クレジットカードの特典サービスを調べていると、空港ラウンジの利用というのが目に付きます。でも、ちょっと調べてみると空港ラウンジというのはいろいろな種類があるんですね。
- カード会社ラウンジ
- 国内の空港すべてのラウンジを使えるとは限らない
- 国内空港の国際線カードラウンジも2種類ある
- 海外空港のクレジットカードラウンジ
- 航空会社ラウンジ
- JAL JGC会員
- ANA SFC会員
カード会社ラウンジ
まずはカード会社運営ラウンジです。こちらは、クレジットカード会社が共同で運営しているものらしいです。利用する航空会社に関係なく、ゴールドのクレジットカードを持っていれば利用できます。が、実は細かな制限もあります。
まずは、国内線と国際線でラウンジが違います。考えてみれば当たり前なのですが、Webページなども別れているため、最初は悩みました。例えば羽田空港では、国内線のカード会社ラウンジは「POWER LOUNGE」、国際線のカード会社ラウンジは「SKY LOUNGE」になります。
またゴールドカードで使えるラウンジは、ほぼ国内の空港に限られます。多くの場合、韓国とハワイは対象ですが、世界各国の空港ラウンジを使うには別の方法を用意する必要があります。
国内の空港すべてのラウンジを使えるとは限らない
ゴールドカードを持っていれば国内どの空港でもラウンジを使えるかというと、実は違います。最大はどうやら28空港のようですが、中には26空港や19空港、6空港、ゼロ!というカードもあるので注意です。
法人ゴールドカードのオリコ EX Gold for Bizも、2018年10月の改訂で初めて国内空港ラウンジが利用可能になりました。
さらに、ゴールドカード保有者本人のほかに同伴者も利用できるかどうかにも違いがあります。家族カードを発行して利用してもらうか、同伴者として入室してもらうかも違いです。同伴者無料のゴールドカードで安価なものとしては、「JALアメックス」「ANAアメックス」が有名ですね。正直かなり複雑ですね。
国内空港のラウンジを使えるカードの多くが、韓国 仁川(インチョン)国際空港と、ハワイ ダニエル・K・イノウエ国際空港のラウンジも利用できます。もちろん、利用できないカードもあるので、注意が必要です。
ちなみに、空港ラウンジに詳しいブログなどを見ると、クレジットカード会社のラウンジはかなりしょぼくて、施設やサービス面では航空会社運営のラウンジにかなわないようです。
※羽田空港 POWER LOUNGE SOUTH
例えば、羽田空港国内線ラウンジとして2017年にオープンしたPOWER LOUNGEは、ソフトドリンクは無料だが炭酸なし、アルコール有料、食べ物はクロワッサン、電源あり、WiFiあり、シャワーなしのようです。各ブログのレポートによると、それでも新しいだけあって開放感があり、航空会社ラウンジよりこちらを選ぶ人もいるということですが、スペック表的には少しおちますね。
でも確かに、カフェに入る必要なく無料でイスと飲み物がもらえると思うと、対象のクレジットカードを持っておくと便利そうです。
国内空港の国際線カードラウンジも2種類ある
さらに国内空港には、国際線もあります。羽田、成田、関西空港ですね。ここには国際線にはない重要ポイントがあります。それは、出国検査前の場所か、検査後の場所かです。当然ですが、検査後のほうが時間に余裕をもって行動できるのでいいのですが、クレジットカード会社運営ラウンジは検査前がポピュラーのようです。
成田空港では、IASSエグゼクティブラウンジかTEIラウンジがゴールドカードで利用できますが、こちらは検査前。羽田空港ではSKY LOUNGEがありますが、こちらは検査後です。
※IASSエグゼクティブラウンジ2
そして、国内空港国際線のラウンジは、ゴールドカードでも使えないものがたくさんあります。メジャーな楽天プレミアムカード(楽天のゴールド)は羽田空港の国際線で使えるラウンジがありません。ぼくが所有しているオリコ EX Gold for Bizも同様です。
そしてさらに羽田空港の国際線には、SKY LOUNGEのほかに一歩上級のTIAT LOUNGEというラウンジもあります。こちらは航空会社ラウンジレベルのサービスがあり、プラチナカード、ブラックカードの人はほぼ利用できますが、ゴールドカードだとMIゴールドカード(年会費1万円+消費税)が使えるくらいですね。かなりちゃんとした料理やアルコール、シャワーも利用できるようです。TIAT LOUNGEはプライオリティ・パスを持っていても入れません。
海外空港のクレジットカードラウンジ
さらにラウンジの世界は海外にも広がります。海外空港のクレジットカードラウンジを利用するには、3つの選択肢があるようです。一つは「プライオリティパス」、2つめが「ラウンジ・キー」、そして3つめが「ダイナースクラブカード」です。
プライオリティパスは有名ですね。世界各国の1200の空港ラウンジを利用できるというサービスです。空港によっては後述の航空会社ラウンジも利用できるようです。
成田空港の「IASSラウンジ」「TEIラウンジ」は、国内線利用時もプライオリティパスあがあれば利用できるようです。ただ、羽田空港ではプライオリティパスで利用できるラウンジはありません。
有料で入会できますが、年会費99ドルのスタンダード会員だと都度課金、299ドルのスタンダード・プラスだと年間10回です。正直高いですね。
そして、いくつかのクレジットカードでは、最高位のプレステージ会員が付属しています。その中で、年会費が3万円以内に絞ると、次の5枚となり、特に楽天プレミアムカード(楽天のゴールドカード)が激安になります。人気の理由ですね。
楽天プレミアムカード(1万円)、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード(2万円)、MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード(2万円)、JCBプラチナ(2万5000円)、Miles&More MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード(2万8000円)
ラウンジ・キーは、プライオリティパスよりも少々少ない約1000カ所の空港ラウンジを利用可能です。プライオリティパスは別途プラスティックカードを持ち歩く必要がありますが、ラウンジ・キーはクレジットカード自体がパスになるのが魅力です。
ただし、利用できるカードは限られていて、Orico Card THE PLATINUM(年会費2万円)とジャックスカードプラチナ(年会費2万円+消費税)のみのようです。いずれも年6回まで無料になります。
ダイナースクラブカード(年会費2万円+消費税)では、世界各国700の空港ラウンジを利用できるようです。さすがのダイナースクラブ。
海外旅行や出張が多いならば、確かに楽天プレミアムカードを作ってプライオリティパスを持つというのは重要な感じです。
航空会社ラウンジ
さて、ここまで主にクレジットカード会社運営の空港ラウンジをみてきましたが、それよりも一歩上のサービスと言われているのが航空会社ラウンジです。日本だとJALとANAがあります。
JAL JGC会員
JALの航空会社ラウンジであるサクララウンジを利用するには、ファーストクラスのチケットを持っているか、上級会員(JGCなど)になるか、JALのアライアンスであるワンワールドのサファイア会員以上になるか、などの方法があります。メジャーなのはJGC会員ですね。同伴者1名無料で、クーポンでさらに2名追加できるようです。
※羽田 国際線 サクララウンジ
海外の空港でも、ワンワールド加盟航空会社ラウンジを利用できます。
JALの場合、JALグローバルクラブ(JGC)へ入会できた人が利用できるラウンジです。これは、1−12月の1年で、FLY ONポイント(FOP)を5万ポイントためた人か、50回搭乗した人が申し込むと得られる資格になります。FOPとは、マイルのようなものですがマイルとは計算方法が違っており、フライトでしか貯めることができません。つまり、飛行機に乗るしかないということです。
JGCのメリットは、航空会社ラウンジだけではありません。ボーナスマイルや加算マイル、会員専用デスク、優先キャンセル待ち、前方座席指定、専用チェックインカウンター(待たない!)、保安検査場の優先ライン(待たない!)、優先搭乗(待たない!)、優先空席待ち、手荷物増量、と盛りだくさんです。カードの家族カードを発行すると、家族も同様の扱いになるようです。
いったんJGCに入会でき、対応のクレジットカード(年会費1万円〜)を作ると、会員資格は永久です。そのクレジットカードを保持している限り、ずっと資格が続きます。そのため、どこかの1年でJGC資格を取ってしまうのをJGC修行というようです。調べているとJGC修行をしたくなってしまいます。ちなみに、修行は時間もかかりますが金額的にも50万円以上はかかるようです*1。
ANA SFC会員
JAL同様、ANAもANAラウンジという航空会社ラウンジが用意されています。ちょっと調べると、内容はほぼ一緒ですが、羽田空港についてはシャワールームがあるのはサクララウンジだけという違いがあるようです。
※ANAラウンジ
JALのJGC会員同様、ANAにもSFC会員という制度があります。こちらも5万プレミアムポイントを稼ぐと申し込めるスーパーフライヤーズ(SFC)カード(年会費1万5000円+消費税)を持つと、会員資格が永続するということでほぼJALと同様です。ワンワールドの代わりに、スターアライアンスのゴールドメンバー資格も得られます。ボーナスマイルや優先ライン、優先搭乗などの特典もほぼ同様のようです。
SFC会員資格を得るのを、同じくSFC修行といいますが、こちらもだいたい50万円くらい費用がかかるようです。
こうして調べてみると、航空会社の上級会員というのは面白いですね。ぼくはそれほど海外へ行かないので、正直そこまでの魅力を感じていませんが、資格を得るためにいろいろな方法があり工夫しがいがあることを思うと、単純にゲームとして面白いと感じます。