooやLINE、Instagramはパッシブの比率が小さいんですね。
そんなわけで、YouTube=怪しい情報 と思うのは実は偏見じゃないかとぼくは思っています。逆に一般雑誌や金融機関の情報のほうが、意図的に高コスト商品に誘導しようというコンテンツが多い。正確かもしれないけど、投資家にとって有益とは限らない感じです。
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