FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

書評:『9プリンシプルズ』〜地図ではなくコンパスを持とう!

MITメディアラボの所長に就任した伊藤穰一の著書、『9プリンシプルズ』を読んでいます。インターネットの発達で外部リソースが活用しやすくなったり、AIが実用化ステージに入って人の仕事が変化したり、寿命が伸びて100歳まで生きる前提での人生計画が必要になったり。これまで以上に変化が激しい中で、どんな指針をもって生きればいいのかを、従来の常識に挑戦する形で9つ紹介している本です。

9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために

9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために

 

 

その中の3つ目、「地図よりコンパス」に感じ入るものがありました。地図、つまり詳細な計画にのっとって道を行くのではなく、どこに向かうべきかの指針であるコンパスを持って出発しよう、という話です。

 

計画というのは、誤解されやすい性質をもっています。人によってはそれはルールであり、計画通りにおこなうことが最も重要だと考えている人もいます。トップがマスタープランを作り、それをブレイクダウンして戦略プランを作り、さらにブレイクダウンして具体的な計画に落とし込み、現場が計画どおりに動く。

 

このような考え方は、変化の乏しい時代には実効性があったかもしれません。でも、年間計画はもちろん半年先のことでさえ、どうなるかわからない現代では、計画通りにやったけど、うまくいかなかった、ということになりかねません。

 

僕は、計画はゴールを明確にするための道具であり、さらにゴールを実現するためのシミュレーションの道具だと考えています。

 

計画はしっかりと作る。そのシナリオ=シミュレーションにもとづいて実行する。でも、シナリオが狂ったり、想定と違うと思ったらすぐに計画自体を見直して、新たな実行プランを作って実行する。そんなやり方のほうがうまくいくでしょう。

 

米国海兵隊は、世界最強の組織とも呼ばれたりします。そこでは、しっかりと計画は立てるが、現場の状況判断によって柔軟に計画を変えて、目標の実現を目指すというやりかたをとります。何をゴールとするかはトップが用意しますが、その実行方法は最も情報が豊富な現場に、計画変更の権限も含めて渡すというやり方です。

 

言い換えれば、目的地=ゴールは示すが、その間の道のり=地図は絶対視せず、方向=コンパスをもって進むということになるのでしょう。

 

例えば投資においても、「とりあえず買ってみる」というやり方はご法度です。買ったらどうなるか、価格がどう動いたらどう対応すべきか、そうしたシミュレーション=計画はしっかり立てるべきです。でもその上で、シミュレーションから外れる出来事が起こったら臨機応変に変更する。そんなやり方が、いま成功するための秘訣なんじゃないかと思います。