FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

金融リテラシーの3ステージ SaveからInvest、Asset Managementへ

最近、金融リテラシーというものには3ステップがあるのではないかと思っています。それぞれにステージが違って、求める内容も違う。ここを混ぜると、話がややこしくなるわけです。

最初のステージ「貯金」Savings

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最初のステップは貯金です。英語だとSavingsですね。目的を持って、あるいは特に目的はないけれど、お金を貯めるというステージです。

 

ここで必要になるリテラシーは、支出の管理です。持っているお金をすべて使ってしまったら貯まらないわけで、どう支出をコントロールするかが最大のポイントになります。もちろん、必要最低限で生活していてもギリギリで、貯めることなんてできないという人もいると思います。

 

でもそういう人は、意外と格安SIMを使わずに大手キャリアに大金を払っていたり、必要のない保険にたくさん加入していたりします。電気料金も素直に東電に払っていたり、交通費をいかに安く上げるかなんてこともあまり気にしていなかったりします。こうした、節約のノウハウが、最初の金融リテラシーなんでしょう。

 

必要なツールは、銀行です。ここでも、ATM利用料がゼロで、振り込み手数料もできるだけゼロのところを選べるかどうか。このあたりもリテラシーですね

2番目のステージ「投資」Invest

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次のステップは「投資」です。英語だとInvest。いくばくか貯金ができたら、それを増やすステージに入ります。

 

ここで必要なリテラシーは、リスクとリターンの感覚を身につけることです。とにかく一気に増やしたくて、値動きの激しい商品に手を出してしまうと火傷します。だれしも、ビギナーズラック的に「あれ、投資ってこんなに簡単に儲かっちゃうの?」と思ったことがあると思います。でもこれは、まさにたまたま。そのまま続けると、待っているのは全損です。

 

リターンが高いものはリスクも大きい。レバレッジをかけるFXやCFDなどはなおさらです。この絶対的な法則を体感できるかどうかが、このステージの次に進めるかのポイントです。

 

もう一つはコストの感覚です。リスクとリターンが表裏一体なら、投資に関わるコストは絶対的なマイナス要因です。いかにコストを抑えるかに注力することが、実は大事だったりします。ところが、値動きの大きな商品になるほど、つい僅かなコストが気にならなくなってしまいます。

 

10万円増えることを期待しているときに、100円のコストか50円のコストかなんて気にしなくなってしまうということです。これが、8%近い手数料を取る仮想通貨の販売所がやっていける理由の1つです。

 

必要なツールは、証券口座とNISA口座でしょう。ここでリスクとリターンの感覚を学びつつ、いかにコストを抑えるか、そして根源的に増加していく株式や不動産などの資産と、根源的にゼロサム・ゲームであるFXやデイトレードとの違いを学ぶことで、金融リテラシーを高めることになります。

第3のステージ「資産運用」AssetManagementへ

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最終段階のステップが、「資産運用」です。英語だとAsset Management。このステージまで達しているということは、運用できる資産が年収1年分くらいになっていることが理想です。

 

もちろん、長期・積立方式で始めた人は、第2ステップを通り越して、いきなりこのステップに来る場合もあります。それはそれで悪いことではなく、変に「投資」のステージを経験しないことで、火傷せずに過ごせることになります。

 

ここで必要なリテラシーは、アセットアロケーションでしょう。博打的な投資を別にすれば、資産運用のリターンの9割はアセットアロケーションで決まります。株式に何パーセント、債券に何パーセント、金や不動産などのオルタナティブに何パーセントを配分するか。通貨や国はどう分散させるか。この比率が、基本的なリターンを決めます。

 

しかもリスクとリターンは比例するといいながら、唯一のフリーランチがあるのがこのアセットアロケーションです。互いに相関のない資産を組み合わせることで、リスクだけを減らしてリターンだけを増やすことができるのです。

 

そして、リスク・リターンの量をどのくらいにするかは、現金比率で調整することが可能です。CAPMでいうトービンの分離定理です。

 

このステージでは、「投資」Investのような大きなリターンは望めません。保守的にいけば3%程度、普通にやって6%、アグレッシブにいっても10%といったところでしょう。逆にいうと、このくらいのリターンで十分な資産規模があって、初めて納得できるともいえるかもしれません。

資金量とも関係するステージ

資産で生活できるかという観点でいうと、1億円を3%/6%/10%で運用すると、年に300万円、600万円、1000万円が使えます。2億円なら、600万円、1200万円、2000万円です。5億円なら、1500万円、3000万円、5000万円まで増えます。完全リタイアしてもこうですから、かなりの余裕ですね。

 

ただし資産を増やすという観点では、3%のリターンは正直物足りないでしょう。100万円を1億円まで増やすのに、3%では156年かかってしまいます。6%なら80年で、10%なら49年です。15%まで利回りを上げられれば33年、20%なら26年でOKです。そして200%のリターンなら7年しかかからないわけです。

 

もちろん、ステージ1の貯蓄とステージ3の資産運用を組み合わせれば、けっこうなパーフォーマンスを出せます。

 

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