太陽光発電所の建設を進めていますが、さすがに物件数が多くあるといろいろとトラブルものあるものです。今回、なんと2ヶ所で「やっぱり土地は売らん!」という地主さんに遭遇しました。
やっぱり値段が安すぎた……という地主さん
1ヶ所は、街道沿いの開けた場所で日当たりもよく、理想的な場所ですね! と言っていた土地です。これはいい場所を見つけられたと喜んでいたのもつかの間、連絡が。
「地主さんが、やっぱり今の値段では売れない、と言っているんです」
「え? そうなんですか?」
「今の値段の2倍でないと売らない、と」
「……」
「もしその値段になると、全く採算が合わなくなります。これは諦めたほうがいいのでは」
「そうですね。残念」
わざわざ現地を見に行って、うまく決まったと思いきや、これです。しかもせっかく18円案件の土地なのに、値段を倍にしたら太陽光発電用には価値が下がってしまいます。2019年に入ってからやっぱり太陽光発電用に……と思っても、当初の価格では売れないですね。そのあたり地主さんはどう考えたのでしょう。
ともあれ、2倍と言われてはどうにもなりません。こちらのシミュレーションでは、10%価格が上がっただけでもけっこうな収益ダメージなので、もし交渉して1.5倍になっても、投資対象からは外れてしまいます。残念。
携帯会社にアンテナ立地を貸している
もう1ヶ所は、もろもろの手続きが終わり、工事日程を決めましょうというところまで来ていた案件です。当然契約書も取り交わし、あとは工事……というタイミングで電話が。
「売却予定の土地と少し重なる形で、携帯電話の鉄塔が立っていまして。電話会社にその土地をレンタルしているみたいなんです。もともとは、そことはずれているはずだったのですが、公図を改めて確認すると一部入っているようで。調整しましょう、と地主さんとやり取りしていたら、それならもう売らん! となってしまいました」
ちょっとまって。この土地についてはすでに東電へ電力負担金も支払い済みです。ここまで進んできて、しかも売買契約も交わしているのにいまさらキャンセルとは!
「地主さんとはもう話もできない状態で……」
そう言われても、こちらも困ります。売買契約を結んでも、引き渡しまではキャンセルできるのが通常です。買い主は手付金を諦めることで、売り主は手付金を倍返しすることでキャンセルできるのが普通です。
とはいえ、こちらも貴重な18円案件なのに加えて、電力負担金の支払いもあります。土地の仲介業者は、もう一度話をしてみますとは言っているものの。さて、どうなるか。
なかなかに太陽光発電所の建設はいろいろとあるものですね。