投資でセミリタイアする九条日記

セミリタイアを実現したサラリーマン。ETF投資を中心に、太陽光投資や不動産投資、オプション、VIX、FX、CFDまで使って資産運用をしています。

外貨建MMFは損失確定で節税ができる?

外貨建てMMFは不思議な商品です。普通の金融商品は、売却時に利益が確定し、利益に対して税金を払うわけです。ところが、外貨建てMMFはちょっと違うのです。

ドルの価値はそのままなのに損失確定?

例えば、1ドル100円の時に手持ちの100ドルでドルMMFを買ったとします。このあと、1ドルが80円になりました。このMMFとしては100ドル✕20円の500円の含み損です。そこで、これを売却します。受け取りはドルです。

 

すると、最初は100ドル持っていて、売却後も100ドルなのに、含み損が確定損に変わり▲500円の損失が確定するのです。証券会社の特定口座口座なら、自動的に▲500円の損失が記載されます。そしてどうやらこの損失は、配当や株式譲渡益と通算できるようなのですね。

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 為替レートの上下に合わせて売買すると節税?

今度は1ドル80円でまた外貨MMFを買います。これが100円になったときに売却すると、今度は利益が確定してしますので、このMMFを使ってドル建ての株式を買います。そのうち、ドルが100円のころ、株式を売却すると100ドルが現金として戻ってきます。そしたら、この100ドルでまた外貨MMFを買います。そしてまた80円に下がったら売却して損失確定……。

 

こんなふうにすると、為替レートが悪化して含み益が発生したら外貨建てMMFを売却すると、そのたびに損失を出せることになります。損失を出せるということは、利益を減らせるわけで税金を節約できます。実質的には、同額のドルを持ったままなのに、です。不思議な話です。

 

と、そう簡単にはいかないようで、国税庁にこんな記載がありました。 ややこしい表現ですが、要は、「売却時だけでなく、購入時にも為替差損を計算して納税」ということのようです。

米ドル建で預け入れていた預金10万ドルを払い出し、その全額を外貨建MMF(米ドル建公社債投資信託)に投資しました。この場合、その外貨建MMFに投資を行った時点で預金に係る為替差益を所得として認識する必要はありますか。

 預金の預入時のレート・・・1ドル=90円(円からドルへの交換と預金の預入は同日)
 外貨建MMF投資時のレート・・・1ドル=105円
 (注) 便宜上、預金の利子は考慮していません。

 

 為替差益を所得として認識する必要があります。

 外貨建取引とは、外国通貨で支払が行われる資産の販売及び購入、役務の提供、金銭の貸付け及び借入れその他の取引をいい、居住者が外貨建取引を行った場合には、その外貨建取引の金額の円換算額はその外貨建取引を行った時における外国為替の売買相場により換算した金額として、その者の各年分の各種所得の金額を計算するものとされています(所得税法第57条の3第1項)。
 照会のように、外貨建の預金をもって外貨建MMFに投資した場合には、新たな経済的価値(その投資時点における評価額)を持った資産(公社債投資信託の受益権)が外部から流入したことにより、それまでは評価差額にすぎなかった為替差損益に相当するものが所得税法第36条《収入金額》の収入すべき金額として実現したものと考えられますので、当該外貨建MMFの投資金額の円換算額とその投資に充てた外国通貨を取得した時の為替レートにより円換算した金額との差額(為替差損益)を所得として認識する必要があります。

 為替差益
 (105円-90円)×10万ドル=150万円

 なお、外貨建MMFの譲渡による所得の金額を計算する際、当該外貨建MMFへの投資時の為替レートによる円換算額をその取得に要した金額として所得を計算することになります。

預け入れていた外貨建預貯金を払い出して外貨建MMFに投資した場合の為替差損益の取扱い|国税庁

 先程の例で、100円になったときにまた外貨MMFを購入していますが、このドルはそもそも80円のときにMMFを解約して入手したものです。そのため、この購入段階で20円✕100ドルの利益が出ており、それを認識しないというのが国税庁が言っていることでしょう。

 

ところが、この取引は特定口座では対応してくれていません。あくまで外貨MMFは売却時に税金自動計算なんですね。

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 対応不足? 税金のお目溢し?

この利益は自分で確定申告しない限り、特定口座を使っていても納税されないということです。なるほど、ややこしい。

 

これに限らず、為替レートに関する税金はたいへん厄介で、計算なんて不可能じゃないかと思うことがしばしばですが。