7月1日から米国株の信用取引が始まります。しかし、これをどう活用したらいいのでしょうか? 考えてみました。
米国株の信用取引概要
米国株信用取引は、日本証券業協会の「外国証券の取引に関する規制」の改正を受けたものです。そのため、各証券会社は一斉に似たようなサービス内容でスタートです。ただし、スピード感や機能の網羅度は、ここにかける力の入れ具合で違うようです。
- 楽天証券 フル機能。7月からスタート
- SBI証券 買建のみ。7月からスタート
- マネックス証券 7月から延期、22年中予定
- auカブコム証券 冬スタート予定
というわけで、最も先行しているのが楽天証券。その楽天証券のサービス概要をまとめたのが下記です。
まず一般信用無期限なのはまぁそうでしょうね。レバレッジは2倍に抑えられており、レバをかけるには向きません。それならCFDのほうがいいでしょう。CFDではなく信用取引を使う理由としては、
- 税制が株と同じで損益通算できる
- 代用有価証券を使ってレバレッジをあげられる
- 対応銘柄が豊富
- 現引、現渡ができる
といったところでしょうか。金利を見ると4.5%+0.75%の5.25%!7月中は4.5%ということですが、これは高い。というか、日本が安すぎで米国金利の高さを実感するところです。逆に貸株料は2%とまぁまぁです。
買いから現引、売りから現渡
何に使うのがいいかな?と考えたところ、頭に浮かんだのが買いから現引、売りから現渡です。これは国内の信用取引でも一般的な手法ですね。
どういうことかというと、信用買いをしてそれを現引して現物に替えると、現引手数料が無料ならば、コストが安くすむという話です。現物売買手数料よりも信用手数料のほうが安いからです。
実際、楽天の現物売買手数料は0.495%。一方の信用手数料は0.33%。0.165%も安価になっています。また、上限額も現物が22ドル、信用は16.5ドルと、信用のほうがお得になっています。
グラフにしてみたのがこちら。横軸が約定金額(ドル)、縦軸が手数料(ドル)です。1日分の金利/貸株料を入れ込んでいるので、少しだけ売りの手数料のほうが安くなっていますね。
税金コントロールに使えるかも
あとの使いみちとしては、年末の税金コントロールですね。例えば、利益が乗っている銘柄を持っているが、そろそろ下落しそうなので売りたいと考えているとします。ところが、時期は12月。いま売ると税金が発生してしまう。できれば1年後まで税金を遅らせたい。
そう考えた時に信用売りの出番です。現物を売るのではなく、信用売をすることで、ポジションの合計としては売却したのと同じ。ただし、税払いは発生しません。というか、年が明けてから現渡してあげれば、税払いを1年先送りできます。
これも信用のオーソドックスな使い方ですね。
あとは二階建とかでしょうか。楽天証券の場合、証拠金は以下の3種類を使えます。
- 米ドル =100%
- 日本円 =95%
- 米国株式 =70%
日本株は掛け目80%なので、ちょっと不便ですね。まぁ例えば1万ドル分のApple株を持っていたら7000ドル分の担保になるので、これを証拠金にすれば1万4000ドル分のApple株を信用買いできます。つまり、2.4倍のポジションになるわけです。
信用買いの金利が4.5%(しかもこれでキャンペーン)もあるので、このレバレッジをかけるならやっぱりCFDのほうがいいような気もしますが、敢えて為替リスクを取るなら信用もありなのかもしれませんね。
もし、米国株信用をこんなふうにつかえる!というアイデアがありましたら、ぜひTwitterなどでコメントくださいませ。
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