FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

今27歳に戻ったら、どうやって1億円の資産を作るか(未来を知っている人間の投資戦略)


『今27歳だったら、どうやって1億円の資産を作るか』は前編、後編とマジメに書きました。今回はちょっと趣向を変えて、「今27歳に戻ったら」どうやって1億円の資産を作るか? を考えてみます。

 

そうです。タイムリープです。27歳というのはアテで、ちょうど20年前に戻ったとして考えてみます。2003年に戻ったらどうするか? という思考実験です。

2003年ってどんなだった?

さて20年前の2003年はどんな年だったでしょうか?

  • 小泉純一郎首相(当時)が引き続きリーダーシップを発揮しており、様々な政策改革や構造改革が進行していました。小泉内閣は経済再生を重視し、多くの政策を打ち出していました。
  • 携帯電話(ガラケー)が非常に普及しており、多くの新しいモデルが登場していました。
  • イラク戦争の開始: アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリア、ポーランドなどからなる連合軍が、イラクの大量破壊兵器保有を理由にサッダーム・フセイン政権を打倒する目的でイラクを侵攻しました。
  • SARS(重症急性呼吸器症候群): SARSコロナウイルスがアジアを中心に世界中で広がり、数ヵ国でパンデミックに近い状態となりました。
  • PlayStation 2 (PS2): PS2はソニーが製造した非常に人気のあるゲームコンソールで、2003年当時も多くのヒットタイトルが登場しました。

なんとなく思い出してきました。インターネットは普及し始めていましたが、スマホはまだなく、液晶テレビさえ普及期でブラウン管TVがたくさん残っていました。

 

為替は1ドル120円から始まり、年末には107円まで円高が進んでいました。2003年時点での時価総額ランキングトップ5位の企業は以下の通りです

  1. ゼネラル・エレクトリック
  2. マイクロソフト
  3. エクソンモービル
  4. ファイザー
  5. シティグループ

できるだけ早期に1億円を作る

はっきりいって記憶を保ったまま20年前に戻るなんてチートそのものです。1億円を作るなんて超カンタンなので、目指すのは世界一のお金持ちです。フォーブス2023によると世界トップの富豪はLVMHのベルナール・アルノーで2110億ドル、約31兆円。たぶん、10年かからずにこれを超えられるでしょう。たぶん……。

 

20年前のぼくがどのくらいのお金を持っていたかというと、お恥ずかしながらほぼ貯金ゼロ。そのため、投資原資は2003年夏にもらった賞与ということにしましょう。手取り30万円くらいはもらえていたような? これを早期に1億円、そして10年で30兆円、20年後には10兆ドル=1500兆円くらいにしたいですね。これは世界の株式時価総額の約10%です。

 

未来を知っている場合、つまりほぼ勝ちが確定している場合、どのように投資するのがベストでしょうか。それは当然レバレッジです。そして短期間で急激に増減する銘柄が望ましいです。そうすれば、一発でかなり資産を増やすことができます。あれ、これってギャンブラー的投資家の発想そのものですね。いま少し気持ちが分かりました。

 

このあとの20年、相場の大きな流れは分かっています。まず2008年にリーマンショックが来ます。そこまではまぁ相場は堅調に推移したはず(よく覚えていない……)。それからどこかでITバブルが来ます。あ、確かITバブルのほうが先立ったか?為替は2003年時点で107−120円でしたが、100円を割って80円台まで突入します。えっと、いつだっけ?

 

リーマンショックの影響は3年くらい続くけど、そこから米国株は急速に復活し、過去最高を更新し続けます。途中コロナショックもありましたが、絶好の買い場で終わり、すぐに復活。そして2023年に至るという感じです。

 

あれ。未来を知っているはずなのに、実は大したことを覚えていないですね。米国大統領選の結果とかも知っているので、政治ベッティングに賭ければ確実に勝てるのですが、今回はそういうのは反則にしましょう。

最初の1年

では初年度2003年は何に投資しましょう? うーん。全然企業名が分からない。最初は30万円しかないので、未来の知識を元に大きくレバレッジをかけてドカンと儲けることを目指すとなると「長期的にはApple買っておけば儲かる」みたいなのはダメな気がします。あ、これも典型的なギャンブル投資家的な発想だ。

 

担保も持っていない人間にとって、大きなレバレッジが掛けられるというのは為替、FXです。そしてドル円はこのあと円高に振れることも知っています。いつ円高になるのかは知らないけど。

 

というわけで、30万円のうちの20万円を使ってドルを売りましょう。当時のFXはレバ100倍も可能。といっても、これだとちょっと円安に動いたらロスカットなので、20倍でどうよ? 残りの10万円は取っておくことにします。というわけで、20万円の証拠金で30lot、ドル円をショート。さて為替はどうなったでしょうか。

 

あらら?107円スタートした為替は、2004年初頭は円安に。2月には108.9円まで安くなって……つまり20万円のポジションはロスカットされました。全損です。なくなりました。

 

そうか、こうやって人は資産を失っていくのか。なまじ「そのうち90円切るような円安が来るんだよ」みたいな知識があるから、つい今の内にポジション取っとけ&未来は分かっているんだからレバレッジ最大だ!みたいなことを思ってしまうわけです。

 

残り資産は10万円。世界最大の富豪どころか、破産直前じゃないですか。いきなりピンチです。次の一手は……また次回をお楽しみに〜。

 

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