投資でセミリタイアする九条日記

セミリタイアを実現したサラリーマン。ETF投資を中心に、太陽光投資や不動産投資、オプション、VIX、FX、CFDまで使って資産運用をしています。

法人-個人間で利益を移転するスキームを考える

税金のことを考えると、それぞれ損益通算できる箱が違って、税率も違うというのはやっかいなものです。できれば、繰越損失の出ている箱に利益を移転したり、税率の低い箱に利益を移転したいですね。

 

今回考えたのは、個人の「先物」の箱と、法人の箱の間で利益を移転し合う仕組みです。

 

FXの両建てを使って利益を移転する

基本的な考え方は、FXの両建てです。個人と法人で同一の通貨を、片方で買い、片方で売建てて、いいタイミングでポジションをクローズします。すると、片方で利益が出て、もう一方で損失が出るはずです。

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この方法のメリットは、個人と法人間でまったく取引が発生しないことです。にもかかわらず、法人側で損失を作り、同額を個人側で利益にできます。

金利で損をしないか?

こうした両建ては、FXでなくても株の現物と信用売りの組み合わせや、CFDの買いと売りの組み合わせでも可能です。しかし、その場合は信用売りに大きな金利がかかってきます。金利分だけ確実にコストが発生してしまうのです。売買手数料も大きなコストです。

 

ところがFXの場合は、国内業者の激しい競争によって金利に相当するスワップポイントに歪みがうまれています。同じ通貨の買いと売りを両方持つと、うまく業者を選ぶことで合計のスワップポイントをプラスにすることができるのです。これが、何度も書いてきた異業者FXアービトラージです。

kuzyo.hatenablog.com

 損失と利益が出るまで時間がかかるのではないか

この方法を取った場合、為替が動かないとうまく損失も利益も出ません。FXでは1万通貨を持って1円動くと1万円の損益が発生します。過去20年ほどの平均を見ると、米ドルは1ヶ月で約5円変動しています。2017年と2018年のデータを見ると、月初から高値と安値への変動で平均で3.2円の幅があります。つまり、1万通貨あたり1ヶ月で3万2000円の損益が期待できるというわけです。

 

10万通貨で32万円、50万通貨で160万円程度損益を出るでしょう。数ヶ月ポジションを持てば、このくらいの利益移転が可能になる感じです。

証拠金がロックされる

ただし両建てのポジションを維持するためには、証拠金を積んでおく必要があります。証拠金倍率200%維持(約6倍)を目安にするなら、1万通貨あたり10万円程度、両建てなので20万円程度が必要になります。

 

50万通貨で160万円程度を移転させたいなら、1000万円程度の現金がロックされてしまいます。正直、これは痛いですね。

 

ただし、ロックされるといっても、この両建ては年利3%程度の利益を産んでくれます。証拠金の出し入れさえちゃんとやっていれば、ロスカットの可能性は小さいので、普通預金代わりだと考えて、ポジションを持つのもよいでしょう。

都合よい方向に為替が動いてくれるか

最大の問題は、都合よく為替が動いてくれるかです。次の絵だと、法人から個人に利益を移転するには、法人建てで買建てたドルが値下がり、つまり円高方向に動く必要があります。もし逆に円安方向に動いたら、個人から法人のほうに利益が移転しまうポジションになります。

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もし思惑と逆に動いたとしても、決済しなければ全体では利益も損失も出ていないのですが、思った方向に為替がうごくまで待つことになります。早く利益移転をしたいという意味では時間をロスします。また、延々と片方向に為替が動いた場合は、ずっとポジションを決済できない可能性もあります。

 

では、法人で買建と売建、個人でも買建と売建の計4ポジションを取ったらどうでしょうか? 必要証拠金は2倍になってしまいますが、この中で、法人で損失が出たポジションと個人で利益が出たポジションだけをクローズして損益を確定させるという方法が考えられます。これなら、早期の利益移転だけは可能性が高まります。

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この場合、含み益と含み損を抱えたポジションは、損益がゼロになるまで持っておいて、いいタイミングでクローズするということなります。これだといつまでもポジションを持ち続けることにもなりかねません。資金的にももったいないですね。

 

そのほか、海外の証券取引所ではオプションなどのデリバティブが雑所得としてカウントされることを利用して、「株式の箱」と「雑所得」の損益を行き来させる技もあるようです。