1ドル105円台と急速な円高が進みました。理解している限り、背景は3つあります。
- FRB10年ぶりの利下げで金利差拡大
- トランプの制裁関税第4弾
- 1ドル=7元の元安、ドル高
利下げで金利差拡大
一般的な話ですが、為替レートは二国間の金利差で決まります。例えば米国の金利が上がると、高い金利のつくドルの魅力が高まります。そのため、円を売ってドルを買う動きが起き、円安ドル高になります。金利が下がった場合は、ちょうど逆の動きになります。
といっても、超短期の為替の動きは、上記のようなことが起こるという連想から、ドルが売られるというものですね。そのため、急速に円高が進みました。
制裁関税第4弾
もう一つが、トランプ大統領が9月1日から実施すると発表した、中国への制裁関税第4弾です。これは、楽天のトウシルにこれまでの流れがまとまっていました。
制裁第1弾(2018年7月):中国からの輸入340億ドルに25%の制裁関税
◆制裁第2弾(2018年8月):同160億ドルに25%の制裁関税
◆制裁第3弾(2018年9月):同2,000億ドルに10%の制裁関税
◆制裁第3弾の税率引き上げ(2019年5月):2,000億ドルへの関税を10%から25%に引き上げ
◆制裁第4弾(2019年8月):中国からの輸入品3,000億ドルに9月から10%の関税をかけると公表
世間的には、さすがに制裁第4弾はないだろうと見られていました。中国で生産しているiPhoneはもちろん、PCや靴、おもちゃなど、数多くの消費財が含まれるため、米国経済への影響が大きいからです。
これはサプライズだったので、衝撃が走ったわけです。
元安、ドル高
そして、元安、ドル高です。1ドル7元が防衛ラインと言われていましたが、今回それを超えて7.0424元まで元安が進みました。約10年ぶりの元安です。
中国への制裁によって貿易力が削がれるなか、元安になれば競争力が増します。中国の通貨当局が、この観点から元安を容認したといわれています。
そんな中、リスクオフが起こり、安全資産といわれる円が買われたのではないか? というのが、今回の円高の背景見立てです。
ランドも急落
ドル買いポジションを持っていれば、資金移動がたいへんだったのですが、現在はドルは持っていないので、あぁ円高だなぁという感じです。資産の半分はドルですが、109円が105円になっても4%程度の資産下落。合わせて株安ですが、まぁ想定内の調整です。
ただ南アランドも円に対して急落しました。ランドのスワップアーブポジションを取っているので、作業が発生です。水準でいえば6月の水準に戻った感じですが、急激に動いたので、資金移動を数回行っています。
さらに、ビビってクローズしてしまったVIXポジションが返す返すも残念です。もともと、こうした急騰があるだろうと思って、1ヶ月近くロングポジションをとっていたわけです。想定どおりになったときには、ポジションをクローズしている。よくある話ですが、これは取らぬ狸の皮算用ですね。