よく「自分の代わりにお金に働いてもらう」と言いますね。この言葉が日本で広まったのは、おそらく『金持ち父さん 貧乏父さん』の影響だと思いますが、お金に働いてもらうってもう少し突き詰めるとどういうことなのでしょう。
400万円の資産と自動車の違い
最近、これをすごく意識したのは自動車を買ったときです。例えば、この自動車の値段がコミコミで400万円だったとしましょう。車を買うと、400万円を失う代わりに自動車が手に入ります。このとき考えたのは、こういうことです。
「400万円を普通に投資に回したら、債券系でも3%の年間12万円、月に1万円。株式なら6%くらいの年間24万円、月に2万円が手に入る。月に1〜2万円自由に使えるお金があるのと、自動車を持つのとどっちがうれしいだろう?」
もちろん、自動車には駐車場代や税金、保険、車検、ガソリン代までさまざまなコストがかかります。でも、それを除いたとしても、自動車を買うというのは月に1万円もらえるはずの機会を失うということなのです。
しかも、自動車は債券よりも不安定な資産です。事故って修理代がかかるかもしれませんし、下手すると廃車になってしまうかもしれません。そのリスクをヘッジするために車両保険に入るわけですが、このヘッジ代はかなり高額です。この不安定さを考えると、株式を買ったようなものとさえいえるかもしれません。
さらに、自動車は年数を経るごとに価値が落ちていきます。中には、価値を保ち続けるものもありますが、国産の新車などだと3年後には半値、10年経ったら無価値です。ずっと価値を保ち続ける債券や、価値が次第に増加していく株式とは真逆です。400万円の自動車が10年で無価値になるとしたら、1年で40万円、1カ月で3.3万円ずつ償却しているのと同じですね。
ここまで考えて、「月に2万円もらえるよりも、この車がほしい(さらに諸経費と償却分も払う)」と思って初めて車を購入するわけです。
諸経費と償却費分はイメージしながら車を買うかどうかの計算をする人は多いと思います。でも、車を買う代わりに投資したらどれだけお金がもらえるのか、車はそのキャッシュに見合う価値を提供してくれるかのかはよく考える必要があります。
【同じような考え方で、賃貸vs.持ち家を考えてみました】