10月からSBIと楽天が日本株の現物・信用の手数料を無料化しました。インパクトありそうでよくよく考えるとあまり変化がなさそうなこちらの施策。優待クロスでは何が変わるでしょうか。
異名義クロスには朗報
まず異名義クロスには朗報です。異名義クロスとは、名義Aで信用売りをして、名義Bでは現物買いをするクロス。クロス解消時に名義Bでは現渡が使えないので、手数料無料の100万円/日の範囲で売却するしかできませんでした。
それが今回現物手数料が無料化されたことで、権利落ち日にまとめて全部売却が可能になります。ちなみに法人名義の楽天・SBIともに無料プランに変更できました。
制度信用の売りをどこで建てるか
もう一つ変更がありそうなのが売りポジションを建てる証券会社。一般信用のほうは在庫があるところで建てるので関係ありませんが、制度信用はどこで建てても同じなので、コストの低いところで建てるべきです。
これまでも楽天証券、SBI証券は大口優遇を取れば信用取引手数料は無料になっていたのですが、一般信用在庫が豊富な日興をメインで使っていたため、惰性で日興で制度も建てていました。ちなみに日興は最初から信用手数料は無料です。今後はどこで建てるかをちゃんと検討する必要があります。
証券会社 | 売り金利 | 買い金利 |
---|---|---|
日興証券 | 1.15% | 2.5% |
楽天証券 | 1.1% | 2.8% |
楽天証券大口 | 1.1% | 2.28% |
SBI証券 | 1.1% | 2.8% |
SBI証券大口 | 1.1% | 2.28% |
これを見ると、買い建て金利は日興が2.5%で最も安くなっていますが、いまや現物売買も手数料無料の時代。わざわざ買い建て金利を払って、信用買いから現引きをする必要はありません。つまり買い建てなんて使うことはありません。売り金利(貸株料)はというと、楽天とSBIが1.1%でわずかに日興よりも安くなっています。
結論からいえば、日興から楽天/SBIに制度信用でポジションを建てる証券会社を変更すべきです。
楽天かSBIか
楽天のほうがいいかSBIがいいかは、各人の状況によるでしょう。僕の場合はメイン証券会社が楽天で、楽天に多くの銘柄を保有しているため、それを代用有価証券として活用する前提で、楽天で売り建てるのがよさそうです。
ただ一点気になっているのは、UIの使い勝手。クロスをやる人なら分かると思いますが、長期保有銘柄とクロス銘柄が画面に混じっているとけっこうやりにくいのです。探しにくいし見落としやすい。端株もとてもじゃまなので、SBIに集約しているくらいです。ここが今回の施策のちょっとした欠点になりますね。
www.kuzyofire.com
www.kuzyofire.com