先日、久々にメインスマホをiPhoneからAndroidに変えました。Pixel7です。正直、かなり使い勝手には満足しているのですが、一番戸惑ったのがGooglePayです。ApplePayとどこがどう違うのか、マニアックにまとめておきます。
- ApplePayとGooglePayでできることはだいたい同じだけど
- ApplePayのエクスプレスカードとメインカード
- GooglePayは支払い方法ごとにメインカード
- 電子マネーチャージのやりかた
- 意外とカードが登録できない
- iPhone→Androidでちょっと困ったこと
ApplePayとGooglePayでできることはだいたい同じだけど
どちらもできることはだいたい同じです。端末のNFCチップに、クレジットカードや電子マネー、ポイントなどを登録して、物理カードのコピーとして利用できます。「ApplePayで支払う」といっても、そういう決済手段があるわけではなくて、「ApplePayに登録したクレジットカード/電子マネーで支払う」という意味なのは、意外と分かりにくかったりもします。
実は、支払いを行うときに2つは意外と違いがあります。それは、複数カードを登録した場合です。
ApplePayのエクスプレスカードとメインカード
ApplePayには、エクスプレスカードとメインカードという設定があり、それぞれ1つずつ設定が可能です。エクスプレスカードに指定したカードは、iPhoneのロックを解除しなくても、かざすだけで決済できます。通常はSuicaやPASMOなどの交通系ICを指定して使います。電車に乗るときにいちいちロックを解除するのは面倒だからです。
メインカードは1つだけ設定できます。ApplePayでは、画面から選ぶか側面ボタンのダブルクリックでウォレットアプリが起動できますが、そのときデフォルトで選択されているのがメインカードです。つまりそのまま決済できます。メインカード以外のカードで支払う場合は、別途フリックしてカードを選択する必要があります。
つまりエクスプレスカード以外を使う場合はロック解除というセキュリティがかかっていて、ロック解除後も操作なしで使えるカードは1種類だということです。
GooglePayは支払い方法ごとにメインカード
GooglePayは考え方がけっこう異なっています。まず、支払い方法ごとにメインカードを設定します。例えば「交通系IC」のメインカードはこれ、「iD」のメインカードはこれ、「タッチ決済」のメインカードはこれ、といった具合です。
さらに交通系ICならばロックを解除せずに利用できます。タッチ決済などは、端末のロックが解除されていれば、タッチするだけで使えます。ApplePayのように何らか操作してウォレット画面を表示させる必要もありません。
最初はちょっと戸惑いましたが、慣れるとかなり便利です。ぼくは、タッチ決済/iD/QUICPay/PASMOなどを使い分けていますが、店頭で「QUICPayで」と言ったらあとはスマホをかざすだけで決済されます。iPhoneのときは、ウォレットを起動してQUICPayのカードを選ばなければいけませんでした。
電子マネーチャージのやりかた
ApplePayでもGooglePayでも、登録してある電子マネーに対しては、ApplePay/GooglePayに登録してあるクレカからチャージ操作が可能です。例えば、「モバイルPASMOに、三井住友カードゴールドからチャージ」する場合、両方ともApplePay/GooglePayに登録してあれば、ApplePay/GooglePayの画面からチャージ操作をして、チャージに使う決済手段を選べばOKです。
そして、別途その電子マネーのアプリを開き、そこにクレカ番号を登録してチャージすることも可能です。
唯一気になったのが、TOYOTA WalletからモバイルSuicaにチャージできないことでしょうか。モバイルPASMOにはチャージ可能なのに。なぜモバイルSuicaを使いたいかといえば、Amazonの支払いに使うためで、この高還元ルートを利用するためです。
意外とカードが登録できない
さて、似ているApplePay/GooglePayですが、意外とGooglePayには登録できないプリペイドカードがたくさんあります。例えば、ぼくの環境では下記のカードは下記のように表示され、登録できませんでした。
- ◯ Revolut(ApplePayでは登録できない
- ✗ au Walletプリペイド
- ✗ TOYOTA Wallet
- ✗ B/43
- ✗ MIXI M(JCB、Visa
- ✗ IDARE
- ◯ Kyash(QUICPayとして
- ◯ Vポイント
※2022/11/22追記:RevolutはGooglePayに登録できました。バーチャルカードが登録できなかったのですが、リアルカードは登録OKでした。ご指摘いただき分かりました。ありがとうございます!
Revolut以外はApplePayでは登録できたので、Visaが全くApplePayに登録できなかった以前と比べると、対応が逆転してきているような印象もあります。
iPhone→Androidでちょっと困ったこと
さて、iPhoneからAndroidに機種変更したときに、困るのがこうした決済系情報です。クレジットカードは本体が物理カードというか番号自体なので、新たに登録し直せば問題ありません。面倒なのが、電子マネーです。
正確には電子マネーには2種類あります。楽天キャッシュのようなサーバ管理型のものと、EdyやSuicaに代表されるICチップ管理型です。サーバ型は複数端末からでもログインすればOKなので困りませんが、ICチップ管理型は残高がICチップ内に格納されているので、機種変更が面倒なわけです。
まずモバイルSuicaは、ウォレットでSuicaを削除すれば残高などの情報がサーバに退避されます。その後、Android側でサーバにログインすれば、サーバからICをチップに再登録が完了です。問題はウォレットで削除できない場合で、故障や紛失のときがそれです。まぁでもわかりやすくはあります。
Edyについては、iPhoneが非対応なので、そもそも悩みませんが、AndroidからAndroidの機種変更の場合も、Edyアプリから楽天IDにログインして預けるを選ぶことで、サーバ退避、そして新端末で再登録する流れです。
nanacoはというと、iPhoneからAndroidに、なんと残高の引き継ぎができません。「残高を使い切れ」という非情な解説となっています。ところが、AndroidからiPhoneへは引き継ぎができるんですね。なんでこうなった? という感じです。
WAONについては、iPhoneからAndroidも、AndroidからiPhoneも残高移行はできないという、ある意味割り切った仕様です。問題は、このヘルプに簡単には行き着けないということでしょうか。
モバイルPASMOはというと、AndroidからiPhoneへは残高移行できるのに、iPhoneからAndroidへは残高移行ができません。「一旦退会」という、ちょっと残念な仕様です。
そんなわけで、似ているようでちょっと違う、ApplePayとGooglePayでした。おそらくiPhoneとAndroidを頻繁に行き来する人は少ないでしょうから、レアかつマニアックな話でした。