FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

ステータスにならなくなったクレカのランク

クレジットカードには、ゴールドカード、プラチナカードといったランク分けがあります。30年前のバブル期であれば、ゴールドカードを持っているのがステータス、なんて見られたこともありました。が、今ではランクがインフレして崩壊しています。

炎上したダイナースの広告

2018年の秋に「GOETHE」のWebに掲載されたダイナースの広告が炎上したのは記憶に新しいところです。これは、企業の「美人秘書」が、男性が持つべきクレジットカードについて、交通系や百貨店、スーパーブランドのカードを貶め、ダイナースはかっこいいと言わせるものでした。

 

そもそもクレカは、その人の属性によって作れるカードに違いがありました。比較的わかりやすいのがJCB発行のカードです。年会費無料の「JCB CARD W」を最下層として、一般カード、ゴールドカート、プラチナカードというランクになっています。

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ゴールドカードの全般的な特徴は、「空港ラウンジ利用可能」「豊富な旅行保険」ですね。プラチナカードでは一般的に、自分から申し込むことができずインビテーションを受けた人だけが申し込める、「コンシェルジュサービス」が利用可能、というのが大きな違いです。

スターテスとは?

そもそも「ステータス」 というのは、その人の社会的地位を指します。大企業の部長だとか、ものすごいお金持ちだとかそういうことです。

 

ところが、それは外見からは見ても分かりません。ユニクロに身を包んでいてもものすごいお金持ちもいますし、高級車に乗っていても実は低収入という人もいます。名刺を出したり、通帳を見せたりすれば分かりますが、普通はそんなものを見せる機会はありません。

 

それでも、社会的地位を表に出すことで、周りから丁寧な対応をしてもらえたり、精神的に優位に立てる状況もあります。もちろん、単に自慢したいという人も多いでしょう。

 

そこで、わざわざ名刺や通帳を見せなくても、その人の社会的地位が分かるように工夫されたものが、ステータスアイテムなわけです。高級車、高級な家、高級な服。そして特に有名なのが、高級腕時計と高ランクなクレカというわけです。 

カードステータスの崩壊の理由

 確かに高級腕時計をしている人を見ると、少なくとも余裕のある人なんだろうなとは思います。クレカも同様でした。

 

ただし、昨今はクレカがこうしたステータスを表すアイテムにならなくなってきています。ランクのインフレです。

 

以前はゴールドカードというのは簡単には取得できないものでした。年収1000万円近くで大企業勤務、そんなイメージです。ところが最近は、普通の主婦でもゴールドカードが作れてしまいます。年会費も2000円程度が増えていますし、年会費無料のゴールドカードもけっこうあります。

 

インビテーションにはなりますが、エポスゴールドカードやイオンゴールドカードがそうですね。

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こうなるとゴールドカードを持っているから社会的地位が高いなんて誰も思いません。そのため、その上としてプラチナカードが登場してきました。さらに、その上として最近はブラックカードがあります。どんどん価値がインフレして、ゴールドカードなんて庶民のカードという感じになってきているのです。

 

でも、プラチナカードとかブラックカードと言われても、本人はステータスを感じていても、周りからみると「なにそれ?」ということも少なくありません。カードに関心のない人からみると、いまだにゴールドカード=すごいカードなわけです。

 

これは、ロレックスをはめているとすごそうでも、パテック・フィリップには凄さを感じないのに似ています。周りの人の認識が変わらない限り、ステータスアイテムとしての効果はないのです。単に自己満足アイテムといいましょうか。

 

最近はQRコード決済や事前ネット決済の流れで、会計のときにカードを見せる機会も減りました。それでも、ある高級レストランの店長が、「うちは事前ネット決済は導入しません。自分のブラックカードを見せて支払いたいというお客さまが多いので」と言っていたのには、なにか根源的なものがあるのでしょう。

ステータスを誇示して意味のあるとき

昔のステータスはよくわからないのですが、バブル期であっても高級腕時計やハイランクカードをステータスとして有難がる風潮は、今と変わらなかったのでしょう。

 

つまり本人はうれしくて付けているが、周りから見ると、なにそれ? というものです。とはいえ、ステータスアイテムをバカにする一方で、見る方付ける方の両方で、意識されているのも事実だと感じます。

 

ステータスを誇示して意味があるのか、けっこう謎ですが、それでもやはり一定の効果があるのでしょうね。