投資にも業界独特の用語があって、記事やブログを読むときには用語を理解していないとまったく宇宙語を読んでいる感覚になります。そんな投資用語の基本から。今回は、ロングとショートについて調べてみました。
ショート
投資は普通、資産を「買う」ことで、分配金や利子をもらい、さらに値上がりした際には売却することで値上がりした分の利益を得ます。逆に、先に「売る」ことをし、値下がりしたときに「買い戻す」ことで利益を得るやり方もあります。これを「ショート」といいます。
語源を見ると、株の空売りが元のようです。ショートでは、基本的にほかの誰かから借りてきて、それを売ります。売った後、値が下がった所で買い戻して返します。そのため、長期間借りっぱなしはなく、短い期間で返すのが基本です。この「短い期間」=ショート で「売る」=セリング、ショート・セリングを略して「ショート」と言ったようです。
また、株式では一般的に上がるのは時間がかかるが、下がるのは速いことが多いものです。そのため、時間が短い間に下がることを期待するポジションを「ショート・ポジション」というという説もあります。
空売りでは、初めは何も持っていない(空)のに取引を行うことから、「shortage=不足」しているのに取引を行う、つまりショート、となったという説もあるようです。
一般には、原資産の値下がりに賭けるのが「ショート」と覚えておくと、間違いないでしょう。
ロング
ロングはショートの逆です。株式では、上がるのはゆっくり、下がるのは速いという傾向があり、長期間保有することが前提のポジションをロング・ポジション、「株の買い」=「ロング」と捉えることもできます。
一般には、原資産の値上がりに賭けるのが「ロング」と覚えておくのがよいかと思います。
FXなどの差金決済取引では、けっこうややこしいです。差金決済では「借りてきて買い戻して返す」という感じでもないからです。例えば、円を持っているときにドルを売ることをショートといいます。逆に、ドル建て口座でドルを売って円を買うのはロングとなります。元は株からの用語のようですが、さまざまな投資商品に使われる用語になっています。
しかし例えば不動産投資では「ロング」「ショート」という言葉は聞いたことがありません。不動産を空売りすることは普通ないためだと思うのですが、逆にいうと、投資商品が抽象化されていけばいくほど、デリバティブ化するほど、ショートがあり得るようになり、また特別でなくなります。さらに、取引の流れや手数料などにもついても、ロングとショートで違いがなくなっていくのだと思います。
- 不動産 ロングのみ
- 株 ロングが基本。ショートは信用取引
- FX ロングもショートも普通
ちなみに、投資用語の中でも、何を言っているのかまるでわからないものの最たるものがオプションの話です。例えば下記の感じです。
これはガンマショートの影響である。下落と供にデルタが拡大し、ドンドン損が広がっている。私が指咥えて見ていたのは、ボトム近傍では、ガンマはすでに0になっていたこと。またベガロングが激増していたので、デルタはまだロングなので下がればデルタでやられるが、ベガとのバランス次第ではさらなる下落で、プラ転することがわかっていたからだ。
その後、最後の4ヶ月はS&Pの値動きの荒い戻しと供にDDも戻しているが、ガンマショートの時間価値に加えて、IVの高止まりが、ガンマショートの効果を強調させている。ガンマショートで儲かる時=煮え切らない相場展開なので、IVは往々にして下がることが多く、ガンマショートであっても、ベガロングだとIVの低下に抗えず損することもありうる。(非常によくある)
まったく何をどう言っているのか、普通の人にはわかりません。ぼくも「銀オプションプット売り」についての記事を書くとき、どのくらい専門用語を使うか悩みました。専門用語を使うことで普通のコトバとは違ってしまいます。しかし、何を意味しているかが明確になるのと、表現が簡潔になって全体の趣旨がつかみやすいというメリットもあります。
少なくとも、自分が使っている用語については、その意味をどのように理解しているかを書いておくべきだと思い、この投資用語をまとめることにしています。