FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

40代は「終わった人」なのか? 人生の3つのステージ

「人生のピークを過ぎ、ぼくは「未来のためだけに生きる」のをやめる」という記事が載っていました。

kaigo.homes.co.jp

未来のために生きるか、今のために生きるか

老後など将来のために勉強したり、貯蓄したりしないで、もう42歳という人生の折り返し地点なのだから、未来ではなく今のために生きる、という宣言文です。

同時に「いま」という時間が「未来の目標を達成するための、ただの手段」となってしまっているようにも思う。

この話を読んで思い出したのが、I-Oウェルスアドバイザーが提唱する、「人生の3つのステージ」でした。人生を、40歳までの「学びの時代」、70歳までの「働きの時代」、100歳までの「遊びの時代」に分けます。

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「学びの時代」では、勉強や仕事の経験を通じて自己の能力など人的資産を形成していきます。そして、「働きの時代」に入ったらこの人的資産を取り崩していきます。

 

「働きの時代」では、人的資産を活用して、金融資産を形成していきます。そして「遊びの時代」に入ったらこの金融資産を取り崩していきます。

 

最後の「遊びの時代」に入ったら、金融資産を取り崩しながら「生きざま」を形成していくというものです。

人生は常に今と未来を生きている

この考え方に立てば、人生は常に何らかの資産を形成して、それを活用したり取り崩して次の資産を形成するという繰り返しなのがわかります。

そんな状況の中で、ぼくにはもはや輝かしい、目指すべき未来なんて存在しない。となると、未来に向けて努力をする意味など何もないのだ。

このあたりの文から読み取れるのは、人的資産の形成(出世なども含まれる)を諦めましたという話でしかありません。ほとんどの人の能力は死ぬまで向上するわけではなく、ある一定から先は若者に体力で劣り、知力も衰えていくのです。 

 

問題は、この時点で資産形成がどのくらい進んでいるかということです。高級車や豪邸の話が出てくるように、著者は資産というものを贅沢するためのなにかと捉えているようです。

高級車も豪邸もついに手に入らなかったが、オンボロのママチャリを必死にこいで、子どもと一緒に走る日々を、ぼくは一生忘れないだろう。

でも資産というのは、別に贅沢品を買ったり浪費するためのものではありません。将来の「遊びの時代」に働かなくても自分の好きなことをして暮らしていくためのものです。人によってはこれを「老後」ともいいます。

セミリタイア/アーリーリタイアは、早期の「遊びの時代」

これを見ると、セミリタイアやアーリーリタイアは70歳を待たずして遊びの時代に突入することだと分かります。十分な資産さえ構築できれば、別に「働きの時代」をさっさと終わらせても構わないからです。

子どもの将来がどうだ、老後の蓄えがどうだ、健康寿命が尽きたあとの介護がどうだ。まあ人間というものは、ことに不安というものに関しては、みんな天才的な発明家である。

ぼくは、これらに完全に抗うことはできない。たっぷりの不安を受け入れながら生きていくしかないだろう。

これら「不安」というものの一部は、実は資産があれば解決できるものです。子どもの将来がどうなるかはわかりませんが、親としてお金がないせいで十分な教育を受けさせてあげられないのは避けたいもの。介護がどうなるかもわかりませんが、少なくとも老人ホームに入れるだけのお金があれば、多少は気が楽です。

 

人生の3つのステージを考えたとき、人的資産の構築で終わってしまって金融資産が構築できない人がいます。こんなとき、加齢とともに衰える人的資産を前に、自分を「終わった人」などと表現するわけです。

ぼくはもう体力的に人生のピークを過ぎ、毎日身体が老化し続けているのを感じている。

会社では出世レースの中盤戦が終了して大勢は決まり、自分はもう出世しないだろうことも見えている。世代的には「人生再設計世代」などと呼ばれ、周りにいわゆるロールモデルも存在しない。

ぼくは、もうすでに「終わった人」なのだ。

 

金融資産を構築したものの、それを増やすことや守ることに躍起になって、生き様が構築できない人もいます。隣の億万長者という感じでしょうか。

 

さっさと金融資産を構築し、それを着実に消費しながら、遊びの時代を生きる。しかも、できるならそのスタートは70代とはいわず、早いほうがいい。これがセミリタイア/アーリーリタイアの魅力だということです。