FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

Web3という壮大なバブル 


このところビジネス界ではWeb3がバズワードのようです。曰く、「データを個人に」「分散型組織」「デジタルデータに価値がある」などなど。でも、いくら聞いてもやっぱりよく分かりません。

Web3は仮想通貨の焼き直しか

何がどうわからないって、Web3で叫ばれる価値って、その昔、Ethereumが出てきた頃に盛んに言われたことと何が違うの? という点です。

 

中央集権型の企業が所有するサーバのDBではなく、パブリックブロックチェーン上にデータを置いて、誰のものでもない扱いをしようとか。管理主体のいない組織でもインセンティブ設計をしっかり行えば、継続的にワークする……というのはいわゆるDAOですが、Bitcoin自体がそうですしDeFiプロジェクトとかもDAOの一種かと。さらに、デジタルデータに本質的な価値を……って、要はNFTですよね。

 

いずれも仮想通貨がメジャーになれば、こんな世界が来るといわれたときの夢でした。大きな違いとしては、当時は中央集権の親玉は国家であり、国家が管理する通貨に対して分散化型の民主主義通貨として仮想通貨があるという建て付けでした。

 

ところがWeb3では、中央集権の親玉はGAFAといったビッグテックになっています。Web2.0の覇者の覇権を揺るがすものだから、Web3だというわけです。

 

正直、新しい概念はあまりありません。強いて言えば、当時は盛り上がってなかったメタバースと組み合わさった点くらいでしょうか。メタバース内では、なぜかNFTとかトークンが法定通貨の代わりに使われるようです。メタバースは多大な投資が必要な中央集権的な仕組みだと理解しているので、そことWeb3の相性は決していいものではないようにもおもうのですが、どうなのでしょう。

 

SNSや現在のWeb世界に対して、さらに没入感を深めコミットを増したWebがメタバースであって、だからこそGAFAがコストをかけて構築にやっきになっている。つまり究極のWeb2.0のようにも思うのですが。

ブロックチェーンとトークンは別だと思っている人たち

ついでに、Web3って騒いでいる人たちは、意外と仮想通貨に冷淡だったりします。仮想通貨は無価値でありチューリップでありバブルであって、ギャンブル好きな人以外は近づかないものだ。そんなふうに思っている人がけっこういるのです。

 

にもかかわらず、Web3には何やら肯定的で、次のインターネットだ!なんて言っている。つまり、彼らにとってWeb3と仮想通貨は別物なのです。

 

こんな話、前にもあったなぁと思ったら、そう。ブロックチェーンと仮想通貨は別物だ、という議論でした。曰く、仮想通貨はギャンブルであって触れてはいけないが、ブロックチェーンは大発明であって世の中を変える! というのです。

 

では仮想通貨=トークンが存在しないブロックチェーンとは何でしょうか。それはプライベートブロックチェーンと呼ばれ、クローズドな環境の中で、限られた人や企業がノードとなって承認を行うブロックチェーンです。要するに分散型データベースであり、追記だけで修正できないという特徴はありますが、それ以上のものではないよな……という感想も持ちました。

 

やっぱり、独自トークン=仮想通貨が発行され、それをインセンティブとしてマイニングが行われるパブリックブロックチェーンだからこそ、これまでの中央集権的構造ではなし得なかったダイナミズムが手に入るものなのです。

仮想通貨冬の時代とWeb3

ビットコインが2万ドルを切って1万ドルまで下がるんじゃないか? とか、今回の下落は以前の下落とは違うという話とか、業界的にはとにかく暗い話題が多くなっています。

 

ところがWeb3のほうは、何やら資金が潤沢に集まるビジネスであり、国も国策として推進するような代物であり、Webに関わるビジネスパーソンならこれを無視しちゃダメみたいな前向きな雰囲気があります。あれ? Web3って仮想通貨なしじゃ成り立たないんだけど? どう考えてるの?

 

そしてWeb3で気になるのは、そこに実態がないことです。Web3サービスの代表例ってなんでしょう? Web3を実現する要素技術とは? Web3で企業はどうやって儲けるのでしょう? あれ?そもそも分散型でDAOで企業が存在しないコンセプトなのに、企業はいったいWeb3にどう関わるのかな?

 

仮想通貨の面白いところは、先にプロダクトがあったことです。もちろん最初の最初はサトシ・ナカモトの論文でした。でもそこからBitcoinは具体的なプロダクトとして動き始めます。ICOブームのときだって、ホワイトペーパーで終わったものもたくさんありましたが、けっこうな数のプロダクトが登場しました。実際のモノがあったのです。

 

それに対して、Web3は概念ばっかり。実際に触って使えるモノがありません。みんなが寄ってたかって、これはスゴイ概念だ!と言ってばかり。えと、こういうものをバブルっていいませんか? 中身がないのに期待だけが膨らんでいる。

 

そんなわけで、ぼくはWeb3については「VCが生み出したVCのための概念」だというジャック・ドーシーの見方に賛成です。これは仮想通貨なんて遥かに超えたバブルじゃないでしょうか。

 

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