2020年8月10日週は、米中のIT経済戦争に注目しています。
このところ米中は戦火こそ交えていないものの、強烈な経済戦争状態にあります。トランプ政権になってから、制裁関税を何段階かに分けて中国に課してきましたが、このところは、さらに具体的な企業や製品を名指しで禁止を始めています。
基本的には安全保障上の問題として、IT/通信関連がターゲットです。2018年末にカナダでファーウェイCFOが逮捕されたのが、初期の目立った出来事だったでしょうか。そこからさらに厳しくなってきました。
華為(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)と浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、無線機大手の海能達通信(ハイテラ)の5社について、19年8月に米国は政府機関での調達を禁止しました。そして今回は、この5社の製品を使う企業からの政府調達も禁止します。今週8月13日からですね。
つまり、中国のこの5社と取引がある企業は、米国政府との取引ができなくなるわけです。日本企業だけでもこれは800社を超えるといわれています。実質的に、中国陣営の企業と米国陣営の企業に、世界が二分されることになります。
分断は、通信関連だけではありません。トランプ政権が8月5日に発表したClean Networkイニシアティブは、国防上の問題から情報を保護するためのものとされています。ファーウェイに続き、OppoやVivo、Xiaomi(シャオミ)なども米国のアプリをインストール、またダウンロードできなくするといいます。つまりGoogleのサービスが利用できなくなるわけです。
さらにTikTok、WeChatについて脅威とし、米国でのアプリストアからダウンロードできないようにしようとしています。物理的な通信機器だけでなく、ITのソフトウェアにおいても、中国製と米国製で相互の利用を禁止するわけで、世界は二分していくでしょう。
8月10日
- 中国7月消費者物価指数
8月11日
- 6月国際収支
- ソフトバンクG 決算発表
- NTT 決算発表
- 楽天 決算発表
8月12日
- 米消費者物価指数
8月13日
- 米政府 中国5社製品を使う企業排除
- 三菱商事 決算発表
- アリババ・グルーブ【BABA】決算発表
- エヌビディア【NVDA】決算発表
8月14日
- 米7月小売売上高
- 中国7月小売売上高
- EU GDP
- オプションSQ