資産1億円以上、世界だと100万ドル以上を富裕層といいますが、彼らはどうやって資産を築いたのでしょう? 幻冬舎GOLD ONLINEに、資産10億ドル、つまり1000億円以上のビリオネアが、資産を築いた方法を国ごとに分類した記事が載っていました。これがかなり意外というか、国によって違っていました。
※ピーターソン国際経済研究所のレポート"The Origins of the Superrich: The Billionaire Characteristics Database"より
まず分類がけっこう面白いです。実は、かなりのビリオネアが相続で富裕層になっています。1996年の場合だいたい55%が相続によって、2001年でも42%が、2014年でも30%が相続で資産を築いた人です。
国別で見ると、日本では相続によるビリオネアは18%と、比較的少ないほうに入ります。では、日本人のビリオネアはどうやって富を築いたのでしょう?
トップは起業でした。実に63%が企業の創業者です。ソフトバンクの孫正義、ユニクロの柳井正、楽天の三木谷浩史など、あぁ確かにとも思いますね。この63%というのは、世界の国々の中でもトップで、意外なことに米国では32%しかいません。
日本では、株主であったり経営者であったりしてビリオネアになった人は7.4%しかいません。プロ経営者、雇われ社長の給料が比較的低いことも原因でしょうか。一方で、英国では36%が経営者であることでビリオネア入しています。
金融、つまり投資でビリオネアになった人は、日本では11.1%しかいません。世界平均より少し低めでしょうか。香港では40%に達しています。
面白いのは、「政治的コネクション」でビリオネアになった人が、世界にはゴロゴロいるということです。ロシアではなんと64%に達しており、ビリオネアといえば政治関連です。実は英国でも比率が高く29.8%がそうなのは意外でした。当然というか、日本ではこの比率は3.6%しかなく、非常にフェアな国です。
総合してみると、日本でビリオネアになるには事業を起こすのが一番です。企業内で出世しても富裕層になりにくいのは、このデータからも分かります。
世界全体を見回すと、ビリオネアになるための方法は国によって全然違うことがよく分かります。これは国民性の違いだけでなく、制度的に有利不利があるからでしょう。例えば日本では社長の給料は米国に比べて相当抑えられていますし、政治的コネクションがお金に直結する国と関係ない国もあります。
日本に生まれてよかったのかどうか。当然、ビリオネアが多く生まれる国というのは、格差が大きい国です。一方で、日本は富裕層になりやすい国かもしれません。