ネット銀行のキャンペーンでよくある「給与の振込設定で◯◯pt」。ここで気になるのは、いったいどんな振込が給与とみなされるか? ですね。また、自分の法人から給与振込を行うにはどうしたらいいでしょうか? ちょっと調べてみました。
- 「振込振替」「総合振込」「給与振込」
- 給与振込可能なネット銀行
- 無料で給与振込が可能な楽天銀行
- 月額5500円で給与振込ができる三井住友銀行
- みずほも月額5500円
- GMOあおぞら 住信SBIネット銀行は給与振込なし
「振込振替」「総合振込」「給与振込」
銀行振込、特にネットバンキングはデータを銀行に送り、銀行がそれに基づいて振込処理を行います。このときのデータフォーマットは標準化されていて、それが「全銀フォーマット」(全銀協規定フォーマット)です。
これは大きく「振込振替」「総合振込」「給与振込」の3種類があり、それぞれで全銀フォーマットの記載が異なります。その総合振込/給与振込のフォーマットを見ると、ヘッダの種別コードに、総合(21)、給与(11)、賞与(12)を記載する欄があることが分かります。
つまり、この種別コードによって、それが普通の振込(総合)か給与なのか賞与なのかを判断できるというわけです。
なお、「振込振替」「総合振込」「給与振込」はデータ作成と承認作業の違いによるもので、ざっくりこんな感じです。
- 振込振替 送金先ごとに1つずつ振込データを作成、承認
- 総合振込 複数送金を1つのデータとし、一括で伝送、承認
- 給与振込 総合振込に近いが下記の違いがある(システム的な違いというより事業上の違い)
- 多くの場合振込手数料が優遇される
- 承認期限が早い(給与資金を優先的に確保するのが目的
- 支払いを受けた側に「キュウヨ」「ショウヨ」と記載される
個人向けの振込は、基本振込振替で、データをまとめて一括送信する機能は法人向けとなります。
給与振込可能なネット銀行
このように給与扱いされるためには、給与振込に当たるデータ(ヘッダの種別コードが給与)を作成できる銀行を使う必要があることが分かりました。では、そんな機能を持つネット銀行はどこがあるでしょうか?
ぼくは、下記の法人口座を持っているので、チェックしてみました。
- 楽天銀行
- 住信SBIネット銀行
- GMOあおぞらネット銀行
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
無料で給与振込が可能な楽天銀行
楽天銀行の法人口座は、無料でファームバンキング(総合振込や給与振込)が利用できます。先に「振込手数料が優遇される」「承認期限が早い」ことが給与振込の特徴と書きましたが、楽天銀行の場合は手数料は都度送金と同じ、依頼は直前まで可能です。
申し込みは無料ですが手続きが必要で、審査含め1週間から10日ほどかかるということです。振込の手数料は下記のとおりです。
楽天銀行の給与・賞与振込を使い、楽天銀行の個人口座で受け取るとポイントがもらえる!とうたっていて確信犯です。
月額5500円で給与振込ができる三井住友銀行
三井住友銀行は、ごくごくシンプルな法人口座なら無料でインターネットバンキングが使えます。下記のライトプランです。一人社長などで、一斉振込とか承認者を分けたいとかがなければこれでも十分です。
ただ給与振込を使うには月額料金5500円のスタンダードタイプ以上を使う必要があります。
みずほも月額5500円
みずほ銀行は、大きく3種類のネットバンキングサービスがあります。
- 簡易ネットバンキングサービスの「みずほビジネスWEB」(月額3300円)
- 高機能版ネットバンキングサービスの「みずほe-ビジネスサイト」
- ベーシック:月額5500円
- スタンダード:2万2000円
このうち、給与振込は「みずほe-ビジネスサイト」でのみ利用できます。
GMOあおぞら 住信SBIネット銀行は給与振込なし
残りのGMOあおぞらネット銀行と住信SBIネット銀行の法人口座は、残念ながら給与振込機能はなし。法人口座を作れはするものの、まだまだ機能面では不足がある感じです。
※ご質問詳細 | よくあるご質問 | GMOあおぞらネット銀行
※総合振込サービス | 法人のお客さま | NEOBANK 住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は総合振込は申込みすれば可能なので、やろうと思えば給与振込も簡単に対応できるようにも思いますが、どうなのでしょうね。
そんなわけで振込における「給与振込」とは何か、そして法人口座で給与振込を使うのはどうしたらいいかを調査してみました。豆知識ネタですね。