FIer: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIerを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

NFTが分からない ゲーム(メタバース)、アート、資産管理

f:id:kuzyo:20220127171920p:plainブロックチェーン技術を使った最新のプロダクトといえば、NFTです。イーサリアムブラックチェーンの上で登場したこの技術は、またたくまに多くに事業家の心を捉えたようで、国内でもさまざまな企業がNFTに参入したり、また関心を持っています。

 

でも、やっぱりNFTはよく分からないのです。何が分からないのか、考えながら、ブログに書いてみたいと思います。

NFTの3つの類型

NFTの技術的な特徴は端折ります。ERC-721、ERC-1155で検索してもらえれば、いろいろと出てくるはずです。ここで考えたいのは、NFTが何に使えるかということ。

 

よく出てくる3つのユースケースが、ゲーム(ゲーム)、デジタルアート、そしてリアル資産の管理です。ゲームとは、ゲーム内のアイテムがNFTで提供されるというもので、転売可能なマーケットプレイスとセットになっています。このNFTアイテムは純粋なNFTですね。

 

デジタルアートは、映像や画像といったデジタルコンテンツにNFTをひも付けて管理する仕組みのことです。デジタルコンテンツはコピーが可能ですが、NFTはコピーが不可能なので、これをひも付ければ1点ものが実現するということになっています。

 

3つ目は絵画などリアルな資産を、NFTとひも付けて管理するというものです。NFTを持っている人がその資産の所有者であるという考え方です。これによって、土地台帳のような中央集権管理をしなくても、所有者が把握でき、所有権移転も簡単という使い方です。

リアル資産のキーとしては、法律がネック

まず分からないものの筆頭が、3番目のリアル資産のキーとしてNFTを使うというものです。例えば、ぼくが持っている土地に紐付くNFTを発行して、このNFTの売買をもって土地の所有権も移転したことにするというような使い方です。

 

が、これはおそらく現実の法律との整合性がたいへん難しい。例えば、リアル絵画に紐付いたNFTがあったとして、NFTが移転したからといって絵画の所有権も移転したというのは簡単ではありません。リアル絵画は動産であり、占有が可能なので、「この絵画を販売しました」という契約書を結んだようなものです。

 

同様に不動産のようなものは、契約だけでは問題がおきます。AさんがBさんに売却するのと同時に、同じ土地をCさんにも売却したら、土地はどっちの物になるのかという問題です。これは民法で「対抗要件」と呼ばれるもので、要は不動産登記をもって、先に登記したものが第三者への対抗要件を持つとしているのです。

 

問題は、NFTを譲渡したときに、これが法的に第三者への対抗要件となるか? という問題です。動産なら実物の引き渡しが対抗要件となり、不動産なら登記が対抗要件。つまりNFTでは対抗要件を備えないわけで、これがNFTが実態としてまだ使えない理由だと理解しています。

デジタルアートは何の権利を得ているのか?

ではデジタルアートはどうでしょう? ここでは、まずNFTはコピーコントロール技術ではないということに注意が必要です。つまり、あるコンテンツにNFTが設定されても、そのコンテンツはコピーは自由にできるということです。ただし、そのコンテンツに紐付いたNFTは、複製できず売買できると。

 

ここで問題なのは、ではそのNFTはデジタルコンテンツの何の権利にあたるのか? という点です。

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デジタルコンテンツの所有者にはいくつかの権利があります。その中で最も一般的で汎用的なのが著作権です。そもそもデジタルコンテンツ自体には所有権は発生しないからです。この著作権は、コピーする権利であり派生して放送する権利とか翻案する権利とかが含まれます。さらに著作者人格権として、名前を記載する権利とかが付いてきます。

 

では、そのコンテンツのNFTを買えば著作権が手に入るのか? しかしこれは手に入りません。著作権は相変わらず制作者が保有しています。結局、NFTを購入するというのは、なんだかよく分からないが、人数限定の何かを買っているわけです。それがコンテンツの何なのかは、やっぱりよく分かりません。

結局ゲーム。そしてメタバース

となると、結局最も分かりやすくて実際に価値があるのはゲームアイテムなのではないか? となります。昨今のゲームはほぼイコールメタバースでもあるので、ゲーム/メタバースアイテムこそが、NFTの保守本流ということになります。

 

アイテムと書きましたが、The Sandboxのように、それはNFT化されたゲーム内の土地かもしれません。ゲーム内の何らかの権利といった「ユーティリティートークン」かもしれません。

 

そこにはリアルの世界での所有権は発生しませんが、メタバース内での占有権は実際にあり、保有している人しか利用できません。法ではなく、まさにレッシグが言うようなコードによるアーキテクチャによって、占有権が保証されているわけです。

 

となると、NFTの価値は、そのゲームなりメタバースがどのくらい普及するかにかかってきます。どのくらいの人数が深く参加しているかがKPIになるはずで、これはちょうど都心になるほど土地の価値が高いのに似ています。誰もいないような山奥の土地には価値は発生しないのです。

 

ひるがえって、いまどんなメタバースがあるのか。それは、(1)GAFAMが進めようとしているビジネスプラットフォーム的なメタバース(2)フォートナイト、マイクラ、ロブロックスなどのゲームとしてのメタバース(3)The Sandbox、Decentraland(ディセントラランド)といった、ブロックチェーンゲームとしてのメタバースです。

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(3)のブロックチェーンゲームベースのメタバースは、当初からNFTが組み込まれており、仮想通貨界隈からの需要を取り込んで成長しています。(2)のゲーム版メタバースは、豊富なユーザーベースを基盤として、どこかでNFTを組み込んでくるでしょう。そして(1)は桁違いのユーザーベースと豊富な資金を元に、普通の人達をターゲットとして広がるでしょう。

 

さて、こう考えてみると、NFTがブームだからNFTを買う……という行為は、やはりぼくにはしっくりきませんでした。その技術の可能性を噛み締めて、未来を変革するという確信を持ってから投資するスタイルだからです。ということは、いずれかのメタバースに足を踏み入れて、肌で実感することが重要なのでしょう。これからメタバースの旅に出かけたいと思います。

 

www.kuzyofire.com

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