FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

「働かなくていい世界」になったら給料は誰が払ってくれる?

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AIの発展が急速に進み、肉体労働が機械に奪われたように、事務的作業も機械に奪われる世の中になろうとしています。これは、早い遅い、どの程度まで、という議論はあっても、方向性としては間違いのないところです。

 

当然「AI脅威論」が出てくるわけですが、それをバカらしいと一蹴する人もいます。堀江貴文氏もその一人です。

いずれは「人が働かなくていい世界」がやってくる。AIやロボットに仕事を奪われる……ある意味では、事実だろう。だが、奪われるという発想を持つ必要はない。私たちの方から、AIやロボットの側に、面倒な仕事を受け渡すのだ。

 そして、私たちはやりたいことだけに没頭できるようになる。素晴らしいことではないか。面倒な仕事をいつまでも続けていく人生を、自ら選ぶ人などいるのだろうか?

堀江貴文氏「AIに仕事を奪われる」との考えに呆れ「バカらしい意見」

僕たちはもう働かなくていい (小学館新書 ほ 5-1)

僕たちはもう働かなくていい (小学館新書 ほ 5-1)

 

 一見論理的に整合しているような意見です。でもここには大きな落とし穴があります。

誰が給料を支払うのか?

AIの発展によって人が働かなくていい世界がやってくるというのは、究極的にあり得る話です。少なくとも、今働いている人の仕事の多くをAIが代行してしまうというは衆目が一致するところでしょう。

 

そして働かなくていい人は、やりたいことだけに没頭……はできません。なぜなら、生きていくには住むところや食べ物が必要だからです。仕事は確かにロボットやAIがやるでしょう。でもその代金や労働の成果を受け取るのは、これまで働いていた人ではないのです。

 

結果、AIが代わりに仕事をしてくれるようになった、自分は仕事がなくなった。やりたいことだけに没頭できる。でも、給料もなくなった。となるわけです。

ベーシックインカムの世界

だからこそ、AIとセットで語られるのはBI(ベーシックインカム)なのです。働く仕事がなくなってしまった世界では、政府がその人たちの生活に必要なお金を渡してあげるしかありません。全員に最低限のお金を配る制度、それがベーシックインカムです。

 

しかしベーシックインカムを実現するには、当然分配する原資が必要です。そのためには大きな増税が必要になります。可能ならば、AIの発展で大きな利益を得るであろう富裕層から多くの税金を取るような政策を目指すことになるのでしょう。

AIやロボットが働いた成果を受け取る

一方で、AIやロボットが働いた成果を受け取るのは誰でしょうか? それはこうした技術を活用する企業です。GAFAなどの企業が、人に給料を払う代わりにAIに投資し、その成果を受け取ることになります。

 

ベーシックインカムに頼らずにAIの発展の成果を受け取るには、自らがAIを活用したビジネスを行うか、GAFAのような企業の利益の分前をもらうしかありません。要は、AI関連企業にしっかり投資をしておこうということです。

 

↓ピケティはデータを元に、「労働分配率が上昇傾向にある」といいます。AIによって労働の価値が下がるのかと思いきや、実は増えているのかもしれません。

kuzyo.hatenablog.com

 

 ↓AI時代には「働かざる者食うべからず」では成り立たないほどの「働けない人」が出る可能性があります。そこでベーシックインカムだということです。

kuzyo.hatenablog.com

↓AIは人間並みになれないという新井紀子氏ですが、人間の仕事の多くをAIが代替するとも言っています。そしてそれは「教科書が読めない」子どもたちにとて最もあり得る話です。

kuzyo.hatenablog.com

 

 ↓食べるためには労働が必要なのですが、労働自体が素晴らしいものかというと実は歴史的には異論も多いのです。

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