今の部屋がかなり手狭になってきたため、3月末に引っ越しを予定しています。引っ越しとなると山のようにやらなくてはいけないことが出てくるのですが、その第1回は光回線です。
IIJmioひかりを利用中
現在使っている光回線は、IIJが提供するIIJひかりです。世の中のひかり回線は、大別してNTT東西の回線と、独自回線に分かれます。独自回線はauひかりとかNURO光とかですね。
そしてNTT東西の回線はいわゆる「フレッツ光」と呼ばれるものですが、ここにもいくつか種類があります。NTT東西と直接契約するピュアなフレッツ光の他に、各種事業者がNTT東西から回線を借り受けて、ユーザーにサービスを提供する「光コラボレーション」というものがあるのです。
IIJmioひかりはこの「光コラボ」。回線自体はフレッツ光ですが、プロバイダとしてのサービスはIIJが提供しています。モバイル回線でいうMNVOに近いですね。
ではなぜIIJmioひかりなのか。一つは、格安SIMとして長くIIJmioを利用しており、サービス品質に一定の信頼を置いていること。そして請求がまとまることもメリットです。二つ目の大きなポイントは、価格です。
- 戸建て 5456円
- マンション 4356円
となっており、さらにIIJmioのユーザーには月額660円の割引が適用になります。マンションタイプなら月額3696円になるわけで、これはかなり安い料金なわけです。
引っ越しに必要な手続き
では光回線を引っ越す場合はどうなるのか。部屋が新しいところになるため、新規工事費(一般に1万9800円)ほどではないのですが、費用が発生します。どうやらこの費用はNTT側からの請求らしく、どの光コラボでも同額のようです。
マンションの場合、2200円〜8360円までの幅があるのですが、これが実際いくらになるかは見積もりをしてみないと分からないということです。
逆に、IIJmioひかりのメリットは特に違約金が発生しないことです。契約継続なんだから違約金ないのは当たり前だろう?と思ったのですが、光コラボの都合上、NTT東と西を変わる移転の場合、違約金が発生する場合があるようです。
引っ越しにかかるコストと、乗り換えの選択
というわけで、引っ越しにかかるコストを試算すると、2200円から8250円の間ということになります(LANはおそらくない)。これがIIJmioひかりを使い続ける場合のコストです。
しかし一方で、このタイミングで別の回線に乗り換えるという選択肢もあります。次の住居は少なくとも3年は住むので、早期解約による違約金を心配する必要はありません。引っ越しのタイミングで切り替えれば、移転コストがいらなくなるのではないか? というのが発端です。
楽天ひかりが安い
ということで、いくつかの光回線を見てみました。その中でもコスト面で注目となったのが、楽天ひかりです。ちょうどタイミングがいいことに、キャンペーンが始まりました。
光回線は通常1万9800円の工事費がかかります。これを負担してくれるか、あるいは乗り換えの場合は1万円還元ということです。また工事費以外に初期登録費が1980円かかります。つまり、IIJmioひかりも含めて初期費用を計算するとこうなります。
- IIJmio引っ越し 2200〜8250円
- 新居で楽天ひかり新規 880円
- 現住居で楽天ひかりに乗り換えて(-1万+1980円+3300円)、引っ越し(2200〜8250円) 合計-2520〜3530円
なるほど、引っ越しのタイミングでIIJmioひかりを解約し、新居で楽天ひかりを新規で引く場合でも、コストは880円で済んでお得。さらに、現住居で楽天ひかりに乗り換えて、その後楽天ひかりで引っ越せば、マイナスコストになる可能性がけっこうあるわけです*1。
と、このように計算したのですが、大きな落とし穴が。工事費無料のキャンペーンは、
申し込み当月に開通した場合対象外。
とあります。うーむ。いま3月で、3月中に開通した場合は対象外ということですね。
楽天ひかりのランニングコストのチェック
イニシャルコストでは楽天ひかりが優秀なことが分かりました。ではランニングコストはどうでしょうか。まず楽天モバイルを契約していることが前提です。これにより、初年度は1年間料金が無料になります。
そして2年目以降の料金は4180円。これはIIJmioひかり(3696円)に比べると484円のアップということになります。つまり、初年度は無料の楽天ひかりが有利だけど、2年目からはIIJmioひかりのほうが安いので、徐々に差が縮まって、本当に長く使うならIIJmioひかりのほうが安くなるということです。ではその分岐点はというと、計算すると103.6カ月、8.6年となりました。
うん。この間には転居もするし、転居の際にはまた光回線の切り替えを検討しますね。ちなみに、楽天ひかりは3年縛りがついていて、期間内の違約金は1万450円。もし途中解約をしたとしても、初年度無料でおつりが来る計算ですね。
最後に、投資家らしく、支払タイミングが変わることのメリットも計算しておきましょう。楽天ひかりで初年度の支払いが不要なら、そのお金を投資に回すことができます。逆にいうと、早期に支払うIIJでは金利分の追加コストが必要だということになります。ここでは金利を5%を想定して、3年間のコストを計算してみました。
なるほど、3年間の総コストで楽天が圧倒的に安いだけでなく、さらに金利相当額でもIIJの半分程度となっています。けっこうな差ですね。
上記の試算では、先にIIJから楽天に切り替えて、その後転居する「楽天事前切替」と、転居時に楽天に新規加入する「楽天転居時切替」を比較すると、事前切替のほうがわずかにコストが安いことが分かりました。これは、3月申し込み、3月内開通の場合、工事費が無料にならないからです。
実際問題、1カ月では開通しない
ところが、いざ申し込みをしようとして困ったことに。3月末から4月は引っ越し繁忙期でもあるのですが、そうそう簡単に工事が完了しないというのです。サポートに電話してみると、「1カ月から2カ月」ということ。あれ?3月末に引っ越しなのに、引っ越してからしばらくネット回線がない状態ではないですか。
これはまずいと思い、取り急ぎ、楽天ひかりの申し込みを行いました。すると、契約確定後の画面で、工事日程が選択できました。3月中はまったく空きがなく、結局4月1日の午前に予約できました。
工事開通が申し込み翌月となったことで、無事にキャンペーンの工事費無料ももらえることになります。とはいえ、引っ越し後、3月中は光回線がない状態というのも困ったものです。まぁ楽天モバイルの回線がありますので、3月は3278円かかることを覚悟して、テザリングですごすしかなさそうです。
ちなみに、楽天ひかりのメリットはそのほかにもいくつかあります。SPUが1倍アップするという、楽天経済圏では重要な点が一つ。それから、IPv6に対応していて、良いらしいです。ルータが付いてこないのがデメリットとされていますが、ぼくの場合ちょうど先日、対応のTP-LinkのWiFiルータを買ったばかり。問題なさそうですね。
*1:−1万円はキャンペーン、1980円は楽天初期費用、3300円はIIJの事業者変更承諾番号発行代