最近、Bitcoinの上昇は操作されたものだった、という研究がネットで話題です。論旨は、Tether発行元が新規にTetherを発行し、そのTetherを使ってBitcoinを買ったため、Bitcoinの価格が上昇した、というものになります。
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グラフを見ると分かるように、青いTether(USDT)の発行量が増大すると、連動してBitcoinの価格が増大しています。相関係数は0.81だといっています。
Tetherとは、USドルと価格が連動(ペッグ)するよう設計されている仮想通貨です。1USDT(Tetherの単位)は(ほぼ)1ドルで売買されます。どうして連動するかというと、Tetherの発行元であるTether Limitedが、発行したTetherと同額のドルを確保していることになっているからです。
1USDT買うには1USDが必要で、USDTを発行するとともにUSDがTether Limitedの元に保管されます。また、USDTを売った場合は保管されているUSDが払い戻され、USDTは破棄されるという仕組みになっています。つまり、発行済のUSDTと同額のUSDが確保されているということです。
仮想通貨取引所の多くはUSDTを取り扱っており、資金移動の面倒なUSDに代わり、ほぼドル代わりに決済通貨として使われています。
ところが、Tether LimitedがUSDTと同額のUSDを持っていないのではないか? という疑惑が、2018年の1月あたりから盛り上がっています。下記は、それを統計的に検討した記事です。
もし裏付けとなる同額のドルが存在しないならば、Tether Limitedは担保なしにUSDTを発行していたことになり、いわば担保なしの信用創造を行い仮想通貨市場を膨らませてきたことになります。
Tether疑惑の真相がどうであれ、仮想通貨の時価総額は急激に成長してきました。ちょうど1年前は1130億ドルでしたが、1月のピーク時に8173億ドルをつけ、現在の6月末は2829億ドル ≒ 30兆円と3倍弱になりました。この壮大な社会実験がどうなっていくのか、自分自身で体感していくためにもホールドを続けたいと思います。