今最新のスマホといえば、9月に出たばかりの「iPhone 14 Pro」と10月に出たばかりの「Pixel7」です。実は、両方とも買って、いろいろ考えた結果、メインのスマホをPixel7にしました。その良し悪しを。
代わり映えしないiPhone
まずはiPhone 14 Proから。実はそれまでiPhone 12 miniを使っていたので、Proというのは大きな変化です。プロコンを挙げるとこんな感じです。
利点
- 画面が大きくてきれい
- カメラがとってもきれい
デメリット
- とにかく重い
- カメラの出っ張りが大きい
- 代わり映えしないiPhone
良くも悪くも、iPhoneはiPhoneです。iPhone 12 Proとか13 Proから乗り換えた人の話を聞いても、「特に乗り換える理由はないけど」という人がほとんどで、「2年経ったから」とか「新しいiPhoneは買うようにしている」とかで、ものすごく消極的な買い替えなのが印象的です。
一方で、12 miniからの乗り換えだと、その重さと大きさがジワリジワリと効いてきます。何しろ、ギリギリ片手持ちの片手打ちができないのです。これがけっこうストレス。寝転んで頭の上にスマホを持つと手がしびれるくらい重い。
ベストサイズのPixel7がやってきた
そこにやってきたのがPixel7です。最初に一握りしたときの感触は「あら?手にピッタリする?」ということ。角にエッジが立っているiPhoneとは違い、ラウンドしているせいか、握りが安定します。
"突起物”然としたiPhone 14 Proのカメラとは違い、Pixel7のカメラは出っ張ってはいるものの、デザインの一部のような形になっていてそれほど違和感がないというのもあります。とにかく、持ったときの感触がiPhone 14 Proよりいい。軽くて細いという感じ。
でもスペック表を見て驚きました。縦も横も厚さも、すべてiPhone 14 Proのほうが小さいんですよ。Pixel7のほうが小さいのは重さくらい。それもわずか9グラムです。なのに、持った感触は明らかにPixel7のほうが小さいんですね。
角のラウンドや、材質(iPhone 14 Proはステンレス、ステンレスしてるけど、Pixel7はプラっぽいアルミ)の違いが影響しているのでしょうけど、ちょっと驚きです。
久々のAndroid 良いところ
さてAndroid端末をメインに使うのはけっこう久しぶりです。2019年のPixel4以来だから、3年ぶり。さてどこがどう変わったか。
ディスプレイは正直iPhoneの勝ち。圧倒的にキレイです。カメラは、iPhone 12 mini<Pixel7<iPhone 14 Proといった感じ。それでも、Pixel7よりiPhone 14のほうがきれいだなーと感じるようなことはありません。正直、ハードウェアとしては甲乙つけがたい感じ。ただ、iPhone 14 Proは大きくて重い感じなだけです。
USB-Cだというのもいいですね。いまやMacやiPadだってUSB-Cです。なのにiPhoneだけがLIghtning端子を頑なに継続しています。2024年にはEU法案によってiPhoneもUSB-Cに変わることが間違いないと見られています。転送速度などを含めても、USB-Cのほうが全般に優れているわけです。
ではOSとしてのAndroidのいいところはどこか。
まず通知リストやコントロールセンターへのアクセスがしやすいです。iPhoneだと、デカい画面の一番上からフリックしないと出てこないのですが、Androidは画面のどこでも下フリックで出てきます。
通知のコントロールもAndroidのほうが一歩先を行っている感じ。通常通知とサイレント通知に別れて表示されます。アプリ一覧も、画面のどこかを下から上へフリック。画面サイズがとっても大きくなっている昨今、こうした操作のUIは重要です。
ぼくはIIJmioのSIMを使っているのですが、iPhoneの場合、別途専用のプロファイルをダウンロードしてインストールする必要があります。でもAndroidならこうした面倒はありません。このあたりもいいところですね。マルチタスク処理のUIもiPhoneより少し上。例えば、マップのカーナビ作動中なら、ホームに戻っても画面にオーバーレイしてミニウインドウを表示します。
アプリの情報を別のアプリに受け渡すインテントの仕組みも、やっぱりiPhoneより優れているかも。Androidではピュアに別のアプリを起動して受け渡すのですが、iPhoneはそのアプリ内でサブ機能を呼び出している感じ。例えば、Chrome起動中に見たページをTweetしようというとき、iPhoneの場合立ち上がるのはTwitterの画面であってChromeアプリの中にいます。Twittterアプリではないのです。そのため、Twitter投稿画面を見つつ、別アプリとしてTwitterは開けるのですが、Chromeは開けない。これ、投稿するときに、元のWebページが確認できなくて意外と不便なのです。
ところがAndroidだと、別のTwitterアプリが起動して、元のWebページを確認しながら投稿文面が練れます。また別途Twitterアプリを起動することも可能。なんかちゃんとマルチタスクしてる感じです。
テザリングも実は自由度が高いんです。iPhoneは、4G/5Gのネット接続をWi-FiやBluetooth、結線してテザリングすることしかできません。ところがAndroid(少なくともPixelとサムソン端末)は、Wi-Fiのネット接続もテザリングさせることができるんです。いわば、Wi-Fiのルータ(リピータ?)みたいに使える。これ実は意外と応用がききます。
さらに、マルチユーザーが使えるのも魅力。PCでユーザーを切り替えるように、1つのPixel7内で複数のユーザーを用意できます。LINEのマルチアカウントとか、証券会社アプリのマルチアカウントとか、テスト環境、ゲスト環境なんかも簡単に作れます。素に近いAndroidでないと、この機能は殺されていることが多いので、Pixelならでは魅力でもあります。
AndroidよりiPhoneのいいところ
Androidに魅力があるのと同様、iPhoneにも魅力があります。僕が感じたのはまず、iPhoneエコシステムから阻害されるということ。具体的には、Apple Watchが使えません。というか、連携しないので通知もこなくて、つけている理由があんまりありません。AirPodsは一応つながるものの、ただのBluetoothワイヤレスイヤホンになってしまいます。片方を耳から外したら音楽が止まる……みたいない機能はAndroidでは動きません。
Macとの連携もそうです。例えばAirDropが使えません。代わりに同じような技術を用いた「ニアバイシェア」がありますが、こちらAndroid端末同士でしか使えません。これってほぼ使う機会がないっす。
顔認証もiPhoneの圧勝です。最近、FaceIDを嫌う人が多いのですが、ぼくは大好き。指紋よりも失敗が少ないし、無駄な動作がいらないので、まったくもって愛用しています。Pixel7はディスプレイ上の指紋センサーとフロントカメラを使った顔認証なのですが、顔認証がもう一歩。スピードは悪くないのですが、FaceIDのような赤外線を使ったものではなく、単なるカメラなので、暗いところでは動かないし、精度がいまいちなので重要なところではパスコードが必要なのです。簡易ロック解除機能としてしか機能していない。
ウィジェットは、Androidから始まってiPhoneが追い越してしまった領域でしょう。特に純正のウィジェットの出来がiPhoneは秀逸で、株アプリだけで、こんなふうに株価がウィジェットで確認できるのですが、Androidはチト微妙。
そして何より感じたのは、AndroidよりiPhoneのほうがサードパーティアプリの出来がいいのです。これはOSの開発環境の違いというより、国内ベンダーがAndroidを軽視しているからでは? なんて思ったりしています。
だって、海外のメジャーアプリは、Android版もちゃんとした出来なんですよ。これが国内企業のものになると、「このアプリ、担当者自分で使ってないだろ?」という出来のものがちらほら。起動ごとにグルグル回って10秒くらい待たせる決済系の某アプリとか、iPhone版で起きないことがAndoroid版では発生します。この優先されなさが辛い。
また、リセール価格もiPhoneは圧倒的。Androidは値落ちが大きいので、正直使い潰す覚悟で買う必要があります。もっとも、下記のように、全般にAndroidのほうが安いので、リセールを考えてもAndroidかも? という考え方もできます。
- iPhone 14 11万9800円
- iPhone 14 Pro 14万9800円
- Pixel7 8万2500円
- Pixel7 Pro 12万4300円
さて、つらつらとiPhoneとPixelの最新の違いを、実際に使っている立場から書いてみました。そして、実はあえてここで書かなかったことがあります。そう、決済周りApple PayとGoogle PayとかNFCの話です。意外とここ、違いがあるので、次回にでもまとめてみたいと思います。